所在地 : 大町市 

貸切内湯(写真は宿のHPから拝借)

夕食・朝食とも広間で取る。

久しぶりにすべての料理が予めテーブルに置かれた夕食に出会った。
それも横長のテーブルに端から端まで料理が並んでいてまことに壮観。

熱いものは熱く、冷たいものは冷たくの心遣いもいい。
しかし、こうして一気に並ぶのも、食事が中断することがなく、またどこから箸をつけようかとわくわくした気分にもなれてけっこう嬉しいものだ。

しゃぶしゃぶ用の牛肉と馬刺し、いずれもなかなかの上等品が供された。

データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
葛温泉 高瀬館 (長野県)

大町市は標高700mにあって、長野県の北西部、松本平の北に位置する。

「北アルプス一番街」と言われるように、西側一帯の市域には標高3000m級の槍ヶ岳をはじめ野口五郎岳・鳥帽子岳・大天井岳・五龍岳・鹿島槍ヶ岳などの雄峰が連なっている。

市の北部には仁科三湖と呼ばれる「青木湖」「中綱湖」「木崎湖」の天然湖があり、北アルプスの山々を映している。

北アルプスの山麓には鹿島槍スキー場・爺ヶ岳スキー場など、豪雪地帯に相応しい雄大なスキー場が多数ある。

山に囲まれた盆地を、槍ヶ岳に源を発する高瀬川が南北に縦断していて、その渓流沿いには湯量豊富な秘湯・葛温泉が湯煙を上げている。

また大町市は、日本一の大峡谷・黒部を貫く立山黒部アルペンルートの長野県側玄関口として有名である。
日本一険しい大峡谷に建設された黒四ダムは、、作業員延べ人数は1000万人を超え、工事期間中の殉職者は171人にも及んだ難工事だった。

温泉名 : 葛(くず)温泉

蔦温泉の旅館は僅か3軒。しかも点在しているので、どこの宿も秘湯の一軒家の趣き。

施設名 : 高瀬館 (宿泊日:2009年8月26日 平日2人1室 税・入湯税込 15,950円)

高瀬館は3軒の宿の中で一番奥にある。他の2軒は視界の外で、まるで一軒宿の雰囲気だ。

高原の中の大町温泉から高度を上げて10kmほど、周囲を山と森に囲まれた建物は、外観も館内もいかにも山登りと共に生きてきた山岳の宿、素朴で飾り気がない雰囲気に肩の力が抜けて好ましい。

部屋は全部で13室のこじんまりとした宿だ。

トイレのない6畳部屋(6室)は、2食 税・入浴税込で12,800円。
10畳トイレ付き(7室)で15,950円、10畳BT付きで19,100円(2010年1月現在)とけっこういい値段だ。

しかし贅沢な掛け流しの風呂と品数の多い夕食を考慮すると、損した気分にはならないだろう

先付け・前菜・・・・といった概念無しで、手のかからない家庭的な料理が順不同で並ぶ。こういう夕食は嬉しい。

夕食:全ての料理が、これまで見たことのないほど横に展開して置かれていた。

定番の品々、朝食はこれで良い。

風呂は男女別の内湯と露天風呂、それに宿泊者は無料で利用できる貸切内湯が2ヶ所ある。

源泉は宿の真下から湧き出る2本の源泉を使用している。
泉質は無色透明な単純温泉、温度が90℃を越えるので、常時加水しているようだ。

最近、皮膚が過敏症になったのか、アレルギー体質が強くなったのか定かでないが、よく温泉負けするようになってきた。
こうした刺激性のないやわらかな温泉は、何の不安も無く入浴出来るので嬉しい。

湯量が豊富なため、内湯と露天風呂は勿体ないというか、贅沢なかけ流し状態だ。
特に内風呂に入ると、浴室全体が水浸し状態の風景が見に飛び込んできて、思わず涙腺が緩んで涙する人もいるかもしれない(いないか・・・)。


宿泊者はもちろん24時間入浴出来る

この勢いで溢れ出ている。

風呂が大きいため、この方向だけでも3ヶ所から湯が落とされている。

幾重にも重なる山々が見通せて開放感抜群。

北アルプスの急峻な山々が迫る高瀬川沿いに旅館3軒が点在する秘湯・葛温泉。湯量豊富で大町温泉郷などに配湯しているほどだ。宿泊した高瀬館でも、温泉が惜しみなく湯船から溢れ出ていた。

葛温泉は大町市の西方、七倉ダムによって堰き止められた高瀬川が再び流れ出した渓流沿いに3軒の宿が点在している。
そのためそれぞれが秘湯の一軒宿の雰囲気を有している。
「仙人閣」「温宿かじか」そして「高瀬館」だ。
しかし、温泉湧出量は豊富で、1分間当たり1500リットルを越えているため、10km以上離れた木崎温泉や大町温泉郷にも配湯している。

葛温泉の由来は、桃山時代、飢饉で食べるものが無くなった里の人が、葛の根を求めて山に分け入った時に温泉を発見したからだそうだ。
神がかった温泉の発見伝承が多い中、僧侶でも動物でもない、はなはだ人間臭い由来を持つ。


標高が1080m、北アルプスの登山口として山岳人に愛されてきた葛温泉だが、今も多くの登山者が四季を通じて利用していて、私が宿泊した日も玄関先に多くの登山靴を見かけた。

槍ヶ岳を源とする高瀬川

風 呂



葛温泉の3軒の旅館は、すべて日帰り入浴を受け付けている。

高瀬館は、午前10時〜午後8時、大人700円である。
内湯と露天風呂の他に、予約すれば貸切内風呂を1時間3000円で利用できる。

食 事

これぞ往年の温泉宿の必需品、卓球部屋と卓球台は、館内設備で一番立派だった。

古い山岳写真がずらっと並べられた客室廊下。

秘湯系のフロントとロビー周辺

部屋は10畳のシンプルな和室でトイレ付き。

風呂のすべての縁から温泉が溢れ出ている。

変色した床の石、素朴なタイル張りの2連槽の風呂、溢れ出る温泉、温泉好きにはこたえられない浴室風景だ。

50人位が一度に入れる大きな露天風呂。

住 所 長野県大町市平2118−13
電 話 0261−22−1446
交通機関 長野自動車道豊科ICから国道147号線等(北アルプスパノラマロード)で大町方面へ36km
JR大糸線信濃大町駅からタクシーで25分
施 設(日帰り用) ロビー・駐車場(30台)
宿 泊 和室13室
6畳トイレ無し(6室)=2食・税入浴税込 12,800円。
10畳トイレ付き=15,950円、10畳BT付=19,100円
(2010年1月現在)  詳細は下記宿のHP参照のこと。
泉 質 単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 午前10時〜午後8時
定休日 無休
入浴料金 大人 700円(予約不要)
入浴施設 内湯 男女別各1 、露天風呂 男女各1貸切2(宿泊者無料、日帰りは1時間3000円要予約)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 黒部アルペンルート(黒部峡谷・黒四ダム)・国宝/仁科神明宮・大町エネルギー博物館・アルプス温泉博物館・塩の道博物館・スキー・周辺登山/トレッキング
白馬山麓植物園白馬ブルーベリー農園・松川河川公園(白馬三山の眺望)白馬ハーブガーデン、美術館巡り(ラフォーレ白馬美術館)(三枝美術館)(安曇野ちひろ美術館)
お土産・食事 国道147号線沿い・大町温泉周辺
近くの温泉 大町温泉郷、白馬八方温泉、小谷温泉、中房温泉、有明温泉
大町市HP
観光協会HP
温泉紹介HP
高瀬館HP
http://www.city.omachi.nagano.jp/
http://www.kanko-omachi.gr.jp/
http://www.kanko-omachi.gr.jp/play/onsen/index.html
http://www.takasekan.com/
雑記帳 この2カ月後、温泉仲間と6泊の信州・群馬の湯巡り。最初の宿泊が大町温泉の北30kmほどの小谷温泉だった。
これで北アルプスパノラマロードは3回目。頂上付近にまだ雪を抱く北アルプスの雄峰を見ながらのドライブは本当に楽しい。

直進は黒部ダム、左折は葛温泉

大町ダム(龍神湖)

数日前にも熊が出没したらしい。野猿も度々見かけた。