万葉集では明日香の枕詞として飛鳥が使われている。

飛鳥(とぶとり)の 明日香の里を置きて去(い)なば君が辺は見えずかもあらむ

飛鳥は奈良県のほぼ中央に位置し、現在の高市郡明日香村辺りを指す地域だ。
周囲を山や丘陵に囲まれた小盆地で、中央を飛鳥川が流れている。

日本の原風景、のどかな山里の飛鳥だが、中央集権律令国家の誕生の地であることから、飛鳥時代の宮殿や史跡が数多く発掘されている。
万葉集にも数多く詠まれ、数多くの古墳や不思議な石造物が点在する古代史ロマンの地でもある。

日本で唯一全域が古都保存法対象地域の自治体であり、村全体の世界遺産登録に向けた計画が進行中である。


鬼の俎・鬼の雪隠 (明日香村)

飛鳥(明日香村)には不思議な石造物があちらこちらに点在している。その内の一つが鬼の俎(まないた)と鬼の雪隠(せっちん)だ。

上下とも鬼の俎(まないた)

鬼の雪隠(せっちん)

飛鳥には制作年代や用途が不明な謎の石造物が点在している。

最大の石造物は石舞台古墳だが、その他に鬼の俎、鬼の雪隠、坂船石、猿石、亀石、二面石など枚挙にいとまがない。

欽明天皇陵から飛鳥周遊歩道を東に、国営飛鳥歴史公園館からは北へそれぞれ500mほど歩くと、丘の南斜面、道路を挟んだ上と下に不思議な形の石造物があり、鉄柵で囲まれている。
鬼の俎と鬼の雪隠だ。

近年の研究により、これらは破壊された古墳の横口式石槨(せっかく)の床石と転落した蓋石という学説が定説になっている。

アクセス  近鉄吉野線飛鳥駅から徒歩15分 
明日香村観光HP
国営飛鳥歴史公園HP
http://www.asukamura.jp/kanko.html
http://www.asukamura.jp/kanko.html

明日香村ののどかな風景