采女神社 (奈良市)

猿沢の池の北西端、興福寺南円堂から下る階段の基に朱塗りの小さな神社が祀られている。
春日大社の末社である采女(うねめ)神社だ。

この神社、社殿が鳥居に背を向けている。
「大和物語」によると次の悲話が語られている。

「昔々、時の帝は采女という美しい女性を寵愛されたが、やがて心変わりをされて、彼女を遠ざけられた。

それを悲しんだ采女は、猿沢池に身を投じ自らの命を絶った。

そんな彼女の霊を慰めるために小さな社が建てられた。
しかし、社は采女が身を投げた猿沢池をみるに偲びず、一夜にして背を向けてしまった。」

毎年、中秋の名月の時期に采女祭が行われる。

この祭は采女の霊を祀る祭りだ。

猿沢池に龍と鳳凰の形をした2艘の船が浮かべられ、稚児や十二単衣の花扇使が乗船して池を2周回る。

 所在地  奈良市橋本町(猿沢の池北西端)
 アクセス 近鉄奈良駅から徒歩5分 
 駐車場  無し 周辺の有料駐車場利用
 采女祭  9月中秋の名月の日16:30〜
 参考URL  奈良市観光情報センター

社殿が鳥居に背を向けている采女神社

猿沢の池と興福寺五重塔

采女祭りのポスター(奈良市観光情報センターHPから借用)