湯ヶ島温泉は、歌でも有名な浄蓮の滝や天城峠の手前、狩野川・猫越川の合流点付近にあり、こじんまりとして趣がある宿が10軒ほど点在している。
伊豆天城温泉郷の中心地で、湯ヶ野温泉と共に川端康成の伊豆の踊子の舞台ともなった温泉だ。
テルいづみ園とカタカナの館名がつくが、伊豆の秘湯と称する人もおり、5000円前後で素泊まりも可能な癒しの温泉保養施設だ。
施設名 : テルメ いづみ園 (入浴日:2012.3.1)
伊豆市は、2004年4月に修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町が合併した海・山・川・温泉の自然に恵まれた観光市である。
市は伊豆半島の中央部に位置し、直線距離で東京から100kmほど、南側は天城山系の山並みに囲まれ、西側は駿河湾に面している。
市域の多くが、伊豆半島のおよそ標高500mから1000m級の分水嶺に囲まれている。
中央部には天城山から発する狩野川が流れ、北部はその沖積層により形成された田方平野が開けている。
上述の合併により、伊豆市は「修善寺温泉」「土肥(どい)温泉」「天城湯ヶ島温泉郷」などを有する一大温泉地となった。
湯ヶ島温泉がある天城湯ヶ島地区は、三方を天城連山が取り囲み、9割が山林原野であるが、狩野川やその支流には多くの文人墨客が訪れた風情ある温泉地が点在している。
単純温泉にはないトロリ感と艶がある湯が、縁から流れ出して、石畳の床を濡らしていた。いい風景だ。石膏泉特有のきゅきゅ感がある。
川石で囲った素朴な露天風呂。3月1日なのに、周囲の林は常緑樹が多いので緑豊かだった。
湯ヶ島温泉の前を流れる猫越川を1.5kmほど遡った先、川を跨ぐ二百枚橋を渡った先にある日帰り入浴中心の温泉施設だが、5000円前後で素泊まりが出来る(朝食付きも可)ので、利用目的が広い。
館名にカタカナがつくが、建物は簡素な木造建築でなかなかの雰囲気がある。
「テルメ」という用句は、草津にテルメテルメという温泉施設があるが、これは草津温泉と縁が深いベルツ博士の母国語であるドイツ語の温泉を意味するThermeから来ているのだろう。
この言葉の語源はラテン語だそうで、Terme di Caracallaと言えば、イタリア・ローマのカラカラ浴場を意味するとのこと。
テルメ いずみ園は、果たしてどちらに由来するのだろうか。
ここの売り物は、なんと言っても浴室のすぐ近くから湧き出る温泉で、泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉。
2011年度版のガイドブックでは、泉温が61℃あり、加水・加温無しでかけ流しとなっている。
しかし、ここのホームページやパンフレットでは、かけ流しは強調しているが、加水加温無しの記述は無いので、現在の状況はどうだろうか。
修善寺温泉、復活した外湯の「筥湯(はこゆ)」。
右側の望楼は「仰空楼(ぎょうくろう)」で、修善寺を愛した夏目漱石の漢詩に由来する。
住 所 | 静岡県伊豆市湯ヶ島2796 |
電 話 | 0558−85−2455 |
交通機関 | 東名高速道路沼津ICから国道414号線、136号線で約35km 伊豆箱根鉄道修善寺駅から中伊豆東海バス湯ヶ島温泉行きで30分湯ヶ島温泉下車徒歩10分(不確実、現地に照会ください) |
施 設(日帰り用) | 無料休憩室、駐車場(30台程度) |
宿 泊 | 5000円前後で素泊まり・朝食付きで可能。詳細はHP参照。 |
泉 質 | ナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉 |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 | 10時〜21時30分(受付は21時迄) |
定休日 | 毎週火曜日 |
入浴料金 | 大人 700円 小人300円 |
入浴施設 | 内湯男女各1 露天風呂男女各1 貸切風呂(有料)1 |
浴室備品 | シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | 浄蓮の滝、昭和の森会館(伊豆近代文学博物館・天城わさびの里など)、天城グリーンガーデン、旧天城隧道、出会い橋(毎年6月中旬、約1万匹のゲンジボタル・ヘイケボタルが乱舞) *伊豆近代文学博物館 天城・伊豆ゆかりの文学者・作家120人の資料、井上靖の通信簿・直筆原稿、川端康成「伊豆の踊り子」原稿などを展示、 |
お土産・食事 | 施設内に売店あり、昼食はとれない。 特産品はわさび、国道沿いに販売店多数 食事は温泉街で可能。 |
近くの温泉 | 伊豆天城温泉郷(湯ヶ野・船原・矢熊・月ヶ瀬・吉奈・嵯峨沢等)、大滝温泉、河津七滝温泉、 河津温泉郷(湯ヶ島・峰温泉・河津・今井浜・谷津等)、修善寺温泉 |
伊豆市HP 天城支部観光協会HP 天城観光協会HP 伊豆市観光協会 いづみ園 |
http://www.city.izu.shizuoka.jp/ http://www.amagigoe.jp/ http://www.amagigoe.jp/html/onsen.htm http://www.izushi.info/ http://www.terme-idumien.co.jp/ |
雑記帳 | 湯ヶ野温泉と共に川端康成の伊豆の踊子の舞台として知られる湯ヶ島温泉だが、「しろばんば」「氷壁」などの名作で知られる井上靖は5才から13才まで天城湯ヶ島町で過ごした。同氏の住居は昭和の森に移築して保存されている。 |
修善寺から下田街道を南下して10kmほど、西海岸の土肥温泉からの国道136号線と交差する辺りから、小さな鄙びた温泉が次々と現れてくる。
船原・矢熊・月ヶ瀬・吉奈・嵯峨沢・湯ヶ島温泉などで、これを総称して天城湯ヶ島温泉郷(伊豆天城温泉郷)と言う。
これらの中で最も大きな温泉地が湯ヶ島だ。
歌でも有名な浄蓮の滝や天城峠の手前、狩野川・猫越川の合流点付近に、こじんまりとして趣がある宿が10軒ほど点在している。
全国には文学と係わりが深い多い温泉が数多くあるが、湯ヶ島温泉もその代表格の一つと言っていいだろう。
川端康成の「伊豆の踊り子」、若山牧水の「山桜の歌」、井上靖の「しろばんば」「猟銃」などの作品はこの地が舞台となっている。伊豆の踊子のもう一つの舞台が、温泉名が似ているので混在しやすい湯ヶ野温泉。
こちらは湯ヶ島温泉を更に南下、天城峠を越えた先にある。
もう一つの露天風呂は浅くて寝湯に適している。打たせ湯も可。
磨かれたフローリングが清潔感を漂わせてる館内。
狩野川の支流、猫越川沿いに宿が点在する湯ヶ島温泉。
館名にカタカナがつくが、建物は簡素な木造建築でなかなか雰囲気があり、伊豆の秘湯と言われているのが頷ける。
営業時間は、午前10時〜午後9時30分(受付は午後9時迄 大人700円(3時間)、定休日は毎週火曜日。