所在地 : 甲斐市玉川

さして広くもない甲府盆地には、県庁所在地の甲府市を囲むようにして山梨市・甲州市・甲斐市等の紛らわしい名前を持った市がひしめいている(他に笛吹市・韮崎市なども)。

平成の合併の際にもっと統合されても良さそうなものだったが、信玄公のお膝元は群雄割拠状態、随分と行政コストが嵩んでいるだろう。

甲斐市は甲府盆地の中西部に位置し、人口が7万4千人だが、それでも甲府市に続いて県下第2位、市の西部を信玄堤で知られる釜無川が流れる。

甲府盆地と言えば桃とブドウが知られるが、甲斐市はむしろ、梅、サクランボや苺等の栽培が盛んなようだ。

観光的にはこれと言ったところは無い(サントリーとシャトレーゼのワイナリー位?)地味な自治体ゆえか、信玄公の「甲斐の国」の地名を市名としていることに対し、歴史上、甲斐の国で重要な役割を持ったことがない地域なのに・・・とどこかで皮肉られていた。

住 所 山梨県甲斐市玉川961
電 話 055-276-3462
交通機関 中央自動車道甲府昭和ICから約3km
泉 質 ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉(pH7.7 41.5℃ 244ℓ/分 無色澄明微塩味無臭)
源泉名:玉川温泉 湧出地は上記住所に同じ
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 10時~21時
定休日 不定休
入浴料金 大人 500円
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 シャンプー類無くて固形石鹸のみ。
近くの温泉 山口温泉神の湯温泉湯めみの丘
石和温泉湯村温泉川浦温泉・塩山温泉・笛吹川温泉・一宮温泉・山口温泉・岩下温泉・御坂温泉・芦安温泉桃の木温泉ほったらかし温泉三富温泉はやぶさ温泉正徳寺温泉旭温泉(その他日帰り施設多数)
甲斐市HP
観光情報HP
http://www.city.kai.yamanashi.jp/
http://www.kai-city.com/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)

玉川温泉 (山梨県)

商売気のない、とても感じの良い若奥様から、「わざわざ奈良から来て下さってありがとうございます」、言ってプレゼントしてくれた紙パックのお茶。
祖父が家族・親族の反対を押し切って温泉を掘削、幸い成功したけど、後の家族の負担になって苦労してる、といったニュアンスで、明るく裏話を話して下さった。

お約束のこの記事、掲載が遅れて申し訳ありませんでした。

奇跡的にナビが目の前まで運んでくれた。定休日は毎週月曜日。

温泉・施設名 : 玉川温泉 (入浴日:2015.7.3)

玉川温泉と言えば、湯治場として知られる秋田県の名湯・玉川温泉が余りにも有名だが、こちらは、所在する山梨県甲斐市の町名に由来する素朴な日帰り施設だ。
しかしながら、浴槽から洪水のように温泉が溢れだす光景に痺れる温泉好きには知られた「名湯」だ。

甲府盆地には、自噴温泉こそ少ないが、地中奥深く掘削すると湯量豊富な温泉が湧出し、これを利用した宿や日帰り施設が数多くある。
なぜ、甲府盆地に温泉が湧出するか、その理由は、どうやらフォッサマグナがこの下を通過しているかららしい。

フォッサマグナは、日本の主要な地溝帯の一つで、東北日本と西南日本の境目、本州中部地方から関東にかけて縦断する。
フォッサマグナの中央部を南北に火山の列が貫き、北から新潟焼山、妙高山、草津白根山、浅間山、八ヶ岳、富士山、箱根山、天城山等が並ぶ。甲府盆地周辺には火山こそ無いが、このフォッサマグナが下に走っているために温泉が湧出するようだ。

甲斐市に湧く温泉には、宿泊した神の湯温泉(ホテル神の湯温泉)や日帰り施設の山口温泉夢みの丘などの他に公共の施設もあり、多くが湯量豊富なかけ流しだ。

玉川温泉(温泉名・施設名同一)は、釜無川左岸の平野部にあって、中央道甲府昭和ICから約3kmほどだ。
しかし、途中、住宅地の曲がりくねった隘路や田圃の畦道を走るので分かり難い。幸い、ナビが目の前まで案内してくれたが、文字でルートを説明するのは難しい。

ここを経営するご家族の若奥様にお話をうかがったが、この地は、武田24将の1人,金丸家(後に土屋姓)の敷地跡で、温泉もここから湧出している。

24将の敷地を調べて見ると、現在の武田神社周辺に集中しており、そこから少し離れた現在地は恐らく金丸一族の所領地だったのだろう。
因みに、お名前をお聞きしたところ、やはり金丸さんだった。

少し温泉を知っている人なら、玉川温泉と言えば療養泉として有名な秋田県の名湯・玉川温泉を思い浮かべる。
一方、こちらの玉川温泉は、水田に囲まれた甲府盆地の一角、武田24将の末裔・金丸家が経営する素朴な日帰り温泉施設だ。
しかし、浴槽からざーざーと溢れだす温泉が浴室の床全面を覆う風景に、誰もが感動するだろう。

浴室のドアを開けた時の風景、まるで浴槽に見えるカラン付近。シャワーも温泉。シャンプー類は無く、固形石鹸のみ。

家族の女性二人が交代で受付、館内ものんびりした家庭的な雰囲気。営業時間は10時~21時、大人500円

2つの浴槽で10人規模。源泉は敷地内から湧出。泉質は「ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉で、pH7.7 泉温41.5℃。加水・加温無しで温め。貯湯タンク無しでそのまま注ぐ。小さな浴槽は緑がかった灰色、大きい浴槽は薄い茶色、この色の違いは、鮮度の違いか。小さい浴槽は循環という記事も見かけたが、これは一般的な循環ではなく、ジャグジーを稼働させるための動作ではないか。

浴室のドアを開けて驚愕。床全部が湯で覆われていた。これまでの900湯の中で1,2位を争う洪水の様な溢れ出しだ。

来る方向によって、この大きな看板が目に飛び込んでくる。

水田の向こうにある玉川温泉(中央)赤い文字の「玉川温泉」が目印。

市域の高台にある神の湯温泉ホテル神の湯温泉の大きな内湯(かけ流し)。

たいして大きくない浴槽に、この湯量で注がれる。湯口周辺は、細かな泡で白く見える。皮膚に泡が付くか確認忘れた。