カラフルな窓のステンドグラスは当時と違うだろう。浴槽は4mx3mほど。手前の掛け湯は激熱で、管理人のおばさんから利用しないよう注意があった。
明治19年の総湯。これを模して古総湯を建設した。
明治時代の総湯を復元した堂々たる構えの古総湯。周辺を老舗の宿が囲む。
営業時間は6時〜22時、入浴料金は500円、宿泊客の場合は割引券を購入することが出来る。
山代・山中・片山津・粟津の4温泉を総称して加賀温泉郷と呼び、前の3つは加賀市にあり、最も歴史が古い粟津温泉が小松市にある。
最も大きいのが、加賀市内陸部の田園地帯、江戸時代からの歴史を有する共同浴場を囲むようにして、大小の旅館・ホテル群が立ち並ぶ山代温泉で、現在19館の旅館ホテルが営業している。
近年になって従来の共同浴場「山代温泉浴殿」が取り壊され、あらたに総湯と明治時代の総湯を復元した古総湯が相次いで建設された。
大聖寺川の中流にある鶴仙渓沿いの狭い地域にある山中温泉が、その狭さ故に大型化が難しかったのに対し、山代と片山津は平野部にあるので宿・ホテルの大型化が進み、100室、200室の客室を持つ旅館が次々と現れた。
バブル崩壊後、一挙に不況が押し寄せ、大型旅館・ホテルの倒産、他県資本の企業グループ傘下に吸収された。
最近では、創業100年の歴史を有し、200室の客室を持つ山代温泉のホテル百万石が2012年9月に倒産している。
江戸時代は、共同浴場の周りに内湯を持たない温泉宿が立ち並び、宿泊客は共同浴場に通って入浴した。
この共同浴場が総湯で、これを中心とした周囲の街並みを「湯の曲輪(ゆのがわ)」といい、日本の温泉文化をいまに伝えている。
従って、総湯を囲む旅館の多くが老舗の宿だが、バブル崩壊後の不況で、多くの宿が倒産したり、外部資本企業の傘下に入ったりしている。
湯の曲輪の中心にあった共同浴場の「山代温泉浴殿」が取り壊され、平成21年8月に、旧吉野屋旅館の跡地に(新)総湯が建設され、引き続き翌平成22年10年には、浴殿跡地に古総湯がオープンした。
古総湯は、明治時代の総湯を復元したもので、外観はもちろん、内装の床や壁の九谷焼タイルも復元し、往時のままにシャワーやカランが設置されていない。
温泉は山代温泉新1号泉(ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉)をかけ流しで落している。
2階には当時のように休憩所が設けられているが、こちらはステンドガラスがはめ込まれ、異国情緒漂う雰囲気になっている。
旧山代温泉浴殿の跡地に建設された古総湯は、明治時代の総湯を復元した堂々たる共同浴場。浴室は赤茶色の板壁と当時のままに復元した九谷焼タイルとカラフルなステンドグラスが調和して見事な佇まい、温泉は加温無しの源泉掛け流しだ。
2005年10月に山中町と合併して市域を広げた人口7万人余の加賀市は、石川県の南西に位置して南部で福井県と接している。
機械製造業の企業が多いが、山代、山中、片山津など、加賀温泉郷の中核を成す温泉地を有している。
歴史的に見ると、豊臣秀吉の盟友、「槍の又左」こと前田利家を始祖とする加賀藩(加賀・越中・能登)は、二代・前田利長の時代に、徳川家康の度々の干渉を乗り切り、幕末まで120万石を維持した。
三代・利常は、寛永16年(1639年)、次男利次に富山10万石、三男利治に大聖寺7万石を分封した。
加賀藩前田家の歴代藩主は美術工芸を愛し、これの振興・育成に努めたが、支藩となった大聖寺の歴代の藩主も同様だった。
初代藩主・利治は、領内の九谷村に陶石が見つかったのを機に、この地で磁器の窯を開かせた。九谷焼(古九谷焼)の始まりである。
加賀市はこの大聖寺藩の城下町であり、石川県の最南端にあって東南部の山地を背に日本海に面し、北前船の基地としても栄えた。
脱衣所は浴室と一体型。赤茶色にニスを塗った板壁が美しい。カラン・シャワー・シャワー類は一切無い。
九谷焼のタイルも当時の通りに忠実に復元されている。
貴重品ロッカーがある。
温泉たまごソフトクリ―ム(バニラor抹茶) 350円で食べられる。
施設名 : 古総湯(こそうゆ)
冬の風物詩。寒さで割れないように石灯籠に藁が巻かれる。
篆刻家・画家・陶芸家・書道家・料理家・美食家などの様々な顔を持っていた北大路 魯山人の寓居跡・いろは草庵。ここで九谷焼の修業に勤しんだ。
ベンガラ色のはづちを楽堂は湯の曲輪の一角にある。水辺に茶店・丹塗り屋などがある。
住 所 | 石川県加賀市山代温泉18−28 |
電 話 | 0761−76−0144 |
交通機関 | 北陸自動車道加賀ICから県道20号線・39号線等で約10km JR北陸温泉加賀温泉駅からバスで15分山代東口下車徒歩5分 |
施 設 | 休憩所(2階)、駐車場 |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉(旧称:含石膏・食塩・芒硝泉) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 | 6時〜22時 |
定休日 | 第4水曜日午前中(午後から通常) |
入浴料金 | 大人500円 中人200円 小人100円 |
入浴施設 | 男女内湯各 |
浴室備品 | カラン・シャワー・シャンプー類など一切無し |
観光スポット | 九谷焼窯跡展示館、魯山人寓居跡 いろは草庵、はづちを楽堂、森光子一座記念館、大聖寺、橋立、動橋、石川県九谷焼美術館、東尋坊、丸岡城、永平寺、松井秀喜ベースボールミュージアム、金沢市、能登半島 |
お土産・食事 | 土産・食事とも温泉街に多数。 |
近くの温泉 | 山中温泉、片山津温泉・粟津温泉・芦原温泉・三国温泉、佐野温泉 |
加賀市HP 観光協会HP 旅館組合HP 古総湯紹介HP |
http://www.city.kaga.ishikawa.jp/ http://www.yamashiro-map.info/ http://www.yamashiro-spa.or.jp/ http://www.yamashiro-spa.or.jp/kosoyu/ |
雑記帳 | 総湯のある北陸の温泉地は次の通り。 片山津温泉、山代温泉、粟津温泉、加賀八幡温泉、湯湧温泉、白峰温泉、和倉温泉。 地元の人に混じって、ローカル色豊かな公衆浴場で入浴すると、旅のいい思い出となる。 |
山代温泉の「九谷焼の店 朝日屋」で九谷焼の小皿やマグカップを購入した。
2階の男性側休憩室。ステンドグラスが畳が敷かれた部屋をカラフルの彩ってる。回廊を通じて女性側と繋がってるので、待ち合わせにも使える。
源泉かけ流しの表示がされている。季節によっては温度を下げるための加水はあるが、加温はしていない。