吉野葛のあんかけ
海老・茄子・南瓜の天ぷら

手作りリンゴコンポーネントと柚子シャーベット

浴室にある「後鬼」の像。

食 事

足に支障があると予め言っておいたせいだろうか、畳敷きの和室にテーブル・椅子を置いてくれていた。

海産物はほとんど無く、山川の食材を使った、いかにも山岳信仰のメッカに相応しい山里料理。

この料理の食材は何?どうやって調理したの?、と思うような凝った料理は無く、素朴で懐かしさを感じさせるものが多かった。

胃にもたれるものもなく、また量的にも、我々の年代にはぴったりだった。

洞川温泉の「行者通り」の真ん中にあり花屋徳兵衛。500年の歴史を有する洞川温泉きっての老舗旅館。現在のご主人は17代目。

風 呂

後鬼の湯と名付けられた男女別の内湯と1ヶ所の貸切風呂(50分2000円ー入浴せず)があり、内湯は午後8時30分で男女が変わる。

修験道の開祖である役小角は夫婦の鬼を従えていて前鬼(ぜんき)が夫、後鬼(ごき)が妻である。後鬼は現在の吉野郡天川村出身とされ、この関係で後鬼の湯と名付けられたのだろう。

天川村、特に洞川地区には、後鬼の子孫である我々が、大峰講の宿場として洞川を維持発展させてきたという意識を今も持っているようだ。

2008年4月から新源泉による温泉供給が始まったようで、泉質は旧泉とおなじ単純温泉だが、これが日帰りの洞川温泉センターのみへの供給か、旅館にも配湯されているのかは定かではない。

洞川温泉 花屋徳兵衛 (奈良県)

日帰り入浴不可

天川村には、修験道の開祖・役小角(えん の おづの)が修業し 、今なお女人禁制の大峰山系の峰々が背後に聳えている。吉野から大峰山、熊野三山を結ぶ大峯奥駆道は熊野古道の一つで、2004年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された。
その大峯山の登山口にある洞川(温泉は近年)は、大峰山に向かう行者の宿場として古くから栄え、木造2階建ての15軒の宿の中には創業300年を超えるものも少なくない。
創業年は不明だが500年以上の歴史を有すると言う洞川温泉最古の宿で、客室が僅か7室の花屋徳兵衛に宿泊した。

村域の四分の一が吉野熊野国立公園に指定されている天川村には、日本百名山の一つで、山岳信仰(修験道)のメッカであり、今なお女人禁制の大峰山系の厳しい峰々が背後に聳えている。
吉野からその大峰山系の急峻な尾根を辿って、もう一つの霊場、熊野本宮大社をはじめとする熊野三山を結ぶ大峯奥駆道は、いわゆる熊野古道の一つで、2004年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された。

その大峯山の登山口にあたり、大峰山を源流とする山上川のほとり、西日本では稀有の標高800mを超える高所にある洞川温泉は、温泉の湧出こそ近年だが、大峰山に向かう行者の宿場として古くから栄え、15軒の宿の中には創業300年を超えるものも少なくない。

温泉街と言うより、今なお宿場としての風情が色濃く、日本各地の信者・行者の講の提灯をつり下げる木造2階建ての旅館が行者通りに立ち並ぶ。
そこに洞川に古くから伝わる民間薬「陀羅尼助(だらにすけ)」を販売する店などが混ざって、日本全国の温泉を巡っても見かけることが出来ない独特の雰囲気を醸し出している。
温泉は近年掘削されたもので、泉質は単純温泉、温泉街の入口の山上川沿いに、日帰り温泉施設の洞川温泉センターがある。

天川村(てんかわむら)、美しい響きの村だ。

過疎化が止まらず10年余りでほぼ半減して人口が1400人となった天川村は、紀伊半島のほぼ中央に位置し、近畿の屋根と呼ばれる大峯山系の最高峰、日本百名山の一つである八経ヶ岳(1,915m)をはじめとする山々に囲まれている。

谷間の集落は標高が400~800メートルにあり、山岳美、渓谷美、原生林の自然美から、村域の四分の一が吉野熊野国立公園に指定されている。


山岳信仰のメッカで、今も女人禁制の大峰山は、約1300年前に役小角により開山されて以来、修験道の根本道場として栄えてきた。
平安時代には、宇多天皇、菅原道真、藤原道長、白川法皇、西行法師などをはじめとする多くの貴顕や一般の人々が、熱心に大峯山への御岳詣を行った。


これらの古来から続く信仰が評価されて、2004年7月、奈良県・和歌山県・三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道)は、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録された。

天川村は歴史・信仰の地であるとともに川・名水の地でもあり、大峰山系から流れ出す清流により、国土庁の「水の郷百選」に選ばれている。

また、ごろごろ水・泉の森・神泉洞という3つの湧水からなる洞川湧水群では、花崗岩と石灰岩の特異な地層からミネラル分を適度に含む体に良いおいしい水が湧き出し、環境省の名水百選に指定されている。

村域にあって、通称、天河神社と呼ばれる天河大弁財天社は、厳島、竹生島と並ぶ日本三大弁財天の一つ と称されている。
弁財天女は音楽や芸能の神様で、京都の観世流による能の奉納が現在も毎年行われ、世阿弥も用いたとされる能狂言面30面が国指定重要文化財に指定されている。


天川村は、自分が愛読している推理小説作家・内田康夫の長編推理小説で浅見光彦シリーズ第23弾となる「天河伝説殺人事件」の舞台になっている。

奈良県発行のプレミアム宿泊旅行券を利用してお得に宿泊した。

これは五條市・吉野町・天川村・十津川村・下北山村・川上村内の旅館に宿泊する際に利用できるもので、額面1万円を2割引きの8000円で道の駅などで購入出来る。
これを3枚(額面3万円)購入、宿泊料金支払いに充てた。

温泉街で一番立派な建物の「銭谷小角堂」の店舗。中央の大看板(写真では見難い)が歴史の古さを感じさせる。陀羅尼助(丸)」の主原料は黄柏すなわちキハダで、厚生省の認可も得ている。

走って来た国道309号とはここで離れて、右折すれば天の川温泉へ、左折すれば洞川温泉へ。世界遺産の大峰山への参詣道は、洞川温泉方面へ。。

後鬼の湯の2ヶ所の浴槽は4~5人規模、男女交代なので両方入れる。どちらにも後鬼の像が配置されている。右側、朝に入浴した浴室は半露天で、かつ演出だろうが湯が溢れ出る構造になっていて情緒がある。冬には雪見風呂にもなる。循環濾過しているが、比較的高いヌルスベ感がある。これはpHが8.4のアルカリ性温泉の故だろう。他に貸切風呂が1ヶ所あるが、50分2000円と高額だったため入浴していない。

名水を使った豆腐屋が3軒ある。チェックアウトしてから買い求めたが、豆腐は売り切れだった。旅館が手当するためか?宿泊者が前日から予約しておくためか?

温泉街の先には、「世界遺産 大峯山登山口」の看板がある。日本百名山の深田久弥氏はここから大峰山に登った。

国道309号は、代表的な「酷道」の一つで、洞川温泉への県道21号分岐点までは問題ないが、その先の南下は大型車走行禁止、小型車でも走らない方が良い。

大阪・奈良市方面から来る場合、カーナビによっては県道48号洞川下市線、黒滝村中戸経由の小南峠越えのルートが示される。
しかしこのルートは、道幅が狭歪で対向が困難な場所が沢山あるので、洞川温泉へ行く場合は国道309号天川川合交差点経由で県道21号に乗り換え、を選択のこと。

温泉街は標高820mにあるので、夏の夜は涼しいが、冬は寒く、車はスタッドレス装備やチェーン持参が必須。

途中の道の駅「吉野路黒滝」で名物・串コンニャク(100円を食べる

丹生川上神社下社(下市町)参拝

洞川温泉はこれまでに何回か大火にあって消失しているそうだが、それでも昭和・大正を飛び越えて、明治・江戸の面影を残す旅館街だ。
その中で創業500年、現在のご主人が17代目、洞川きっての老舗旅館が花屋徳兵衛だ。
外観・館内とも地元吉野の木材をふんだんに使用し、なんとも風情ある佇まいだ。
写真では分かりにくいが、夏には他の旅館と共に提灯で明るくした縁側を開放して、コーヒーを飲ませたり、射的を楽しめるようなイベントが催される。

部屋数は僅かに7室、造りや階(実質3階の部屋もあり)、トイレの有無など部屋によって異なるので、宿のHPを参照しつつ、電話で部屋の詳細を照会しながら予約する方法をお勧めする。

料金は、概ね13,000円~20,000円(平日2人1室1人当たり)程度だが、年度・季節・人数・部屋・プランなどにより変動するので、予約の際は宿のHPか電話で照会ください。

旅館街の外れに環境省・名水百選の洞川湧水群(通称ごごごろ水)がある。近くに取水場が設けられ、駐車料金1000円を支払って車を停めれば、専用の蛇口から名水ごろごろ水を汲み放題。写真の通り、平日の午前9時なのに、30台ほど停められる駐車場は満車。

● 朝食

日本三大弁財天の天河大弁財天社を参拝。

村を流れる天の川。

各項目の評価は概ね妥当。修験道の行者の宿場と戦前の遊郭、そして温泉が加わった、日本全国、どこにも無い雰囲気の温泉街。
これに吉野熊野国立公園、世界文化遺産、名水百選の自然・文化が加わって、充実した旅が味わえる。

旅館街を歩いていると「陀羅尼助(丸)」と書かれた看板や幟が多く見られる。これは修験者の秘薬とされた消化器系の和漢薬で、洞川温泉では14店でこれを販売している。写真中央が陀羅尼を販売している「銭谷小角堂

住  所 吉野郡天川村洞川217
電  話 0747ー64-0878
交通機関 西名阪・郡山ICから国道24・169・309・県道21号で約60km
南阪奈道路葛城ICから国道169号309号県道21号で60km
近鉄吉野線下市口駅から奈良交通バス洞川温泉行きで1時間20分、終点下車
宿  泊 7室 13,000円~21,000円前後
季節・曜日・人数・プラン等により変動するので、最新・詳細情報は宿のHP参照のこと。
日帰入浴時間 日帰り入浴不可
泉 質 単純温泉(泉温30.7℃、140L/分 pH8.4)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴施設 内湯男1女1、貸切露天風呂1(50分2000円)
食事・土産 温泉街に食事処・土産物屋多数
観光スポット 大峯山(女性入山禁止)天河大弁財天、鍾乳洞、ゴロゴロ水、龍泉寺、かりがね橋、山上ヶ岳歴史博物館、みたらい渓谷遊歩道、洞川自然研究路
近くの温泉 天の川温泉西吉野温泉、吉野山温泉、吉野温泉、新吉野温泉、静の湯
天川村HP
商工会HP
花屋徳兵衛HP
観光協会HP
http://www.vill.tenkawa.nara.jp/
http://www.ntcs.ne.jp/tenkawa/
http://www.tokubei.jp/
http://www.dorogawaonsen.jp/info/152/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

虹鱒と蒟蒻のお造り

里芋からし味噌

前菜・先付け

じゃらんクチコミ総合4.6 38件平均 2014.6.18現在

部 屋 4.5 風 呂 4.1
朝 食  4.3  夕 食 4.5
接客・サービス 4.9 清潔感  4.7

手前が「いろは」、奥が「角甚」。
夏でも涼しい夜に洞川温泉街を散策すると、提灯の灯りに照らされた各旅館の縁側、射的屋、名水コーヒーの味わえる喫茶店などが出店し、楽しい旅の思い出づくりが出来る。

洞川温泉の旅館街風景。旅館はほとんどが木造2階建でなんとも情緒がある。歴史の古い旅館が多く、役小角の高弟「後鬼」の子孫の里とも伝えられている。
全国的に女人禁制の山岳の登山口の旅館街の一部は遊郭の機能を有しており、戦前の洞川もそうだったようだ。

温泉名 : 洞川(どろがわ)温泉

温泉街を流れる山上川、旅館の多くが川沿いにある。

所在地 : 吉野郡天川村洞川

● 夕食

天川ソーメン

アマゴの塩焼

名水を使った豆腐の湯豆腐

施設名 : 花屋徳兵衛 (宿泊日:2013年11月22日)

龍泉寺は、真言宗醍醐派の寺院で、同派の大本山。山号は大峯山。吉野の竹林院、桜本坊、喜蔵院、東南院と共に山上ヶ岳にある大峯山寺の護持院の1つ。

信仰の山、大峰山系の最高標高は八経ヶ岳で1915m、近畿の最高峰。。山上ヶ岳の山頂にある大峯山寺は世界遺産。

近年新築された2階10畳(WT)の楽天の間。窓が2方にあり、一方からは木造のデッキに出られる。平日2人1室、1人16,900円。

これぞ和の旅館、木の廊下が温もりを伝えてくれる。

温泉街の表通りを見下ろす廊下。

美しい曲線を描く障子ガラス窓

談話室には、JBLサウンドのジャズが流れる。

地元吉野の木材がふんだんに使われた温もりある館内。館内のあちこちに、全国各地の大峰講の提灯が吊るされている。

洒落た文字で書かれた花屋徳兵衛の看板。

鮎の一夜干し、ひろうす(がんもどきのようなもの)、薩摩芋のレモン煮などが美味しかった。