猿沢の池から見た興福寺・五重塔
古都奈良に相応しい雰囲気を持つ食事処の一つが「塔の茶屋」だ。
我が家から車で30分足らずで行ける距離にありながら、今までそこで夕食はともかく昼食も取ったことが無かった。
「いつでも行ける」「少々お高い」がその理由だった。
先日、家内の母親が曾孫(私の次女の子供3人)と会いたい、ということで、(家内の)妹に付き添われて、はるばる東京から我が家にやってきた。
その2人の希望により、ここで昼食を取ることになった。
塔の茶屋は、総面積500万u(150万坪)の広大な敷地を持つ奈良公園の一角、東大寺等とともに世界文化遺産(古都奈良の文化財)に指定された法相宗大本山・興福寺の五重塔(国宝)の真裏にある。
興福寺当局の特別の許可を得て営業しているそうで、今なら火を使う店舗をこんな近くに建てる事は許されなだろう。
塔の茶屋入口。周囲は木立に囲まれていて、木漏れ日が美しい。
200年前の古材を使った建物。木の格子が美しい情緒ある外観だ。
藤棚の下、畳敷きの床机でお弁当を頂く。冬は緋毛氈が敷かれていたように記憶している。
メニューは2種類だけだ。
●茶がゆ弁当(午前11:30〜午後4:00)
・梅酒・わらび餅付き 3,150円
・向付・椀盛付き 5,250円
●茶がゆ懐石(午前11:30〜午後9:00)
・6,300円・8,400円・10,500円
(料金は2007年6月現在)
両方とも予約が望ましいようだが、この日に注文した茶がゆ弁当(3,150円)は予約無しだった。
弁当は庭の床机で取り、懐石は建物内の個室(4室)で頂ける。
また、古美術に興味がある人は、予約時にその旨を伝えておくと「楽しい容器」を準備するとのことだ。
当日頂いた「茶がゆ弁当(3,150円)」。勘定は母親が・・ゴチでした。
天然記念物の鹿も庭から見える。
これほど文化財に囲まれた食事処は無いだろう。
世界文化遺産の真っ只中、目の前には興福寺五重塔(国宝)、間近に東金堂・北円堂・南円堂(すべて国宝)、それに国宝館には、有名な阿修羅像をはじめ、あまりの多さに有り難味が薄れるほどの国宝・重文の仏像群が展示されている。
東大寺大仏殿へも徒歩7〜8分の距離だ。
阿修羅像
●奈良・茶・茶がゆ
古来、奈良は茶と縁が深く、茶の故郷と言える。
・鎌倉時代、中国から茶をもたらした栄西禅師は、東大寺復興の大勧進職を担った。
・西大寺の叡尊上人は大和をはじめ諸国の末寺に茶園を開いた。宇治をはじめ茶の名産地の多くがこれに由来する。
西大寺の有名な行事「大茶盛」は、この叡尊上人の遺徳を偲ぶ行事だ。
この様な茶の歴史を持つ奈良の茶がゆは、僧坊の斎食(とき)に始まって、大和国中にはもちろん、近国の庶民に広まった。
食生活の変化によって、地元でも昔のように広く食べられなくなっているようだが、ここでは昔ながらの方法で料理され供されている。
(塔の茶屋HP参考)
茶の香と仄かな渋みがするさっぱり味だ。
住 所 |
奈良市登大路町47 |
電 話 |
0742-22-4348 |
交 通 |
近鉄奈良駅から徒歩7〜8分 |
営業時間 |
茶がゆ弁当(午前11:30〜午後4:00)
茶がゆ懐石(午前11:30〜午後9:00) |
定休日 |
毎週火曜日(祝日の場合は営業) |
メニュー |
茶がゆ懐石6,300〜10,500円
茶がゆ弁当3,150円〜5,250円 |
駐車場 |
興福寺境内東側に有料駐車場有り(1日700円)
しかし、土日祝日は満車のことが多い。 |
ホームページ |
http://www15.ocn.ne.jp/~tyagayu/ |