所在地 : 耶麻郡猪苗代町 
北海道・岩手県に次ぐ全国第三位の面積を持つ福島県。
観光の中心は、猪苗代町・磐梯町・北塩原村からなる「猪苗代・磐梯高原エリア」である。

猪苗代湖は、日本では面積で4番目、淡水湖では3番目の大きな湖で、特徴は透明度1.2〜1.5の澄んだきれいな水にある。これは磐梯山・安達太良山から湖に注ぐ長瀬川が、火山性の酸性水であるため、水中の植物や藻があまり繁茂してないことに因る。

猪苗代湖の北に位置する磐梯山(ばんだいさん 1,819m)は、猪苗代町・磐梯町・北塩原村にまたがる活火山で、「日本百名山」の名峰でもある。
会津富士(あいづふじ)、会津磐梯山(あいづばんだいさん)とも呼ばれている。
かっては、3、000mを超える高い山だったが、9世紀初頭の大噴火で上部が吹き飛んで、現在の山容になったと言われる。
表から見る磐梯山は、会津富士と言われるように優しい山だが、裏側から見るとその様相を一変し、3つの峰からなる厳しい姿を見せる。

この町が生んだ有名人としては、黄熱病の研究で知られる野口英世がおり、猪苗代湖近くに彼の偉業を称えた記念館がある。
風 呂
料 理
活火山・安達太良山の西側山麓に自噴し、「1万リットル/分の豊富な湯量を誇る硫黄泉が掛け流し」の記事に惹かれて予約を入れた。しかし、温泉もさることながら、思いもかけない洗練された温泉宿だった。女性に人気と後で知ったが、それが素直に頷けた。
宿から7km程離れた活火山・安達太良山(日本百名山)の沼の平、障子が岩と呼ばれる溶岩の烈口から湧出している温泉を源泉としている。
泉質はpH1.9の強酸性で、含硫化水素 カルシウム・アルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉という大変内容が濃い温泉だ。宿のHPでは硫黄泉と称しているが、明礬泉でもある。

強酸性の硫黄泉という泉質から来るのだろうが、内湯は、腐食しやすい金属を使わずに、脱衣場・壁・床・浴槽(檜)に至るまで全て木造だ。
そのため、木の温もりが心身ともに伝わって、なんとも快い。
内湯から続く露天風呂も木造で、岩石で造られたそれと比べて一味違う。やっぱり風呂は木造に限る、と断定してしまいそうな心地よさだ。

五感に感じる泉質は、やや青みががった白濁、pH1.9の強酸性にもかかわらず肌にまろやかで、大深度掘削した単純温泉では絶対味わえない肌触りだ。
温泉の化学変化には全く疎い私だが、7km流れる間に温泉が優しくなるのだろうか。
しかし、口に含むとレモン丸齧りの味、これで初めて強い温泉を実感する。

湧出時には80度前後だった温泉は、湯口では50度まで落ちている。もちろん加温・加水無しの源泉掛け流しだ。

       
一度に10人くらいが入浴できるが内湯。浴室内はすべて木造で木の温もりが素晴らしい。
珍しく露天風呂も木造。林に囲まれ、心身とも癒される。
内湯への廊下もすべて木造。
玄関先にある足湯。
日帰り入浴不可
中ノ沢温泉 御宿万葉亭 (福島県)
住 所 福島県耶麻郡猪苗代町中の沢温泉
電 話 0242−64−3789
交通機関 磐越自動車道磐梯熱海ICから母成グリーンラインで約30分
JR磐越西線猪苗代から中ノ沢温泉行きまたは横向温泉行きバス40分中の沢温泉下車
日帰り利用施設 日帰り入浴不可
宿 泊 18室(すべてBT付) 宿泊料2人1室の場合 10畳和室
オフシーズン 平日15,900円 休前日19,050円
オンシーズン 平日18,000円 休前日21,150円
料金は年度・季節・曜日・利用人数などによって変わるので下記HP参照ください。
泉 質 含硫化水素 カルシウム・アルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉(硫黄泉)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間 不可
定休日 無休
入浴料金 立ち寄り湯不可
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1、貸し切り風呂1、
浴室備品 宿泊者:バスタオル・タオル、シャンプー、ボデイソープ等
観光スポット 磐梯山、五色沼、猪苗代湖、野口英世記念会館、会津若松市(鶴ヶ城・白虎隊・蕎麦)、喜多方(蔵&ラーメン)、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、浄土平
温泉地周辺:達沢不動滝、白糸の滝、万葉の庭
お土産・食事 昼食不可
土産は温泉街で。又、季節に応じての桃、梨、サクランボ、ブドウなど(福島市北西部のフルーツライン、ピーチライン等で購入)。
近くの温泉 沼尻温泉・横向温泉・磐梯熱海温泉・土湯温泉・野地温泉・新野地温泉・幕川温泉、鷲倉温泉、赤湯温泉
猪苗代町HP
観光協会HP

万葉亭HP
http://www.town.inawashiro.fukushima.jp/
http://www.bandaisan.or.jp/
http://www.manyoutei.jp/
雑記帳 過去に3回、この地を訪れたが、毎回、行こうと思って逃しているのが蔵とラーメンの町・喜多方。
今回も昼食はここで、と決めていたが、鶴ヶ城観光に時間を取られ、又もパスとなった。
次回には必ず観光とラーメンを食べたい。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
地元の食材を使い、郷土色を適当に配した料理で質量とも合格点、十分に楽しめた。(写真は順不同)
季節の果物・山葡萄ムース
千番茸飯
煮物(丸茄子・豚角煮・冬瓜等))
山女魚唐揚げ
サラダ(菊博多・茗荷・プチトマト等)
前菜
岩魚のお造り
会津牛ステーキ
芋鍋(会津牛・5種きのこ・大根・人参・牛蒡等)
先付け・きのこ卸し(なら松茸等)
平成3年7月開業、女性に人気の宿だ。
10畳の和室、広縁には藤椅子。部屋には万葉集縁の植物の名前が付いている。
落ち着いた雰囲気のロビー
廊下には苔植えの山野草が並ぶ
日曜日(オフシーズン)2人1室 1人15,900円
御宿万葉亭(小川屋旅館の別館)は県道から一歩奥まった林の中にあり、純和風で瀟洒な佇まいを見せている。
横を流れる渓流からは瀬音が聞こえてくる。

玄関を入ると、館内は淡いピンクの色調で統一されている。
贅沢な造りではないが、雑然とは無縁な館内、塵一つなく清掃され、館内に敷かれた絨毯には染み一つ無い。
手書きの紙や観光ポスターの類は全く貼られておらず、パンフレットやマップ類などもフロントの上にも横にも置かれていない。
請求したら内側の引き出しから出してくれた。

部屋数が僅か18室(すべてバストイレ付)の小さな旅館、ロケーションからしても木彫りや民芸品が所狭しと並んだ山の宿を想像していただけに驚いた。
また、従業員の控え目でいて、気配りのある接客態度にも好感が持てた。
施設名 : 御宿 万葉亭 (宿泊日:2006.10.1)
中ノ沢こけし。
ギョロッとした目が特徴だ。
宿の話によると、ただ1人残っていた職人さんが病気のため、現在は作られていないという。
江戸時代中期開湯の中ノ沢温泉は、長い間湯治場として栄えてきた。今は街道沿いに10軒ほどのが宿がひっそり佇む
福島県には魅力的な温泉が沢山ある。
特に土湯温泉郷周辺には秘湯の趣たっぷりの一軒宿が数多く点在している。
だが、肝心の土湯温泉(奥土湯温泉を含む)には入浴・宿泊していないので、ここに泊まることも考えた。
しかし、名湯の誉れ高い甲子温泉大黒屋と二岐温泉大丸あすなろ荘に立ち寄り、かつ翌日、会津西街道を南下して奥鬼怒温泉郷に宿泊するので、行程も考慮し中ノ沢温泉に宿泊することにした。
ここの加温・加水無し、源泉100%掛け流しの硫黄泉が魅力的だったからだ。

常磐自動車道磐梯熱海ICから母成グリーンラインに乗って母成峠(標高972m)を越えると、間もなく中ノ沢温泉に到着する。

母成峠
(ぼなりとうげ):
この峠は慶応4年に土方歳三率いる会津新選組を中心とした東軍800名と西軍3000名が決戦を行なった古戦場として知られている。

周囲は何れも日本百名山の安達太良山・吾妻山そして磐梯山の名峰に囲まれている。

緩やかな傾斜が続く坂道の両側に、10軒ほどの宿や土産物屋が並んでいる。
しかし娯楽施設は
見当たらなく、小さくて静かな温泉街だ。
猪苗代町には沼尻温泉や横向温泉など鄙びた温泉が多いが、その中にあって中ノ沢温泉は、小規模だが温泉街を形成している。


源泉は7km程離れた硫黄山に自噴し、ここから高温の硫黄泉を引いている。

明治時代、硫黄山には最盛期で2,000人の鉱夫が働き、年間17千トンの硫黄を産出していた。しかし、硫黄が石油から抽出できるようになって閉山された。
現在はその採掘所跡から湧出する温泉が、中ノ沢温泉と近くの沼尻温泉に引かれている。


最近、温泉サイト仲間の「温泉たまこさん」が、ご主人とともにこの源泉場所を訪れている。
私にはとても行けない場所だが、この行動力にはただただ感嘆し、尊敬する次第だ。

温泉名 : 中ノ沢温泉
磐越自動車道磐梯熱海ICから母成グリーンライン(無料)で中ノ沢温泉へ。
(多くは「中沢」だが、中沢の表示もある。)