湯田川温泉 隼人旅館 (山形県)

一部

東北地方の日本海側は全国的知名度が低いが、ローカル色豊か、素朴で地元に根付いた静かな温泉地が点在する。その一つが国民保養温泉地の湯田川温泉だ。
創業300年余の老舗宿で、幕末の警備組織・新徴組本部が置かれた隼人旅館で立ち寄った

所在地 : 鶴岡市湯田川

鶴岡市は山形県の日本海側、全国有数の稲作地帯である庄内平野の南部に位置し、人口は山形市に次ぐ13万人余りだ。
市の面積は東北地方最大で、全国の市町村でも8番目の広さである。

江戸時代には庄内藩(鶴岡藩)の城下町として栄えた。
庄内藩は出羽国田川郡、現在の鶴岡市を領し、転封(領土替え)の多い大名にあって、譜代大名の酒井氏は、一度もそれが無かった稀代な大名の一つだ。

市域の山岳地帯には、修験道を中心とした山岳信仰のメッカ、出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)があり、現在も多くの参拝者を集めている。
羽黒山には国宝の五重塔や重文の文化財等があるが、この他の観光地としては、重文の鶴岡カトリック教会天主堂、致道博物館、庄内藩校 致道館、大宝館、藤沢周平記念館などがある。

特に、夫婦そろって大好きな時代小説家・藤沢周平の記念館に行きたかったのだが、臨時休館日に当たり見学出来なかったのが残念だった。

鶴岡市域には、大小20余りの温泉がある。
主要な温泉としては、海辺の温泉地で旅館・民宿が20軒を超える湯野浜温泉、国民保養温泉地に指定された湯田川温泉、1000年の歴史を誇るあつみ(温海)温泉の3温泉がある。


湯田川・あつみ温泉が日本海の海岸線に位置するの対し、湯田川温泉は鶴岡市街の南西10kmほどの内陸部、標高458mの金峯山の麓にある。

三方が山に囲まれているが、標高が低いために山間部の温泉という雰囲気はない素朴で静かな温泉だ。
10軒ほどある中小旅館の多くが今なお湯治場の雰囲気を残し、家庭的なサービスと比較的低料金で宿泊出来る。

ここは、地元鶴岡出身の時代小説家・藤沢周平をはじめ、斉藤茂吉・竹久夢二・横光利一などの文人墨客が滞在し、作品にも登場している。

湯量が豊富でほとんどの宿の風呂が掛け流し、一部の旅館の風呂は、加水ばかりか加温無しの完全かけ流しにしている


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道路を挟んで僅か150mほどの両側に中小・低層の旅館が10軒足らずと共同浴場2軒が軒を連ねている。その中ほどに隼人旅館がある。
外観は平凡な民家風で、看板が無ければ旅館と思わないだろう。

部屋数10室でと小規模、料金は年末年始・GW・お盆を除くが、曜日・人数に関係なく2人1室で1人8,550円~12,750円前後と手頃な料金だ。
他にさらにお得なビジネスプランや湯治プランもあ
る。

ムコ旦那」のブログによると、ここは創業300余年の老舗だ。
戊辰戦争が始まり、徳川幕府四天王の一つ「庄内藩」が任に就いていた新徴組が、庄内藩の江戸引き上げと共に湯田川温泉へ移った。そこで新徴組本部が置かれたのが隼人旅館だったそうだ。

風呂はタイル張りのいたってシンプルな浴槽で2mX2m位、どちらかと言ったら小さい風呂に、凄い量の温泉が湯口から落されるので、浴槽の縁から贅沢に溢れ出し、素晴らしい眺めだ。

温泉名 : 湯田川温泉

施設名 : 隼人(はやと)旅館 (入浴日:2013.1.10)

住 所 山形県鶴岡市湯田川乙56
電 話 0235-35-3355 FD:0120-43-8810 
交通機関 山形自動車道鶴岡ICから国道7号・県道338号線で5km
JR山形新幹線新庄駅から陸羽西線で50分、余目駅で特急に乗り換え20分で鶴岡駅下車、庄内交通バス湯田川温泉行き30分、終点下車
宿泊した「珠玉や」から、冬季は東北新幹線仙台駅から宮城交通の高速バス(鶴岡市・酒田市方面)利用が一番確実とアドバイスされ、これを利用した。
施設(日帰り用) ロビー駐車場
宿 泊 10室(和室10) 8,550円~12,750円(2013年6月現在 正月・GW・お盆は別料金)
別にビジネス・湯治プラン有り。
最新・詳細情報はこちらを参照。
泉 質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 不明(確認しなかった)
定休日 無休
入浴料金 大人400円
入浴施設 内湯男女各1 
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー
観光スポット 出羽三山、鶴岡カトリック教会天主堂(重文)、藤沢周平記念館他。詳細情報は下記観光連盟HP参照
近くの温泉 あつみ温泉、湯野浜温泉、湯の瀬温泉
鶴岡市HP
観光連盟HP
湯田川温泉HP
隼人旅館HP
http://www.city.tsuruoka.lg.jp/
http://www.tsuruokakanko.com/
http://www.yutagawaonsen.com/index.html
http://www.hayato-ryokan.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

泉質はキュキュ感があるナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉。源泉温度が42.6℃、ここは加温しているか不明だが浴槽の温度は適温だった。

仙台駅から山形自動車道を高速バスで鶴岡へ。途中、湯殿山付近の雪景色。

雪の温泉街。この通りに沿って10軒ほどの中小の旅館が立ち並ぶ。

カルシウムが付着してこんな風に。

浴槽の中のタイル、床のタイル、両方とも骨董的な味わいがあって感動した。

看板が無ければ民家と思って通り過ぎてしまう。入浴料金は400円、時間帯は確認せず不明。因みに、私は正午の入浴だった。