「神が通る」、なにやら神聖な響きがあるが、所在する字名だ。
7年ぶりの再訪だ。最初は桃山町であら川の桃を買い求め、帰りは時間短縮を優先させて、阪和自動車道で自宅に帰るために粉河街道(県道62号線)を北上中、偶然見かけたのが神通温泉だった。
今回も同じ、片道2時間半かけて桃山町に向かい、その後、昼食をそこで取ることにして神通温泉に立ち寄った。
大阪側からだと、低い丘陵が連なる和泉山脈を走る粉河街道を南下、犬鳴山温泉を通り過ぎて数キロ、和歌山県に入ってすぐの道路沿い右手にある。
館内・浴室の様子は7年目と変わらず、浴室内には以前と同じく温泉分析表の掲示は無く、代わりに少々怪しげな神通温泉礼讃のボードが貼ってあった。
泉質はどうやらpH10を超えるアルカリ性単純温泉のようで、かけ流し、但し、浮遊物(湯ノ花など)を除去するために濾過しているとの表示があった。
入浴料金は以前より安くなっていて大人640円、営業時間は11時〜21時、定休日は第三月曜日。
紀の川市は和歌山県の最北に位置し、2005年11月に、旧那賀郡打田町、粉河町、桃山町など5町が合併し誕生した。
この市名は公募によって決められたそうだが、これはもちろん、市域を西行し紀伊水道に流れ込む紀の川に因んだものだ。
紀の川は全国的にも有数な多雨地帯として知られている大台ヶ原を源流とし、奈良県吉野郡の川上村を流れ下った吉野川が、和歌山県に入ってこの河川名に変わる。
市の観光資源としては、「青洲の里」「粉河寺」「桃源郷」等がある。
青洲の里は、江戸時代中期、妻と娘の大きな犠牲のもとに開発した麻酔薬を使用し、世界初の乳ガン摘出手術に成功した華岡青洲の偉業を顕彰する施設だ。
粉河寺は、西国三十三霊場は第三番の札所として、全国から数多くの参拝者が訪れ、私も10年以上前に訪れた。
また、桃源郷の愛称が使われている桃山地区は、「あら川の桃」として知られる桃の産地である。
今年も片道100km、車であら川の桃を買いに出かけた。写真は家庭用の桃で、一箱1,000円〜2,000円。他に親戚知人に送るが、もちろんこちらは贈呈用を求めた。
7月上旬から2週間程度の間隔を置いて、白鳳・清水・川中島の順で出荷されて行く。
透明、光線の具合か、僅かに白濁して見えるのは気のせいだろうか。湯が風呂の縁から絶え間なく溢れ出ていた。
pH10.5が本物なら全国的にも珍しい強アルカリ性温泉だが、そこそこのぬめり感があり、床がかなり滑りやすくなっている。
一度に10人は入れる規模の浴槽。ジェットバスが3ヶ所に設置され、絶えず湯面が揺れて落ち着かない。
窓の外は小川の対岸に繁る木々の緑が美しい。露天風呂は無い。
ここの食事処で取ったランチ。かつ丼と冷し中華(家内)。2人とも、美味しい、こんな所で!と言いながら食べた。
粉河街道沿い、浅い丘陵に囲まれた神通温泉は、県道沿いなので見落とすことは無い。
写真前方、3kmほど先に大阪府の犬鳴温泉がある。裏側を細い小川が流れている。
住 所 | 和歌山県紀の川市神通150−1 |
電 話 | 0736−77−7553 |
交通機関 | 阪和自動車道上之郷ICから62号線で南下、約10km(犬鳴山温泉の南約3km) JR阪和線熊取駅下車、粉川駅行きバスに乗車、神通バス停下車 JR和歌山線粉河駅から熊取駅行きバス20分、神通バス停下車 |
施 設(日帰り) | 食事処・駐車場(50台前後) |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | アルカリ性単純温泉(泉温30℃ pH10.5℃) 館内に源泉かけ流し(但し浮遊物除去のため濾過)の表示有り |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(外来) |
11時〜21時 |
定休日 | 毎月第三月曜日 |
入浴料金 | 大人(中学生以上)640円 小人420円 |
入浴施設 | 内湯男女各1 |
浴室備品 | シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | 周辺でのフルーツ狩(モモ、梨、リンゴ、ブドウ等)、青洲の里、桃山町(桃の直売所)、粉川寺、根来寺、高野山、紀伊三井寺、ポルトヨーロッパ、黒潮市場 |
お土産・食事 | 館内で食事・土産可 「めっけもん広場」で野菜・果実・切り花など。 |
近くの温泉 | ゆの里温泉、紀伊見温泉、犬鳴山温泉、奥水間温泉 |
紀の川市HP 観光協会HP 神通温泉紹介HP 青洲の里HP あら川の桃HP |
http://www.city.kinokawa.lg.jp/ http://www.kanko-kinokawa.jp/ http://www.wakayama-onsen.jp/area/kihoku/%E7%A5%9E%E9%80%9A%E6%B8%A9%E6%B3%89.html http://seishu.sakura.ne.jp/ http://www15.ocn.ne.jp/~aramomo/ |
フロント前の賑やかな売店、奥が食事処。