奈良方面から国道25号線を西に進み、法隆寺門前を通り過ぎて間もなく、標識に従って左折すると吉田寺専用の駐車場に着く。
そこから竹林を通って進むと多宝塔が現れる。広くない境内だが、鬱蒼と木が茂り、辺りに静寂が漂っている。
吉田寺(きちでんじ)の創建は、天智天皇の勅願と伝えられ、本堂西側には妹君御陵と伝わる小さな古墳がある。
その後、恵心僧都(源信)が987年(永延元年)に開基した。
孝心の篤かった恵心僧都の祈願で、母親が苦しみもなくやすらかに往生したことから、この寺で祈願すると長く患わないで、腰シモの世話も受けることなく往生できるという信仰が生まれ、寺は「ぽっくり往生の寺→ポックリ寺」と呼ばれるようになった。
境内の右手に建つ多宝塔は、室町時代の寛正4年(1463年)の創建で、二層、高さ40尺(約12m)。
奈良県下では珍しい重要文化財の多宝塔である。
通称「ポックリ寺」で知られる吉田寺
ここで祈願すると長患いすることなく、ポックリ往生できるということから、通称・ポックリ寺として親しまれている。
多宝塔(重要文化財)
駐車場横から境内へ
安政6年(1859年)に再建された本堂
本堂に入るとはるか先の正面に、本尊の丈六(約5m)の木造阿弥陀如来像(重要文化財)が金色に輝いていた。
よほど保存がよかったのだろうか、近年修復されたのだろうか、まるで銅で鋳造されたように見える。
千体仏の光背を持ち、その大きさから「大和のおおぼとけ」の別名を持つ。
お寺の方から説明を受けて分かったが、像は防災設備を備えた収蔵庫に納められ、日中だけ分厚い扉が開かれて拝めるようになっている。
本堂と一体になっているので、説明がなければそれと分からなかった。
本尊前には小さな木魚が100個以上置かれていた。
四季の行事には多くの信者が集まり、念仏を唱えながらこれを叩くのだろう。
住 所 |
奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1−1−23 |
電 話 |
0745−74−2651 |
寺 宝 |
重要文化財
多宝塔・本尊阿弥陀如来像 |
アクセス |
・JR法隆寺駅よりタクシーで5分
・JR王寺駅・近鉄王寺駅から奈良交通バスで竜田神社前(吉田寺前)、徒歩3分
・西名阪自動車道・法隆寺ICを出て国道25線で西へ1.5km |
拝観料 |
境内無料
本堂拝観300円 |
駐車場 |
有り(20台程度) |
斑鳩町URL |
http://www.town.ikaruga.nara.jp/ |