手頃な宿泊料金でpH10のぬるすべ単純硫黄泉を満喫できた冨貴が閉館、寂しくなった椿温泉。
今回は数少なくなった旅館から「海椿葉山(追って掲載)」に予約を入れ、チェックイン前に、国道沿いの旅館「しらさぎ」と道の駅にある日帰り施設「椿はなの湯」に立ち寄って、あのぬるすべ温泉を満喫した。
椿はなの湯は、2010年4月にオープンした新しい日帰り施設で、国道42号線に面しており、湯治で栄えた往年の面影が無い椿温泉のランドマーク的役割を果たしている。
同名の道の駅内にあるが、ここは日帰り温泉施設が中心で、この他に足湯、食事処と温泉スタンドのみの小規模の道の駅だ。
椿温泉自慢の単純硫黄泉は、ここでも掛け流しで落されており、旅館と同様に加温無しの源泉槽が設けられている。
槇で造られた1人用の浴槽脇でには「(独占しないで)お互いに譲り合いましょう」のお願いが貼ってあった。
幸いすぐ空いたので浸かってみたが、源泉温度が33℃なので、旅館の源泉槽などでは、普通、冷たく感じる。
しかし、ここでは真冬なのに温かく感じられたので、加温してるのか、湧出場所から近いので源泉温度に近い温泉が落されてるのか、と推測した。
加温した温泉を落している4mx3m程度の風呂は、これ以上シンプルには出来ないタイル張りなのが少々残念だが、pH9.9という強アルカリ性故のすばらしいしっとり・すべすべ感には十分満足した。
施設名 : 椿はなの湯 (入浴日:2014.1.24)
白浜町は人口23,000人余り、和歌山県の南西部に位置し、大きくは紀伊水道に面した半島地域、富田川下流域及び日置川流域に分かれる。
年間平均気温が17.2℃もあり、本州では日本一早い海開き(5月3日)が行われるなど、温暖で過しやすい気候に恵まれている。
白浜町と言えば円月島・千畳敷・三段壁などの風光明媚な海岸線に、日本三古泉の白浜温泉やパンダが多数いるアドベンチャーワールド等のテーマ―パークが加わって、海浜温泉リゾートの華やかなイメージを思い浮かべる。
しかし実際は森林が全体の80%以上を占めていて、世界遺産に登録された熊野古道の大辺路が通っており、こちらも観光資源になっている。
白浜温泉の陰に隠れて知名度が低いが、町域にはかっては関西では珍しい湯治場として知られていた椿温泉がある。
椿温泉は、白浜から42号線で風光明媚な海岸線を横目で見ながら南へ10kmほど走った小高い岬の上にひっそりと佇んでいる。
椿温泉は、椿楼そして富貴が廃業してしまい、現在は小規模な旅館が3軒と温泉民宿2軒だけの小さな温泉地になってしまった。
幹線道路の国道42号沿いなのに、温泉地とは気がつかないで通り過ぎてしまう人が大部分だろう。ただ、2010年4月、国道42号線沿い、従来足湯があった所に掛け流しの日帰り施設「道の駅 つばき温泉 椿はなの湯」がオープンしたので、それが椿温泉の目印となった。
歴史的には、天保10年(1839年)の「紀伊続風土記」に、「村の南八丁に椿谷あり、湯小温にして水清く、唯柔なり。浴する時は肢体に油をそそぐごとくにして、すこぶる心地よし・・・」
とあるそうで、少なくとも江戸後期には開湯されていたようだ。
周囲の自然と同じく、今湧き出てる温泉に関しても当時の泉質そのままの湯だ。即ち、
「湯小温・・・ぬるい」「唯柔・・・とてもやわらかな肌触り」「浴するときは肢体に油をそそぐごとく・・・ローションを塗ったようなすべすべ」、これに「微かな硫黄臭」が加われば現在の椿温泉の特質をすべてカバーすることになる。
住 所 | 和歌山県西牟婁郡白浜町椿1058−1 |
電 話 | 0739−46−0617 |
交通機関 | 阪和自動車道南紀田辺ICから約20km(白浜から10km) JR紀勢本線椿駅下車 徒歩で2km。 |
施 設(日帰り) | 食事処、湯上り処、駐車場(大型車2台 普通車14台) |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | 単純硫黄泉(源泉温度32℃、pH9.9 無色澄明無味・微硫黄臭) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 12時〜21時(冬期は20時) |
定休日 | 毎週火曜日 |
入浴料金 | 大人500円 小人(小学生)250円 |
入浴施設 | 内湯男女各1 貸切風呂1(50分以内 2000円) |
浴室備品 | シャンプー、ボデイソープ、、ドライヤー、ロッカー |
観光スポット | 白浜温泉観光スポット、串本、那智勝浦、熊野本宮 |
お土産・食事 | 国道42号沿い |
近くの温泉 | 白浜温泉、日置川温泉、えびね温泉 すさみ温泉、みなべ温泉、田辺温泉 |
白浜町HP 白浜観光協会HP 椿観光協会HP 椿はなの湯HP |
http://www.town.shirahama.wakayama.jp/ http://www.nanki-shirahama.com/ http://www.tubakionsen.com/ http://www.tsubaki-hananoyu.com/index.html |
シンプルな浴槽。せっかくのぬるすべ単純硫黄泉が掛け流し、もう少し雰囲気が欲しい。他に家族風呂がある。
木材をふんだんに使用した館内。入浴料金は大人500円、小学生は250円。食事処もある。
槇で造られた加温無し源泉風呂の湯温は、思ったより温かかった。
(山間の温泉に対する)海の温泉としては、我が国にあって最大規模、最も美しい海岸線と豊富な湯量を持つ白浜温泉。
西側に太平洋を臨む椿温泉の夕景は見事だ。