三瓶温泉 湯元旅館 (島根県)

温泉街から300mほど山に入った湯元旅館

畳1畳半くらいの小さな湯船に茶色が混ざった鶯色の温泉が満たされている。
泉質はナトリウム・塩化物泉だが、鉄分を含んでいるために透明な温泉が酸化してこの色になる。

泥湯とよばれるだけに、入ると足の裏が沈むくらい湯の華というか、泥が沈殿していてそれが一斉に浮かんできた。
たちまち湯の色がこくなり、それが外にあふれると床が瞬時に黄土色に染まってしまった。
口に含むと、塩味・鉄味が伝わってきた。

茶色の湯が溢れ出て、湯船と床の区別がつかない浴室。

石組の上部から温泉が流れ落ちている。

湯元旅館はその名の通り、三瓶温泉の源泉に最も近い所にある。
温泉街から少し離れた山腹に、一軒宿のようにあるので見つけるのに手間取った。
細い渓流沿いの坂道にあり、外観は木造2階建てのかなり古びた建物だ。
部屋は8室あり、宿泊料金はHPがないため不明だが、8000~9000円で泊まれるだろう。

予め電話で入浴出来るか照会したところ、これから仕入れに行くから11時頃までに来てほしい、とのこと。
時間内に到着、玄関を開けたところ、明るいはきはきした女将と思われる女性が応対してくれた。親切に風呂場まで案内してくれ、2つの風呂の入浴順まで教えてくださった(シャワーのある風呂を後にする)


その風呂だが、どちらも宿泊の場合は貸切に出来るようだ。
先ずは「泥湯」と書かれていた2、3人用の小さい風呂に浸かる。

三瓶温泉は、三瓶山の南麓、標高500mに湯量豊富な温泉が湧き出る。その湯元に最も近いのが湯元旅館、豪快に赤茶色の温泉が溢れ出る様に誰もが感動するだろう。

温泉好きには嬉しいことに、掛け流しの2ヶ所の共同浴場、「鶴の湯(薬師湯)」と「亀の湯」がある。写真は温泉街の中心にある鶴の湯。

右上:底に足をつけると沈殿している湯の華が舞いあがる。下左側は温泉の透明度をチェック。下右:掛け流しが実感できる。源泉が底から湧きあがってくるが、足下湧出では無い。

次いで隣の貸切風呂に入る。浴室に足を踏み入れた瞬間、温泉マニアなら泣いて喜ぶ風景が目に飛び込んで来た。


光線によって、鶯色、黄土色、オレンジ色に見える。

入口からの風景。床に敷かれた風呂が緑に、茶色に、黒に変色している。

石の縁から湯が溢れている。


温泉名 : 三瓶(さんべ)温泉

凄い勢いで温泉が注がれる。

見かけによらず、浴感は以外にサラサラしている。
金気臭と土類臭がするらしいが、臭いへの感度が鈍っているので気がつかなかった。
温度は一肌より若干高めくらい、いくらでも入浴していられる温さだ。

風呂を出た後、女将が

「源泉がすぐ近くにありますよ」と教えてくれた。
途中まで行ったが、何かの工事をしていたので引き返した。
現場に行くと、いかに三瓶温泉が湯量が豊富かが実感出来るそうだ。

所在地 : 太田市三瓶町志学(おおだしさんべちょうしがく) 

大田市は島根県の東西中央部に位置し、日本海に面する。松江市からは約70㎞、浜田市からは約65㎞、広島市からは約130㎞の距離にあり、松江・出雲市圏と浜田・益田市圏の中間にあたる。

本地域の北部は日本海に面しているが、急峻な中国山地が海岸に迫っているため山林原野が多く、平坦地が少なくなっている。当地域の中央部には平成19年7月2日に日本では14番目、鉱山・産業遺跡としては初の世界(文化)遺産に登録された石見銀山遺跡がある。

また、南東部には大山隠岐国立公園に属する三瓶(さんべ)山(1126m)が特異な山容を見せている。
ランクC火山に指定される三瓶山の男三瓶山北麓に広がる自然林は、「三瓶山自然林」として国の天然記念物に指定されている。
地質的には白山火山帯に属することから、温泉津や三瓶などの温泉に恵まれている。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 島根県大田市三瓶町志学931-5
電 話 0854-83-2215
交通機関 中国自動車道三次ICから約67km
JR山陰本線太田市駅から石見交通バス三瓶温泉行きで40分、三瓶温泉下車(徒歩時間不明)
施設(日帰り用) ロビー 駐車場有り
宿 泊 8室 料金は8500円前後か?(電話で宿に照会ください)
泉 質 ナトリウム―塩化物泉(含塩化土類食塩泉) 39.2℃ 2500L/分
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 午前10時~午後4時(当日入浴可能か電話で問い合わせした方が良い)
定休日 不定休
入浴料金(立寄り)) 大人500円
入浴施設 内風呂2ヶ所
浴室備品 ボディソープ・シャンプー
観光スポット 石見銀山・三瓶荘・羅漢寺
お土産・食事 温泉街で可能
近くの温泉 湯抱温泉・千原温泉・小屋原温泉・池田ラジウム温泉・潮温泉・湯迫温泉
太田市HP
観光協会HP
http://www.city.ohda.lg.jp/
http://www.visit-ohda.jp/
雑記帳 約10年前から湯巡りをして、今回初めて家内抜きの1人旅。
いい点は立ち寄り湯を気兼ねなく出来ることだが、やはり一緒に旅した方が楽しいかな?

施設名 : 湯元旅館 (入浴日:2010.4.19)

三瓶山は出雲と石見を分ける国境の山。標高1126m」の男三瓶を中心に女三瓶、子三瓶、孫三瓶など6つの山が環状に連なっていて、山麓には上の写真のようななだらかな高原が広がっている。

三瓶温泉は孫三瓶の南麓、標高500mの高原に湯煙を上げている。

昭和34年までは志学温泉の名で湯治場として知られていたが、厚生省(当時)定の国民保養温泉地に指定、その際に温泉名を現在の三瓶温泉に変更した。。

当時は炭酸泉も湧出しており、ラムネを製造していたが、昭和38年の雪崩で埋没してしまった。
現在の源泉はそれ以降のもので、温泉街から少し離れた山腹にある湯元旅館の先に湧き出ている。


分間に2500リットルの湯量を誇る三瓶温泉だが、現在の宿泊施設は、周辺の小屋原温泉や池田ラジウム温泉を含めても旅館が6軒、その他に若干のペンションがあるのみである。

三瓶山は火山活動によって形成された山で、溶岩円頂丘と呼ばれる。私と愛犬アルの1人+1匹旅。