田の原川を跨ぐ橋を渡って玄関へ。新明館は、黒川温泉にあって評価が高い山みず木を姉妹館として経営している。
火(肥)の国熊本県のシンボル・阿蘇山は世界最大級のカルデラ式火山だ。
阿蘇といえば、阿蘇五岳(最高峰の高岳・噴煙を上げる中岳・根子岳・鳥帽子岳・杵島岳)を中央に、それを囲む南北25km、東西18kmの外輪山との総称だ。
阿蘇五岳や九重連山を眺望し、日本一と言っていい大展望台・大観峰に立つと、その雄大さに感嘆する。
南小国町は熊本県の東北部、この阿蘇五岳を囲む外輪山の北側と東側の久住連山の山裾が交差する標高400m〜900mの高原に位置し、一部は阿蘇くじゅう国立公園に指定されている。
中でも「瀬の本高原」は、標高が900m前後、中央をドライブコースとして有名なやまなみハイウエイが走り、熊本緑の百景の第一位に選ばれている。
町域の温泉は数多く、主として田の原川の渓谷に沿って旅館が立ち並び、平成に入って癒しの温泉として大ブレイクした黒川をはじめ、満願寺・奥万願寺・田の原・扇・白川・小田などの湯量豊かで情緒ある温泉が数多く点在している。
施設名 : 山の宿 新明館 (入浴日:2013.4.20)
年間の宿泊者数は325、000人(平成19年度)、日帰り客約100万人。旅館は何れも中小で28軒(25軒+別館3軒)、各旅館の平均稼働率40〜50%は、全国平均の25%を大きく上回る。
黒川温泉の歴史は少なくとも江戸時代には遡るが、鉄道の整備によって繁栄してきた内牧温泉や杖立温泉をよそに、地元客中心の湯治場として細々と長らえてきた。
昭和39年(1964年)、東京オリンピックの年にやまなみハイウエイが開通、旅館数も増加したものの、設備・サービスともレベルが劣り低迷が続いた。
そんな状況の中、「田舎らしさを出そう」という運動が起り、雑木の植樹、次いで露天風呂の着工・増設が始った。
この運動が黒川温泉全体の取り組みとなって、看板の統一、温泉手形の発売などの様々な仕掛けが実施されていった。
この地道な努力が報いられて、次第に「癒しと寛ぎの温泉地」としての評判が全国的に高まり、さらにバブル崩壊により、温泉地が団体客・歓楽から個人客・癒しに変化。
これにより、同じように「田舎」を維持した由布院温泉とともに黒川温泉は一気にブレイクした。
標高700m、主として筑後川の最上流・田の原川の渓流沿いに、28軒の旅館が点在する。
これらの旅館は、全国の温泉旅館に大きな影響を与えた「黒川スタイル」を共有している。
即ち、旅館の規模が中小、木材をふんだん使った田舎屋風の造り、黒・焦げ茶・ベージュ多用の和モダンで小粋な館内、アプローチが屋根付き回廊で雑木の林間にある露天風呂などがそれだ。
住 所 | 熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺6608 |
電 話 | 0967−44−0916 |
交通機関 | 大分自動車道日田ICから約45km JR豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス別府行きで50分黒川温泉下車 |
施設(日帰り用) | |
宿 泊 | 13室+3室(別邸) 料金は14,000円〜17,000円前後(201年9月現在)だが、時期・部屋・人数・プランなどにより変わるので、詳細・最新情報宿のHP参照ください。 |
泉 質 | ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉 |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) | 8時30分〜21時(終了) |
日帰り定休日 | 不定休 |
入浴料金 | 入浴手形 3ヶ所1200円、単独入浴の場合、大人500円。 |
入浴施設 | 露天風呂:男女各1・混浴2ヶ所、内湯:男女各1ヶ所、貸切風呂1ヶ所。。 |
浴室備品(日帰り) | シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | やまなみハイウエイ・満願寺・大谷渓谷・九酔峡・くじゅう夢大橋・くじゅう連山・くじゅう花公園・大観峰・阿蘇五岳・草千里・竹田 |
お土産・食事 | 温泉街で可 |
近くの温泉 | 田の原・七滝・満願寺・扇・小田・奥満願寺・蔵床・白川・滝壺温泉・筋湯・筌ノ口・寒の地獄・湯坪・山川・はげの湯・岳の湯など多数 |
南小国町HP 観光協会HP 旅館組合HP 新明館HP |
http://www.town.minamioguni.kumamoto.jp/ http://www.roten.or.jp/ http://www.kurokawaonsen.or.jp/ http://www.sinmeikan.jp/ |
1200円で3ヶ所入浴出来る手形も、今や全国的人気のクマモンが刻印されていた。
近年、新加入があって、九州には14軒の日本秘湯を守る会の宿がある。
岩戸風呂や洞窟風呂に行くにはこのような穴を通過する。
噴煙を揚げる源泉。
プースケさんに教えて貰った穴湯共同浴場で入浴。自分が出てきたところを橋の上からプースケさんが撮影。
新明館は黒川温泉の中心部、川端通ににあり、西日本では珍しい日本秘湯を守る会の宿で、主人が1人で数年をかけた彫った洞窟風呂が名物だ。
田の原川を跨ぐ橋を渡って玄関に向かうアプローチはとても風情がある。
部屋数は13室(+別邸3)、6畳8畳12畳16畳和室(何れもシャワートイレ付)があり、宿泊料金は14,000円〜17,000円前後だが、時期・プランなどで変動するので詳細・最新情報は宿のHPを参照ください。立ち寄り湯なので、部屋や食事等の詳細は不明だが、じゃらんのクチコミ評価は、食事等がなかなか良い。
風呂は、露天風呂が男女各1ヶ所の他に混浴が2ヶ所、内湯は男女各1ヶ所の他に貸切風呂1ヶ所がある。
温泉手形にによる入浴はどこの旅館も露天風呂のみ開放、新明館でも同様で、入浴出来たのは混浴の岩戸風呂とその手前にある、小さめの洞窟風呂(穴風呂)だけだった(女性は不明)。
尚、入浴手形によらない立ち寄りは500円、時間は8時30分〜21時(終了)となっている。
一度に30人ほど入れる大きなもので、温泉成分で赤茶色に染まった岩石が風情あり。
混浴露天風呂の岩戸風呂。崖下、川に迫り出す様なワイルドな造りだ。
対岸から見た岩戸風呂は、厚いコンクリートで囲われている。
女性専用洞窟風呂入口。
穴風呂は混浴か?凄い湯気でサウナ状態、蒸し系に弱いのでパス。
岩石を取り込んだ脱衣所
温泉でコーティングされた赤い石が雰囲気を醸し出す。
南小国町には蕎麦屋が10軒余りあり、一帯は蕎麦街道と呼ばれている。写真は花郷庵の一品。(写真はプースケさん撮影)