三瓶温泉 志学薬師 鶴の湯 (島根県)
三瓶温泉には2ヶ所の共同浴場がある。
「鶴の湯」と「亀の湯」だ。

鶴の湯は、「(志学)薬師湯」と紹介されていることが多いが、今回訪れた際は下の看板の通り「志学薬師 鶴の湯」とあったので、ここでは鶴の湯として扱う。
おそらく最近になって、もう一つの亀の湯と対にするため、このネーミングに変更されたのではないだろうか。


鶴の湯は、時が止まったような温泉街(と言うより旅館が見当たらないので「通り」の方が適当かもしれない)の中ほどにあり、石見地方独特の赤褐色の石州瓦を葺いた建物で観光案内所が併設されている。

暖簾をくぐって館内に入ると誰もおらず(常時無人かどうかは不明)、入浴料の自動販売機があって所定料金を投入、出てきた券を木の箱に投入する。


温泉名 : 三瓶(さんべ)温泉
所在地 : 大田市三瓶(さんべ)町志学 

三瓶山は出雲と石見を分ける国境の山。標高1126mの男三瓶を中心に女三瓶、子三瓶、孫三瓶など6つの山が環状に連なっていて、山麓には上の写真のようななだらかな高原が広がっている。

三瓶温泉は孫三瓶の南麓、標高500mの高原に湯煙を上げている。

昭和34年までは志学温泉の名で湯治場として知られていたが、厚生省(当時)が国民保養温泉地に指定、その際に温泉名を現在の三瓶温泉に変更した。

当時は炭酸泉も湧出しており、ラムネを製造していたが、昭和38年の雪崩で埋没してしまった。
現在の源泉はそれ以降のもので、温泉街から少し離れた山腹にある湯元旅館の先に湧き出ている。


分間に2500リットルの湯量を誇る三瓶温泉だが、現在の宿泊施設は、周辺の小屋原温泉や池田ラジウム温泉を含めて旅館が6軒の他、若干のペンションと2ヶ所の共同浴場がある。

大田市は島根県の東西中央部に位置し、日本海に面する。松江市からは約70q、浜田市からは約65q、広島市からは約130qの距離にある。

本地域の北部は日本海に面しているが、急峻な中国山地が海岸に迫っているため山林原野が多く、平坦地が少なくなっている。
中央部には平成19年7月2日に日本では14番目、鉱山・産業遺跡としては初の世界(文化)遺産に登録された石見銀山遺跡がある。

また、南東部には大山隠岐国立公園に属する三瓶(さんべ)山(1126m)が特異な山容を見せている。
ランクC火山に指定される三瓶山の男三瓶山北麓に広がる自然林は、「三瓶山自然林」として国の天然記念物に指定されている。

地質的には白山火山帯に属することから、温泉津や三瓶などの温泉に恵まれている。

この地方独特の赤い瓦・石州瓦を乗せた鶴の湯。
「志学薬師」の冠詞がついた鶴の湯の看板。
ここに入浴券を入れる。
無料の休憩所
冬季の営業時間は14時〜20時(19時までに入館)。だが、「14時以前もご利用いただけますが、この季節は35℃を切っております」の文字があった。
入浴中、ずっと温泉が盛大にパイプから下のバケツに落とされていた。

これが何で、何のためのものか、浸かっている間は分からなかった。

ところが上がって貼ってあった掲示を見て判明した。

貼紙には
「当温泉にシャワー設備はございませんが、浴室奥のパイプから出る源泉をかかり湯、上がり湯としてご利用ください。」
の文字があった。
なんとも贅沢なシャワー代用品だ。


三瓶温泉の共同浴場、無人の「亀の湯」。
温泉成分で茶色く変色した床と風呂の縁は美しい。営業開始時は加温無しだが、夕方にかけて加温されるようだ。
三瓶山は火山活動によって形成された山で、溶岩円頂丘と呼ばれる。
住 所 島根県大田市三瓶町志学
電 話 0854−83−3311
交通機関 中国自動車道三次ICから約67km
JR山陰本線太田市駅から石見交通バス三瓶温泉行きで40分、三瓶温泉下車(徒歩時間不明)
施設(日帰り用) 休憩室  駐車場数台分有り(当日、館の前工事中だったため、詳細不明)
宿 泊 不可
泉 質 ナトリウム―塩化物泉(含塩化土類食塩泉) 39.2℃ 2500L/分
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 冬季:14時〜20時(入館は19時まで)
夏季は不明
定休日 無休
入浴料金(立寄り)) 大人300円 子供(5歳〜15歳)150円
入浴施設 内風呂男女各1
浴室備品 ボディソープ・シャンプー類は無し ロッカー有り
観光スポット 石見銀山・三瓶山・羅漢寺
お土産・食事 温泉街で可能と思うが確認していない。
近くの温泉 湯抱温泉・千原温泉・小屋原温泉・池田ラジウム温泉・潮温泉・湯迫温泉
太田市HP
観光協会HP
http://www.city.ohda.lg.jp/
http://www.visit-ohda.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

施設名 : 志学薬師 鶴の湯 (入浴日:2010.4.19) 

三瓶山の内、孫三瓶の南麓、標高500mの高原に豊富な温泉を湧出する三瓶温泉。ここの趣ある2ヶ所の共同浴場の内、鶴の湯で入浴した。
ここは無休、営業時間は左記の通り、冬季は14時〜20時となっているが夏季は不明。
しかし入浴時間帯が延びることは間違いなく、手元のガイドブックの入浴時間が「12時〜20時」となっているので、これが夏季時間帯かもしれない。

金は大人300円、子供(5歳〜15歳150円)。
共同浴場なのでシャンプー類は置いてないがロッカーは設けられている。

露天風呂は無く、内風呂は共同浴場らしくいたってシンプルなもので、大きさは1m50x3mほどで、詰めれば5、6人は入れるだろう。

床も浴槽も石板造り、温泉成分に染められて美しい色になっている。

温泉はナトリウムー塩化物温泉、鉄分を含んでいるための経時変化で透明な温泉が茶色になる。
2時過ぎの入浴、湯温は好みのぬる湯、35℃前後だった。