規模はかなり大きいが、外観がかなり老朽化した蓬莱館(せっとんさんの記事)

南アルプスの山々を源流とする沢水を集めた早川に平行して走る南アルプス街道。
最奥の奈良田温泉から早川を少し下った街道沿い、標高800mにある西山温泉の歴史は1300年以上昔に遡れるようで、西暦705(慶雲2)年、この地に流浪してきた都人が発見したというが、藤原真人と具体的に名前が特定されているのが凄い。

西山温泉には、早川沿いに一目見て高級旅館と分かる慶雲館とその反対にかなり老朽化した蓬莱館の2館がある。
その内、慶雲館が今年(2011年)2月にギネスより世界最古の宿として認定されたので、ギネスを納得させる古文書が現存しているのだろう。

こうなると、宿のHPで、地元甲州の英雄・武田信玄はもとより、徳川家康がここで2回入浴したと具体的に書かれていることも、資料で裏付けがとれるのだろう、時代がずっと後だけに余計に信憑性が高くなる。

温泉は、山梨県では希少な高温の自噴泉と掘削温泉があるが、湧出量が多く贅沢な湯の使い方をしている。

デザート(フルーツパイ)
止め椀(赤出汁・香の物・ご飯)
酢の物(3点盛り・・・茜鱒オイル漬け・うるい・木の芽)
肉は焼きダレ胡麻風味・塩胡椒で
お造り(茜鱒・雪鱒焼霜造り・青大豆湯葉・しだれ湯葉)
吸い物(筍豆腐 菜の花・桜麩・芽葱)
前菜(黄味辛子蓮根・塩鴨ロース・山女魚小袖寿司・筍木の芽味噌和え・花びら百合根・鍵蕨・天豆蜜煮他)
先付け(花びら大根・木の芽)
名物(特選甲州黒毛和牛(A5)・付け野菜)
番外(どんぐり麺を胡麻油で)
焼き物(岩魚の塩焼き・胡桃土佐和え)
煮物(鰻道明寺蒸し・たらの芽・銀餡)
床の間の生け花
檜の浴槽、ここに落とされる湯も温泉。
洗面所
踏込み3畳
土産サンプルを含めて、山盛りの茶請け。
眺望が抜群に良い「望渓の湯」。(女性9:00〜21:00 男性21:00〜9:00)
大小の岩石を配置した露天風呂「白鳳の湯」。男性9:00〜21:00 女性21:00〜9:00)
高級感がある石造りの「石風の湯」も4階にあるので、渓谷を眼前に見ながら入浴できる。(女性9:00〜21:00 男性21:00〜9:00)
桧造りの「桧香の湯」、一度に30人は入れる大きさ、ジャグジー浴槽(写真奥)も付いている。湯が縁から静かに流れ出ている。(男性9:00〜21:00 女性21:00〜9:00)
見晴らしの良いサウナは珍しい。
早川の渓流を望む大きな貸切風呂(無料)の「川音」と「瀬音」は22時までは予約制、23時からは空いていれば自由に利用できる。わたしは早朝、2ヵ所をかけ持ちした。
館内・館外の湯上り処
じゃらん口コミ評価満点の5点の風呂だが、逆に浴室・風呂に素朴さとか情緒を求める人には、贅沢な造りの浴室や大きな浴槽は逆に物足らなさを感じるかもしれない。

風呂は時間によって男女が交代する内湯2ヵ所(4階)と露天風呂2ヵ所(1階と4階)、それに貸切風呂2ヵ所(1階)とサウナが1ヶ所ある。

露天風呂は内湯と繋がっておらず、続けて入浴する人は二度着脱をしないといけないので面倒を感じるかもしれないが、1回目の入浴を体が洗える内湯で、2回目を爽快な大きな露天風呂でゆったりと入浴すれば良いだろう。

温泉は、自然湧出する源泉4本(約400リットル/分)を有していたが、平成18年に創業1300年記念事業としてすぐ近くで掘削したところ、湯温52℃、1600リットル/分の自噴泉を掘り当てた。
合計で2000リットル/分の内、資源保護の為にその1/4だけを使用しているが、それでも6ヶ所の風呂、シャワー、部屋の風呂にいたるまで加温・加水無しの源泉かけ流しとしている。


代表的な泉質はナトリウム・カルシウムー硝酸塩・塩化物温泉(含塩化土類芒硝泉)で、pH9も効いてかつるすべ感があり、一部の風呂では体に細かい泡が付着した。

尚、日帰り入浴は受け付けていない。
風 呂
1階だが、早川の渓流から高い位置にあるので眺望も良かった。
部屋は101号室(釜無川)、ランクアップしてくれて12畳+6畳+踏込み3畳+広縁+風呂+トイレ(シャワー)+洗面所という広い部屋で、床の間も両方に付いていた。
温泉教授松田忠徳氏の著書、日本百名湯の中で、山梨県ではすぐ近くの奈良田温泉(白根館)とともに西山温泉(慶雲館)が選ばれている。

また全国あるいは東日本旅館名宿100選等に慶雲館が常に上位ランクされている

通常の旅行ではとても泊まれない高級旅館だったが、最近2万円以下の企画も出てきていたので、宿泊・入浴700ヶ所の記念としてここに予約を入れた。

上述の通り、創業西暦705年(慶雲2年=館名はこの年号に因む))の慶雲館は、今年(2011年)2月にギネスブックで「世界一古い旅館」と認定された
これまでは、石川県加賀温泉郷にあって、西暦718年創業の粟津温泉法師が最古と言われていいたが、この記録を破ったことになる。


現在の高級感溢れる館内外や豪華な風呂群を見ると、平成9年に現在の建物に改修されるまでは、湯治の宿であったという事実はとても信じられない。

建物は鉄筋4階建てだが、玄関に入るとそこが3階になっていて、客室・風呂へはエレベーターで上下する。

早川町は山梨県の南西部にあり、北部・西部を南アルプス(赤石山脈)、東部を櫛形山系、南部を身延山地に囲まれた山間の町だ。
町域には間ノ岳や農鳥岳などの3000m級の名峰が聳え、山間地帯が96%を占めている。
平成合併にも参加せず、日本一人口(約2000名)が少ない町となった。

町のほぼ中央を町名の由来になっている早川が南北に貫通している。早川は、日本で2番目に高い北岳(3193m)と4番目に高い間ノ岳(3189m)を源流としており、身延町で富士川と合流する。

この川に沿って通じる南アルプス街道(県道37号線)が、町外へ通じる唯一の道となっている。

縮尺の小さな地図で見ると、甲府方面からの県道20号線で芦安温泉桃の木温泉から夜叉人峠経由で南アルプス街道に出られる細い道路があるが、峠から先は一般車通行禁止になっている。

★立ち寄り入浴不可★

温泉名 : 西山温泉

このような環境から、つい最近まで陸の孤島状態で、独特の風俗や習慣が残っており、日本最後の焼畑農業もここだったそうだ。また、外との交流が少なかったのだろう、この地区では望月という名前が6割をしめている、という記事を見かけた。

平成9年に全面改装された慶雲館。鉄筋4階建てのすっきりした外観だが、黄土色の壁面、館内には木材がふんだんに用いられて豪華な和の雰囲気だ。
一言で言えば熱海や有馬の高級旅館の宿が、南アルプス山麓の秘境に移動したと想像すれば良いだろう。

早川の上流はダムがあり水量は少ない。道路は奈良田温泉までは整備されていて安心して運転できる。

所在地 : 南巨摩郡早川町

立ち寄り入浴不可に付き関連情報省略。

住 所 山梨県南巨摩郡早川町湯島825
電 話 0556−48−2111
交通機関 中央自動車道甲府南ICから国道52号線・県道37号線等で約70km 駐車場50台
JR身延線身延駅から山交タウンコーチバス奈良田行きで1時間24分、西山温泉下車すぐ
宿 泊 37室(露天風呂付きBT2 内風呂付きBT33 BT2)
21,000円〜45,000円程度(2011年10月プラン)
最新・詳細情報は下記の慶雲閣HP参照のこと。
泉 質 主たる源泉:ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉(源泉温度52℃ 湧出量2030リットル/分(掘削自噴1630リットル/分  自然湧出400リットル/分 源泉計6本)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 宿泊客 24時間
定休日 無休
入浴施設 内風呂:男女交代制2  露天風呂:男女交代制2  貸切露天風呂2(20時まで予約 23時以降予約不要 無料)
観光スポット 奈良田民族資料館・富士川クラフトパーク・赤沢宿・白鳳渓谷・身延山久遠寺富士五湖・富士急ハイランド・青木ヶ原樹海・白糸の滝・甲府
お土産 館内で可
近くの温泉 奈良田温泉奈良田の里温泉、雨畑湖温泉(VILLA雨畑)光源の里温泉(ヘルシー美里下部温泉、富士河口湖温泉郷
早川町HP
商工会HP
慶雲閣HP
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/
http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~hayakawa/
http://www.keiunkan.co.jp/
雑記帳 入浴施設700ヶ所達成記念として慶雲閣に宿泊した。
これで奈良田温泉白根館と合わせ、北岳をはじめ3000m級の山が連なる南アルプス東側山麓の2ヶ所の名湯・名宿に宿泊した。
一方、車両通行が可能な夜叉神峠東側では芦安温泉桃の木温泉に宿泊してるので、藪の湯温泉・青木鉱泉などを残すが、南アルプス山麓の温泉はこれで打ち止めとなるだろう。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
西山温泉 慶雲 (山梨県)
創業705年(慶雲2年)創業、世界一古い宿としてギネスブックで認定された。
ワイドなガラス窓から早川の渓谷が眼前に望める豪華なロビー。
客室は1階から3階までの全37室、すべてBT付きで10畳に踏込み・広縁がついた和室が中心だ。

料金は標準客室21,000円から特別室45,000円(2011年11月現在)。年度・季節・曜日・1室宿泊人数・プラン等によって増減されるので、詳細・最新情報は下記のHPを参照ください。


入浴700ヶ所記念という理由付けをしたが、それでも大盤振る舞いは出来ず、当時で一番安かった19450円(税込み)のプランを予約した。

因みにじゃらんの口コミ評価は、風呂が満点の5点、総合は4.6点となっている。
食 事
部屋のキーは便利な2個。
食事は夕食・朝食とも部屋出しとなる。

慶雲館の食事の評価は高い。
30代(仲居さんから聴取)の佐藤料理長は、料理が引き立つ色を抑えた地味な食器に薄味・繊細な品々を美しく盛り付ける。
熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、タイミングよく供されるのも嬉しい。
食前酒:巨峰ワイン
定番の品以外にジュース・ヨーグルト・サラダが付く充実した朝食。

大きな地図で見る
西山温泉慶雲館は南アルプス東麓の標高800m、早川の渓流沿いに位置し、温泉教授松田忠徳氏が選考した日本百名湯の温泉・宿である。
2011年2月には、ギネスブックに創業西暦705年(慶雲2年)、世界一古い宿に認定された。
創業1300年を記念して新たな源泉を求めて掘削したところ、湯温が50℃を超え、1分間に1600リットルもの湧出がある温泉を掘り当て、6ヶ所の風呂やシャワー、客室の浴槽もすべて加温加水無しの完全かけ流しになっている。ふだんの予算をオーバーしてしまうが、今回、入浴700ヶ所記念として奮発し宿泊することにした。

施設名 : 慶雲館 (宿泊日:2011.4.8)