まったりした艶のある湯。泉質はナトリウム―炭酸水素塩・塩化物温泉。加温加水無しの掛け流し。
人吉城跡、国宝・青井阿蘇神社・武家屋敷などの史跡が数多く残り、九州の小京都と呼ばれる相良22,000石の城下町・人吉。
日本三大急流の球磨川沿いに旅館が点在する人吉温泉の小さな老舗宿で、クチコミ評価が高い「旅館たから湯」の存在感がある素晴らしい風呂で入浴した。
相良(さがら)22,000石の城下町人吉には、800年も相良家が統治してきた人吉城跡、近年国宝に指定された青井阿蘇神社、相良藩の菩提寺である願成寺や武家屋敷など、文化財が数多く残る。
また急流の球磨川下りも人気があり多くの観光客が利用する。
温泉は球磨川沿いに70ヶ所もの源泉が点在しており、湯量が豊富だ。
15軒ほどの旅館・ホテルの多くが源泉かけ流しであり、日帰り入浴を受け付けている宿が多い。
人吉温泉の歴史は定かではないが、15世紀末に相良家の当主が入浴した記録が残っているようだが、人吉駅近くの現在地に温泉が開かれたのは1910年以降である。
特筆すべきは共同(公衆)浴場の多さで、人吉温泉観光協会にHPによれば、元湯・新温泉等30ヶ所にも達しており、温泉好きにはたまらない湯巡りが待っている。
人吉市は熊本市から直線距離で70km、熊本県の最南端にあり、周囲を九州山地に囲まれた盆地である。
市域南部は標高1000m級の山地で、宮崎県えびの市と鹿児島県伊佐市に接している。
市域には、最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の一つである球磨川(くまがわ)が東から西に向かって流れ、八代平野を経て八代海(不知火海)に注いでいる。
球磨川と言えば川下りと16世紀以来の歴史を持つ球磨焼酎で知られているが、これに昭和初期から掘削が盛んになった温泉が加わり、泉都人吉と称している。
人吉市の中心部には、古くからの城下町の街並みが残っており九州の小京都とも呼ばれている。
鎌倉幕府の開府間もない建久4年(1193年)、相良氏が地頭に任ぜられて、その後も統治形態は変わったが、明治時代の廃藩置県まで相良氏が治めてきた。
明治維新まで800年以上領地替えされることもなく続いた世界でも稀有な大名である。
部 屋 | 4.9 | 風 呂 | 4.5 |
朝 食 | 4.9 | 夕 食 | 4.7 |
接客・サービス | 4.6 | 清潔感 | 4.8 |
じゃらん クチコミ評価(7件平均) 総合:4.5 (2013.8.7現在)
施設名 旅館 たから湯 (入浴日:2013.4.17)
平成20年6月、国宝に指定された青井阿蘇神社を参拝。
住 所 | 熊本県人吉市温泉町2482 |
電 話 | 0966−23−4951 |
交通機関 | 九州自動車道人吉ICから約2km JR肥薩線人吉駅より車で7分(約3km) |
施設(日帰り用) | ロビー、駐車場 |
宿 泊 | 5室(和室2、和洋室3) 23,250円〜 |
泉 質 | ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉(46℃ 161リットル/分) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | AM9〜PM9時 |
定休日 | 不定休 |
入浴料金(日帰り) | 大人500円 |
入浴施設(日帰り) | 内湯:男1女1(宿泊者専用に貸切風呂一ヶ所があるようだ) |
浴室備品(日帰り) | シャンプ-・ボディソープ・ドライヤー |
観光スポット | 球磨川下り、青井阿蘇神社、人吉城跡、永国寺、石水寺、願成寺、鍛冶屋町めぐり |
お土産・食事 | 温泉街および周辺に多数 |
近くの温泉 | 京町温泉、日奈久温泉、湯の児温泉、湯前温泉、 |
人吉市HP 人吉温泉観光協会HP 旅館組合HP |
http://www.city.hitoyoshi.lg.jp/ http://hitoyoshionsen.net/ http://www.hitoyoshionsen-ryokankumiai.jp/ |
ロビー、磨きこまれた床や柱が美しい。
和洋折衷の館内は豪華さと居心地の良さが併存している。
お屋敷風の敷地内の奥に玄関。
高い天井には湯気抜きがある。
シンプルな洗い場だが、シャワーは付いている。
オール木造の渋い脱衣所。
滑り止めだろう、床の気には刻みが入っている。なんとも武骨な浴室・浴槽だ。
分厚い木造の風呂の縁に圧倒される。奥の浴槽は43℃くらいの熱め、手前が若干温い。
脱衣所から見下ろす浴室。
もう10年近く前、福岡在住の温泉サイト仲間・プースケさんのHP「温泉気まま旅(現在はブログ)」の熊本/人吉温泉の中で、階段を下って浴槽に行く浴室の写真を見かけ、いつかこの風呂に入りたいと思っていた。
そのときの旅館名は忘れたが、今回、人吉温泉に宿泊を決め、この宿を探したところ「旅館たから湯」と分かった。
残念ながら宿泊料金が20,000円を超えるために宿泊は諦め、立ち寄ることにした。
宿泊した翠嵐楼の隣にある旅館たから湯は、部屋数が僅か5室(和室2 和洋室3)、いまどきホームページを持たない稀有な旅館だ。
ガイドブックで登場することも少なく、恐らくクチコミ・リピート客が大部分なのだろう。
上に掲載の通り、クチコミ評価がとても高い宿であり、食事の満足度も満点に近い。
人吉温泉駅に近い球磨川河畔の温泉街から3kmほど離れているが、住所が「温泉町」となっており、人吉温泉の発祥の地はこの辺りではないかと推測する。
階段を下りると床も木造の浴室の雰囲気に痺れる。
人吉温泉周辺の球磨川。晩秋から初春にかけての朝夕に川霧が発生し、町をすっぽりと包み旅情を誘う。
決して大きくないが、圧倒的な存在感の浴槽。日帰り入浴は9時〜21時、入浴料金は大人500円。
奥の熱い浴槽から見た浴室。素晴らしい風情だ。風呂は宿泊者専用の貸切風呂が一つあるようだ。