三島谷温泉 永久荘 (新潟県)

温泉達人・故野口悦男氏が監修された「極上にごり湯百選」に選考された長岡市郊外の三島谷温泉を訪れ、静かな山里に佇む一軒宿・永久荘の濃い紅茶色のなめらかな温泉に浸かった。

所在地 : 長岡市大積三島谷町 

長岡市は新潟県の中部(中越地方)に位置し、平成大合併の結果、日本海に達する広大な市域を持つことになり、人口28万人余、県下で新潟市に次ぐ規模となった。
市の中央を、日本一長い全長367kmの信濃川(長野県では千曲川)が流れている。
一帯は世界的に見ても有数の豪雪地帯であり、過去にも記録的な降雪を経験している。

この地域は、かっては「今太閤」とか「コンピュータ付きブルドーザー」と呼ばれ、ロッキード社との収賄事件により逮捕された元総理大臣・田中角栄氏の地盤であった。

(旧)長岡市は、江戸時代に長岡藩の城下町として栄えたが、明治維新の動乱に際し戊辰戦争に巻き込まれ、河井継之助(司馬遼太郎の小説「峠」の主人公)の主導のもと奥羽越列藩同盟に参加を決定、長州藩・薩摩郡を中心とする同盟軍側に抗戦して破れ、明治3年に廃藩となった。

また最近では、小泉元首相が演説で引用した「米100俵」のエピソードも,、長岡藩末期の藩士・小林虎三郎の教育にかかる情熱を、作家山本有三が戯曲で描いたので有名になったものだ。

信州と新潟両県に跨る姫川温泉から月岡温泉に向かう途中で、北陸道からあまり外れないで、かつ余り知られておらす、温泉か風呂に特色がある温泉を調べた。
結果、もう廃刊になった山と渓谷社のガイドブックでここを見つけた。
一般の温泉ガイドブックでは見かけない温泉(一軒宿)だが、この記事を書いているときに、同じ山と渓谷社の「にごり湯百選(故野口悦男氏監修)」で紹介されているのを知った。

長岡JCT手前の西山ICから下りてすぐに右折、県道23号線を東へ5kmほど進んだ先の道路沿い、のどかな山里の林の中に三島谷温泉があった。

新潟県に多く見られるケースだが、大正時代に石油の採掘をしていたら、偶然に温泉が湧出したということだ。

温泉の色が濃い紅茶色、東京湾岸に沿って湧出する黒いモール泉は珍しくないが、他地域ではあまりお目にかからず珍しい色、口に含むと色に影響されてか、心持ち甘くて紅茶の様に思われた。

道沿いに大きな案内板、見失うことは無い。

北陸道・西山ICから出てすぐの交差点を右折。

静かな山里、木立ちの中に永久荘が見えてくる。

この日は前日宿泊した姫川温泉から北陸自動車道を東行、長岡JCTの手前、西山ICで下りて県道23号線をさらに東に進み三島谷温泉を目指す。

山里の木立ちの中に佇む三島谷温泉の一軒宿・永久荘。
「にごり湯」「立ち寄り湯」等の言葉を生みだし、日本秘湯を守る会の世話役であった故野口悦男氏の「極上濁り湯百選」に選ばれている。


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永久荘の本館、左手に別館がある。客室数は10室、HPが無いため詳細不明だが、概ね8,000円~10,000円で泊まれるようだ。館内の安っぽい赤のカーペット、中高級旅館で出会うと落胆するが、ここの様な素朴な宿ではかえって嬉しい。

風呂は内湯のみ、浴槽は石造りで2.5mx1.5m位、4人位が限度で、それ以上になると足をたたまないと入れないだろう。
この風呂の最大の特色は、一見して真っ黒の温泉。
入浴して自分の手で確認すると、濃厚な紅茶色だが透明度は薄く、手を10cm沈めると全く見えなくなった。

泉質はナトリウムー炭酸水素塩泉、泉温が21.5℃の冷鉱泉で、pH8.1、極微硫化水素臭、湯量は25.9リットル/分 掘削自噴と記載されていた。

循環ろ過だが重曹泉でpHがこの値なので、かなりのヌルスベが感じられた

黒湯と言えば東京湾岸の温泉が知られている。
神奈川県横須賀・鎌倉周辺から東京湾岸に沿って大田区・目黒区・江東区さらには千葉県内房までの深度100mから1000mの地下に湯脈がある。
この黒さは、古代の草木の成分が地下水に溶け込んで出来たそうだ。
三島谷温泉の黒さも同じ由来なのかは不明だ。


温泉名 : 三島谷(みしまだに)温泉

施設名 : 永久荘 (入浴日:2011.10.31) 

住 所 長岡市大積三島谷町147-1 
電 話 0258-46-2258
交通機関 北陸自動車道西山ICから5km
関越自動車道長岡ICから10km

長岡駅前発バス、柏崎行き(西山経由)三島谷下車徒歩3分
施 設(日帰り) 駐車場有
宿 泊 10室(8、000円~10,000円? 推定)
泉 質 ナトリウム―炭酸水素塩温泉冷鉱泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 10時~午後4時(?) 入浴前に電話確認しておいた方が良いかもしれない。
定休日 不定休
入浴料金 大人400円
入浴施設 男女別内湯
浴室備品 シャンプー・ボディソープ・(ロッカー・ドライヤーは未確認)
観光スポット 国営越後丘陵公園、桝形山自然公園、千秋が原ふるさとの森、寺泊水族博物館、山本五十六記念館、道の駅良寛の里わしま、弥彦神社、燕三条地場産業振興センター
お土産・食事 施設内不可、長岡市内の2ヶ所の道の駅
近くの温泉 地蔵温泉・宮本温泉・鯨波松島温泉・寺泊海岸温泉・成願寺温泉・桂温泉・青鱗温泉・荷頃温泉・蓬平温泉・弥彦温泉・観音寺温泉
長岡市HP
観光協会HP

永久荘HP
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/
http://www.nagaoka-navi.or.jp/
無し
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

遠目には真っ黒に見える重曹泉。立ち寄り料金は大人400円、入浴時間ははっきりせず、10時~16時というデータと10時~19時がある。当日の入浴がOKか事前電話の際に合わせて確認ください。

手を入れると10cmほどで見えなくなる。東京の黒湯並みの透明度だ。

薄いコーヒー色の湯がかなりの量注がれるが、オーバーフロー無し。

入浴しながら入口方向を見る。気が付かなかったが、カランからも温泉と言う記事を見かけたが確認していない。