奥天竜不動温泉 佐和屋 (長野県)

部屋数の割りには広いロビー。

霜降りの上質な牛肉は仲居さんが焼いてくれた。

部屋に置かれた五平餅

リンゴのシャーペット

レタスのおひたし

山菜の天ぷら。

手打そばを自分で茹でる。

ヤマメ(?)も囲炉裏で。

アルミホイールで包んで囲炉裏で焼く。焼いた小さな玉葱も美味しかった。

ナマズのお造りは珍しい。

囲炉裏で作られるボタン(イノシシ)鍋。

日帰り入浴不可

南信州を代表する観光スポットの一つ、天竜峡から車で15分ほど、周囲に何も無い静かな山里に佇む日本秘湯を守る会の宿・奥天竜不動温泉 佐和風呂は循環だったが、食事と持て成しの気持ちが滲みる和風旅館だった。

●夕食の一部

着席時にほとんどの料理が並ぶ。

料 理

南向きの山里の小高い丘の上に立つ佐和屋は、雪深い信州よりむしろ気候温暖な伊豆の温泉宿の雰囲気を醸し出している。
これは飯田市が長野県で最も温暖な地域で、冬季でも真冬日になることは少なく、日照時間も長いという天候のせいかもしれない。


宿泊したことが無い天竜川流域の温泉宿を探しているときに出会った佐和屋は、概して宿泊料金が低い日本秘湯を守る会の宿だ。
さらに、天竜峡に近いとはいえ、写真で見た限り、日本中のどこにでもありそうな山里の一軒宿だったので、宿泊料金がかなりの水準なのには驚いた。

料金は2人1室1人17000円前後からで、上は4万円前後プランまである(最新・詳細情報は佐和屋のHP参照ください)

佐和屋は、1996年に下の集落から現在の高台に移って、純和風旅館としてリニューアルオープンした。

瀟洒な一部2階建ての建物と周囲の石組の生垣、大がかりな人工の滝、木材をふんだんに使った館内、23室の立派な造りの部屋など、かなりの投資が窺える旅館だった。

佐和屋から見下ろす集落。以前はこの中に佐和屋があったが、現在の高台に移転した。

玄関前にはかなり大がかりな人口の滝が造られている。

玄関前にはお馴染みの日本秘湯を守る会の提灯が歓迎してくれた。

1996年(平成8年)にリニューアルオープンした佐和屋。周囲は何も無い。部屋数22室。

所在地 : 飯田市千代

部屋は111号室の絲遊(いとゆう)。10畳+4.5畳位の広縁+ユニットバス+洗面所+シャワートイレで平日2人1室1人18,900円

●朝食

北海道に次ぐ温泉数を誇る長野県だが、南信州、天竜川沿いから飯田市周辺にかけては温泉に恵まれておらず、一般的に知られた有名・大型温泉地は皆無に等しい。
しかし、近年になって掘削された温泉が徐々に増えてきており、詳しい温泉ガイドブックを参照すると、知名度はないが、一軒宿やせいぜい2〜3軒の旅館の小さな温泉があちらこちらに点在している。


飯田市市域にも旅館・日帰り含めた温泉施設が20軒ほどあるが、この内、5軒の旅館(ペンション含む)がある(名勝)天竜峡温泉が最も大きい。
ここは天竜峡の中心にあって、1989年地下800mから湧出した温泉を源泉としている。

奥天竜不動温泉は、JR飯田線天竜駅かfら車で15分、中央道飯田ICから国道151号や県道273号などで約15km、温泉名の通り天竜川からかなり離れた、民話が息づく奥天竜千代の里の静かな丘陵にあり、佐和屋が一軒宿だ。


近くには棚田百選に選ばれた「よこね田んぼ」が美しい景観を造り上げている。

飯田市はリンゴの並木道で知られるが、天竜川から離れて不動温泉に向かう途中でもリンゴ園があちこらこちらに見かけられ、白い花が満開だった。

飯田市は信州で最も南にある市で、南信地方では最大、長野県全体でも長野市、松本市、上田市に続く4番目の人口を有している。
長野県で最も温暖な地で、冬季でも真冬日になることが少ない。

東に南アルプス、西に中央アルプスが聳え、南北にかっては暴れ川として洪水を繰り返した天竜川が流れ、河岸段丘によって出来あがった日本最大の谷地形が広がっている。


古くは東山道、近世以降は三州街道・遠州街道などの陸運、天竜川の水運が加わって交通の要衝として栄え、江戸時代は飯田藩の城下町だった。
それもあって、神楽や人形浄瑠璃などの伝統文化がいまも数多く残っていて、信州の小京都とも呼ばれてるようだ。
また市内のリンゴ並木も市のシンボルの一つになっている。

市域最大の観光スポットは、国の名勝、天竜奥三河国定公園の目玉である天竜峡だ。
天竜川は、水質汚染が進んでいた諏訪湖から流れ出る唯一の川で、下流より川上の方が泉質が悪いという珍しい大河(流路延長213kmは全国9位)だ。

天竜峡は、暴れ川の天竜川が切り開いた絶壁が続く渓谷で、花崗岩の岩壁には赤松やもみじが自生し、新緑や紅葉の時の景観は見事だ。

施設名 : 佐和屋 (宿泊日:2013.4.29)

じゃらん クチコミ 総合 4.7 (6件平均)

朝食の評価が夕食より高いのは納得。 他の項目もほぼ妥当(風呂は循環でもありやや高すぎる?)。

部 屋  4.2   風 呂 4.5 
朝 食 4.5 夕 食 4.2
接客・サービス 4.9 清潔感 4.9

美味だった蕎麦粥

鮎の一夜干し

自家製豆腐


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データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 長野県飯田市千代2303−1
電 話 0265−59−2122
交通機関 中央道飯田ICから国道151号、県道273号で約15km
JR飯田線天竜峡駅から車で15分
宿 泊 22室 
料金は2人1室で1人17,000円〜40.000円前後
泉 質 「温泉法に規定する温泉の資格を有す」(佐和屋の浴室の温泉分析表より引用)
適応症 不記載(理由は温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照
日帰り入浴時間 不可
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1、洞窟露天風呂(混浴)1
観光スポット 天竜峡
近くの温泉 天竜峡温泉、下條温泉
飯田市HP
観光協会HP
佐和屋HP
http://www.city.iida.lg.jp/
http://www.ii-s.org/
http://www.fudou-onsen.co.jp/

朝食は個室のテーブル席で。これまで宿泊した旅館の朝食の中で5番以内に入るもので、意識した素朴さと温もりのある朝食だった。

地元の野菜・山菜・きのこ・川魚などを使った囲炉裏(掘り炬燵式)料理を頼んだ。普通の懐石料理も可能。肉など一部食材を「恵子さん」が焼いてくれた。

話が弾んだ仲居さんの恵子さん、翌朝、自分の所で造ったキュウリを沢山下さった。

4人規模の庭園露天風呂。

洞窟風呂入口。竹垣の右側に女性出入口。

3人程度規模の混浴洞窟風呂内部。

それが売り物の場合、自信がある場合は、宿のHPの中で風呂・温泉と食事は独立した項目で紹介されているが、佐和屋では風呂の方が「館内施設」の中に含まれている。

風呂は、滞在中は深夜も早朝も入浴出来る男女別の内湯と露天風呂、それに混浴の洞窟風呂がある。
バスタオルが2枚つくのは、1枚は男女とも洞窟風呂に入浴する時は巻いて入らないといけないのでそれ用だ。

但し、洞窟風呂は入口も風呂も狭く、見知らぬ異性と入浴するのは、いくらタオルを巻いても実質的に難しく、あくまでも夫婦カップル向きだ。

表示されている温泉の泉質は「温泉法に規定する温泉の資格を有す」とあり、恐らくマイナーな成分、メタホウ酸などが所定含有を越えているのだろう。
泉温は13.5℃(pH8.2)の冷鉱泉で、加温して循環濾過している。
尚、日帰り入浴は受け付けていない。

初めて見た畳の絵(書いたのか織り込んだのか未確認)

女性用の浴衣2枚。就寝用と食事用だ。

お茶うけにリンゴのコンポーネントと当地の名産・市田柿

展望台から見る天竜峡。時間が合わないため川下りの船に乗船できなかった。
新民謡(東京音頭・ちゃっきり節等)の代表作の一つ、中山晋平作曲、市丸が唄った「天竜下れば」を思い浮かべた。「ハア 天竜 下ればヨ ホホイノサッサ しぶきに濡れてヨ・・・」

温泉名 : 奥天竜不動温泉 
館内のいたるところに女将がアレンジした活け花が置かれている。

釜は蕎麦を茹でるため。食器はどれも素朴な田舎料理に相応しい土臭いもの。

温泉を発掘するさいに不動明王に祈願したのだろうか。巨大な像が立っている。

内湯の洗い場、ポーラのシャンプー類が置いてあった。

2方が大きなガラス窓で開放感たっぷりだ。前方に露天風呂と混浴の洞窟風呂がある。温泉に特色は無い。

風 呂