丹生川上神社上社 (川上村)
川上村は東西を台高山脈と大峯山脈そして北を吉野山に囲まれ、多雨地帯から流れ出る数々の源流はここで合流して吉野川となり、しばし北行、後に西行して名前を紀の川と変え、和歌山市で紀伊水道に注ぐ。川上村はその名に相応しく吉野川・紀の川の生みの親である。

吉野林業発祥の地でもある川上村では、500年前から植林が進められてきて、村のほとんどが山林である、
しかし林業は輸入材に圧迫されて低迷を続けている。

奈良県北部から和歌山県南端にかけて、紀伊半島を南北に縦断する山岳国道が2本通る。,番号が隣り合わせの国道168号線と169号線だ。

何れも急峻な山の斜面をえぐって完成した山岳道路で、近年、あらたなトンネル建設や2車線化が進んで入るものの、豪雨で修復まで数年が見込まれる大規模な土砂崩れが起こるなど、いぜんとして日本有数の秘境を通過する難路である。
急峻な峡谷を流れる吉野川。この近くで大規模な土砂崩れがあった(現在開通)。
奈良県を代表する秘湯・入之波温泉に宿泊した翌日、すぐ近く、秘境の趣深い川上村の高台にある「延喜式」式内社の丹生川上神社上社を参拝した。
奈良市内から、途中、日本有数の降雨量がある大台ケ原の麓を通過し、和歌山県新宮市に至る山岳道路国道169号線。
大滝ダムと平行して国道をしばらく進むと、人口僅か2500人の川上村の村役場、道の駅、村営の湯盛温泉ホテル杉の湯が並ぶ一帯に到着する。
ここは村の行政・観光の拠点である。

その先すぐにあるトンネルの手前を左折して急峻な坂道を登った山腹に丹生川上神社上社がある。

延喜式「式内社」で、もともとは吉野川沿いの迫集落にあったが、大迫ダムの建設により水没することになったため、新たに建設された造成地の西側の山腹に移転された。

境内からは真下に吉野川の峡谷、遠くには険しい山々が連なり絶景と言っていい。
新たに建設された本殿は堂々たる佇まい。ダム建設の補償でタップリ予算が付いたのだろうか。
堂々たる本殿。もう少し年月を経ると荘厳さが出てくるだろう。古くから祈雨・止雨の神として崇拝されてきた。
山腹に造営されたため、境内は階段を上る。車で本殿間近まで来られる(駐車場あり)
山々はうっすらと雪を被っていた。素晴らしい眺望だ。
ここを上社として、下市町に下社、東吉野村に中社がある。
温 泉
川上村には2つの温泉がある。
一つは国道沿い、村役場に並んで建つ湯盛温泉ホテル杉の湯(村営)。もう一つは少し先を左折、大迫ダムの上を通り、湖畔沿いの狭い道を3kmほど進んだ先にある入之波(しおのは)温泉五色湯(村営)と山鳩湯である。
私のメインサイト「名湯・秘湯・立ち寄り湯300」で紹介しているので参照下さい。
湯盛温泉ホテル杉の湯
大迫ダムの上を通って入之波温泉
人気の高い五色湯
奈良県を代表する名湯・秘湯の山鳩湯
住 所 吉野郡川上村迫
アクセス ・近鉄吉野線大和上市駅から奈良交通バス樫尾経由湯盛温泉杉の湯(終点)下車徒歩15分