チェックイン前に、このホームページの掲示板に来てくださっている2人の女性から教わった女性日本画家(文化勲章受賞)、秋山不矩(ふく)の美術館に立ち寄った。

美術館は、宿泊地の舘山寺温泉から1時間ほどの距離、彼女の出身地である浜松市二股町の小高い丘に建つ。

外観はまるで要塞のような設計だが、内部は地元の天竜杉や漆喰をふんだんに使用し、展示室は靴を脱いで鑑賞する設計になっている。

秋山不矩は明治41年生まれ、戦後、新しい日本画の創造を模索し、50代後半から客員教授として招かれたインドの風景・寺院などをモティーフに作品を描き続けた。

館内には初期の伝統的な日本画の作品から、まるで別人のようになった作風の後期作品までが展示されている。
舘山寺温泉 舘山寺サゴーロイヤルホテル (静岡県)
● 秋山不矩(ふく)美術館
所在地 : 浜松市
浜松と言えば、我々の年代はオートバイと楽器と養殖ウナギをイメージする。
最近でも東名・浜名湖SAで、ワゴンに乗せられてハーモニカが販売されているのを何回か見かけた。
浜松市中心街と浜名湖は15kmほど離れているが、いずれにしても奈良・東京を往復するとき、この2つのポイントと通り過ぎると「やっと半分走った」と思うのが常だ。

(因みに、静岡県は東西に長く、いつまで走っても県内から出られない気がする。)

市は、北は赤石山系、東は天竜川、南は遠州灘、西は浜名湖と四方を異なる環境に囲まれ、多様な風景は数々の景勝地を生み出している。

浜松市は、平成17年7月、天竜川・浜名湖地域12市町村との合併により、面積は岐阜県高山市に次いで全国2位となった。 
人口は80万人を超え、静岡県第1位の人口となった。
製造業が盛んなので、ブラジル人を中心とする外国人が年々増加し、現在、3万人近くになっている。

浜名湖の日没。浜名湖は日本で10番目の大きさで、海水と淡水が混じる汽水湖。ウナギ・カキ・海苔などの養殖が盛んだ。
温泉名 : 舘山寺(かんざんじ)温泉 
注意:山寺
舘山寺温泉は、浜名湖の北東岸に突き出した庄内半島の付根に位置し、伊豆を除く静岡県内で最大の規模を誇る温泉地だ。

温泉名は、温泉街背後の小高い丘に建つ曹洞宗・舘山寺(約1200年前、弘法大師により創建)に由来する。

開湯は昭和33年と歴史は浅いが、現在では大型旅館・ホテルが20軒ほど建ち並び、浜名湖周辺観光の中心地になっている。

舘山寺温泉の周辺は、「舘山寺松山穏し湖を来て ここは小春の入江さざなみ」と北原白秋が詠んだように浜名湖随一の観光地でもある。

浜名湖畔を湖上から楽しめる遊覧船(フラワー号は、宿泊客なら無料のようだ・・要確認)の発着地で、他にも舘山寺ロープウエィ・遊園地・動物園・フラワーパークなどのレジャー施設が揃い、家族連れを中心に活気ある温泉地となっている。
早朝、愛犬の散歩を兼ねて、温泉街の背後、標高40mの丘にある曹洞宗・舘山寺を拝観した。
舘山寺温泉の最奥に位置するサゴーロイヤルホテルは、西日本 ・温泉宿ベスト100 (昭文社2005年度版)の69位にランクインしている。

部屋数が97室の大型ホテルで、全室がBT付き。
料金帯(ネット予約)は10,000円台から25,000円程度で幅広い。
お得な企画品や季節・曜日・人数・部屋・料理などによって料金が異なるので、予約の際はここのHPを参照ください。

天井が高く広々とし豪華なロビー・ラウンジからは、トロピカルムードの庭園越しに浜名湖を見渡せる。

館内はどこもメインテナンス・清掃が行き届き快適で、この手の温泉地・大型旅館で見られる寂れた雰囲気はどこにも窺えない。

大型だけに団体客が多いと思われ、この日も、高齢者のグループが宿泊していた。

施設名 :舘山寺 サゴーロイヤルホテル (宿泊日2006.12.11)
料金:月曜日2人1室@13,000円(税別)
    浜名湖に面するサゴーロイヤルホテル。
因みに「サゴー」という名前は、経営している会社が「高砂観光」でその「サゴ」と「さあ GO!!」という掛け声に由来するそうだ。
トロピカルな雰囲気。前にはプール(夏季)がある。
部屋(和室・10畳・広縁・BT)からの日没風景
風 呂
屋上(10階建)に造られた露天風呂は、地上40mの高さかから浜名湖を見下ろす。ちょうど日没に当って、その風景は感動ものだった。
売り物の屋上パノラマ露天風呂「飛天」は、360度の視界が開ける。
約100室ある大型ホテルに相応しい広さの大浴場。
泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。循環だが(因みに館山寺温泉の旅館で掛け流しの旅館・ホテルは見つけられなかった)、この種のリゾート型温泉地・ホテルでは、掛け流しにこだわる必要は無いだろう。
料 理
料理は、地元の魚介類などをあしらった料理を中心にする標準的な会席料理だが、一手間かけた料理もあって、宿泊料金からすれば十分満足できる量・質だった。
尚、写真の中のフグ刺し(テッサ)は別注文だ。(トラフグについては下記参照)
夕食・朝食ともレストランで取るが、食寝分離、部屋食よりこれを好む我々にとっては好ましかったし、ホテルらしく食後にコーヒーが飲めるのも幸せだった。
また、浜名湖を見渡し、明るい朝日が射す広いレストランで、洋食も取れる朝食のバイキングが何よりも嬉しかった。
温泉そのものには拘らない方が、手ごろな料金で旅を楽しもうとすれば、大温泉地の大型旅館に宿泊するのが一番だ。
設備が充実し、食事もそこそこなので、コストパーフォマンスが良い、と感じることが多い。
ここ、サゴーロイヤルホテルもそんな施設だ。

温泉の質はともかく、素晴らしい景観を満喫できる露天風呂、広々としたロビー・ラウンジ、開放的な眺望を持つBT付き10畳の和室、それなりの料理、テキパキした従業員の応対。
これらの観点から宿泊料13,000円(平日)は割安に感じられた。
たまには温泉にこだわらず快適性を求めた宿泊を楽しむのもいいもんだ、と感じた。
遠州灘の虎フグ・・・舘山寺温泉の新しい名物
「フグ」といえば「山口県下関」と言うイメージが強い。
しかし、下関の市場で扱っているトラフグの9割は養殖で、天然ものはわずか1割しか水揚げされていない。
その貴重な天然もののうち、約6割が遠州灘で獲れたものである(平成15年度)。
しかし「フグと言えば下関」というくらいブランド力が強いため、日本中のトラフグが一度下関に集まってから、各地に送られていた。

遠州灘で獲れたフグも同じ状態だったが、数年前から舘山寺温泉を中心に、この天然フグを調理した料理を出すようになった。
冬季の舘山寺温泉の旅館・ホテルのHPを見ると、このフグコースを謳った企画を多く見かける。
住 所 静岡県浜松市舘山寺町3302
電 話 053−487−0711
交通機関 東名高速道路浜松西ICから県道で約10km
JR東海道本線浜松駅から舘山寺温泉行きで約45分
施 設(日帰り) 湯上りサロン、売店、駐車場
宿 泊 97室(すべてBT付)
宿泊料金は10,000円程度から25,000円位まで
(年度・季節・曜日・宿泊人数・企画品などによって異なるので、下記HP参照)
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 11時〜17時(要確認)
定休日 無休
入浴料金 大人 1,000円  子供(3歳〜小学生 )500円
入浴施設 内湯男女各1 露天風呂男女各1
浴室備品(日帰り) ハンドタオルは無料貸与、シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 下記浜松観光HP参照
お土産・食事 ホテルの昼食は、一品料理はなく、事前予約の入浴セットで可能。(詳しくはHPで)
近くの温泉 雄踏(ゆうとう)温泉、弁天島温泉、三ケ日温泉
浜松市HP
浜松観光HP
サゴーRHHP

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/
http://hamamatsu-daisuki.net/index.jsp
http://www.3535.co.jp/royal/

雑記帳 東名・名神の沼津から岡崎にかけては、名湯と言われる温泉は無い
今回の舘山寺温泉は、上記の秋山不矩美術館を訪れるためと、一応名の知れたところで泊まってみようという消極的な決定だった。
しかし、温泉そのものはともかく、低料金で快適な一晩を過ごすことが出来た。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
要塞のような秋山不矩美術館
浜名湖北東岸、湖に面したリゾートホテルに宿泊、売り物のパノラマ展望露天風呂で日没を見ながら感動の入浴をした。
嬉しいパンの朝食。、盛り付けがお見苦しいのでm(_ _)m。
朝日が差すレストランで朝食