2011年9月 閉館
畳敷きの広間で昼食を取った。写真は「とろろ定食(1575円)」で、他の定食や単品の麺類もある。
写真で見るより、かなり年季が入っている館内。入浴料金は大人1050円で、昼食を取ると735円に割引される。(入浴時間は不明)
孫と一緒に千葉県随一の温泉地、養老渓谷温泉郷にあって、唯一の掛け流し風呂を有する元祖養老館で昼食付き入浴をした。
温泉は、神奈川県横須賀・鎌倉周辺から東京湾に沿って内房総まで湧出する真っ黒なモール泉だ。
棚にプラスティックの籠を置いたシンプルだが、けっこう風情がある脱衣所。
シャンプー類と並んで「かかときれい」なる足裏をこする器具が置いてあった。
浴室に入って驚いた。
思いがけずに黒湯(通称)だったからだ。
黒湯は、神奈川県横須賀・鎌倉周辺から東京湾岸に沿って大田区・目黒区・江東区さらには千葉県内房までの深度100mから1000mの地下に湯脈がある。
この黒い温泉は、古代の草木の成分が地下水に溶け込んでできた冷鉱泉で、モール泉と呼ばれている。
考えてみればここは内房、黒湯であってもおかしくない訳だが、1時間前までは、孫と一緒に温泉、それも特異な黒湯に入れるとは夢にも思っていなかった。
泉質はナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹食塩泉)で、泉温は13℃ほどなので加温している。
墨汁の様な黒さだが、見かけによらずやわらかな肌触り。
川が緩やかに流れる養老渓谷。
東京の長女夫婦の家に2週間ほど滞在し、この日は活発な孫(2歳男)のために養老渓谷を散策しよう、ということになって、アクアラインを利用して東京湾を横断し1時間ほどでやって来た。
ナビを養老渓谷でセットしていたが、到着したのはなんと養老渓谷温泉郷のど真ん中。
気のきいた娘夫婦が、ここで食事をしてお風呂に入って行こう、と言ってくれて、ちょうど目の前にあった元祖 養老館という宿に向かった。
菓子類なら元祖はつきものだが、温泉宿で元湯ならぬ元祖という名称がユニークで面白い。
当館は鉄筋5階建て、外観も館内もやや草臥れているが、一昔前の観光旅館の趣きがあって懐かしい気分になる。
部屋はトイレ付きの和室が30室、宿泊料金は、平日で8,470円~15,750円、土曜・休前日は10,500円~15,750円(1室2人以上の場合で、2011年1月末現在)となっている。
養老渓谷一番の景観・粟又(あわまた)の滝は長さ100m、高さ30m。千葉県では標高408mの愛宕山が一番高く、養老渓谷は150m~250mにすぎない。
夷隅郡は、大多喜町と御宿(おんじゅく)の2町から成る。
大多喜町は房総丘陵に属する山林地帯で中央を夷隅川が貫流し、もう一方の御宿は太平洋に面し、房総を代表する海岸を持ち、童謡「月の沙漠」発祥の地である。
大多喜町は、徳川四天王・十六神将・徳川三傑に数えられる功臣・本田忠勝が初代大多喜藩主となった城下町である。
本田忠勝は、元亀元年(1570年)の姉川の戦いの際、、家康本陣に迫る朝倉軍1万に対して無謀とも思える単騎駆けを敢行。そしてこの時、忠勝を救おうとする家康軍の行動が反撃となって朝倉軍を討ち崩した。
町域にある房総半島随一の紅葉の名所・養老渓谷は、養老川とその支流である蕪来川によって形成された谷で、西側にある梅ヶ瀬渓谷とともに千葉県内有数の観光地となっている。
春はツツジ、フジ、秋には紅葉が美しく、ハイキングコースも整備されている。
住 所 | 千葉県夷隅郡大多喜町葛藤7 |
電 話 | 0470-85-0111 |
交通機関 | 圏央道木更津東ICから国道410号線、県道32・81号線で約20km 小湊鉄道養老渓谷駅からタクシーで10分 |
施 設(日帰り) | 休憩所(昼食可)、駐車場 |
宿 泊 | 和室30室(T付) 平日:8,400円~15,750円、休前日:10,500円~15,750円(2011年2月現在 詳細・最新情報は下記のHP参照)) |
泉 質 | ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉 (源泉温度13.2℃を加温掛け流し) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 | 不明 |
定休日 | 不定休 |
入浴料金 | 大人:1050円 昼食を取る場合は735円(予約不要) |
入浴施設 | 男女別内湯各1 |
浴室備品 | シャンプー・ボディソープ・ドライヤー |
観光スポット | 大多喜城、大多喜町観光本陣、商い資料館、房総中央鉄道館、栗又の滝、養老渓谷(特に紅葉の時期) |
お土産・食事 | 館内で食事可 |
近くの温泉 | 亀山温泉、七里川温泉 |
大多喜町HP 養老渓谷観光協会HP 養老渓谷温泉郷HP 養老館HP |
http://www.town.otaki.chiba.jp/ http://www.yo-ro-kadoya.co.jp/kankou.html http://www.yorokeikoku.com/ http://www.yorokan.com/ |
●同じ黒湯の東京・大田区の蒲田黒湯湯泉ホテル末広
風呂は3mx1m50cmくらい、どうみても檜とは思えない節が沢山入った荒削りな風呂がかえって面白い。温度はやや温めで好み、養老温泉唯一のかけ流しと宣伝している。
意外と透けて見えたので驚いた。眼鏡をかけなかったので見えなかったが、湯の華が舞っているらしい。
まさか孫と一緒に温泉、それも黒湯に入れるとは思わず、うれしい一時だった。孫が入った最初の温泉だが、温泉は黒いものと思っているかもしれない。
鯉が泳ぐ池を囲む吹き抜けの回廊を渡って浴室に行くアプローチが風情満点だ。右はまるで土蔵の様な湯屋。風呂はこの内湯のみだ。
施設名 : 元祖 養老館 (入浴日:2010年9月26日)