藤原氏の氏神として、興福寺と一体となって庇護されてきた春日大社。社域は100ヘクタールに及び、神域とされてきた春日原始林は、春日大社とともに世界文化遺産に登録されている。
北側、駐車場{有料)のすぐ手前には「宝物殿」があり、奈良時代から鎌倉時代にかけての国宝や重要文化財の工芸品が展示されている。
二の鳥居をくぐって間もなくすると社殿に到達する。
社殿は、東西南北に鮮やかな朱に塗られた回廊が廻らされている。
先ずは檜皮葺きの着到殿(ちゃくとうでん)、そして朱色の南門(重文)をくぐって境内に入る。
住 所 | 奈良市春日野町160 |
電 話 | 0742-22-7788 |
交 通 | JR関西本線奈良駅・近鉄奈良線奈良駅から市内循環バス大仏殿春日大社前下車徒歩10分 |
駐車場 | 宝物殿裏側に有料駐車場有り |
春日大社HP | http://www.kasugataisha.or.jp/ |
春日大社には摂社が5社、末社が56社ある。
摂社の一つ、若宮神社は本殿から南へ100mほどの距離にある。
1003(長保5)年、関白藤原忠通によって社殿が建設された。
若宮本殿は、本社本殿と同じ形式で春日造りである。
毎年12月17日の「(若宮)おん祭」はこの神社の祭礼である。
直会殿
幣殿・舞殿(へいでん・ぶでん)。東側2間を幣殿、西側3間を舞殿と言う。幣殿は天皇陛下のお供え物である御幣物を一旦納める建物。舞殿は宮中伝来の御神楽を行うための建物。
中門(重文)は本殿の直前にある楼門で約10mの高さがある。中門正面の唐破風(からはふう)は明治時代に取り付けられた。
本殿{国宝)は、切妻屋根で妻入りの第一殿から第四殿まであり、4神を祀る。創建は称徳天皇の神護景雲2年(768年)11月9日とされている。
春日大社へのルートは幾つかあるが、最も一般的な道は、大仏殿春日大社前バス停から参道を進む行き方だが、正式なものは、興福寺と猿沢池の間を通る三条通りをまっすぐ東に向かい、一の鳥居(重要文化財)をくぐって参道を行くルートである。
この一の鳥居をくぐった先では、毎年12月17日に、春日若宮おん祭のお渡り行列や稚児流鏑馬が行われる。
参道を更に進み、全国各地から奉納された石灯籠の中を通り抜けると万葉植物園(神苑)があり、万葉集ゆかりの植物200種類が植えられている。
参道のその先右奥には鹿苑(ろくおん)があり、10月には秋の風物詩である鹿の角切りが行われる。
参道を進むと二の鳥居に出る。
その脇には手水舎や祓戸社があり、ここで清めて本殿に向かう。
世界文化遺産の碑
二の鳥居
一の鳥居(重要文化財)
回廊内には、他に何れも重要文化財の直会殿(なおらいでん)・内侍殿(ないしでん)・宝庫などがある。
・直会殿:東を正面とする南北8間、東西4間の広大な建物で、素木造。。東の2間が母屋となり、春日祭には、勅使・弁以下の直会の儀式が殿上で行なわれる。
・内侍殿:御神前で奉仕をする内侍(女性)が控えていた建物。
・宝庫:
東側を正面として、厚板で組み上げられた朱塗の校倉造の建物。3月の春日祭の時に飾られる御神宝(鏡、太刀、鉾、弓矢など)が納められる。
宝物殿
南門は春日大社正面の楼門。表参道を歩いて回廊内に入る時に潜る門で、高さは12m、春日大社最大の門だ。
朱塗りの回廊
直会殿(なおらいでん・重要文化財)の釣灯篭。
若宮神社(重文)