デザート(中途半端な水菓子よりこちらの方が嬉しい)

もずく

茶碗蒸し

かさごの唐揚げ

猪鍋(ボタン鍋)

わさびの胡麻和え

お造り(4点盛り)

イカの塩辛

障子・襖を閉じるとこんな洒落た雰囲気の和室に変貌。宿泊料金が、18,000円と通常より高めなのは、河津桜の観桜時期のためか?

裏の6畳は、円窓はがアクセント。トイレはウオッシュレット。

改定版

伊豆名物・金目鯛の甘い煮付け。2人分だがそれでもかなりのボリュームだ。

小学生の頃、祖父母の家で見かけたとものと同じ蓄音器。

創業時からの古時計。

毎年、開花・満開時期が狂って桜祭主催者と観光客を泣かせる早咲きの河津桜。今年は昨年より10日遅れの開花、たまたま川端康成ゆかりの湯ヶ野温泉福田家に宿泊した3月7日前後が満開になった。
チェックアウトした早朝、車で10分足らず、まだ観光客をほとんど見かけない河津川沿いを散策し、満開の河津桜をゆったりと観桜した。

踊子の1

河津町は伊豆半島の南端に近い東海岸に位置し、北は標高800メートルを越える天城の山々を境に伊豆市、南は下田市に接していて、総面積の83%が山林・原野で占められている。
河津川の上流には、火山から流出した溶岩で形成された大滝などの滝が多数あり、一方、今井浜や菖蒲沢などの美しい海岸線にも恵まれている。

この自然に加えて、河津町には3つの観光資源がある。

1つ目は、河津川沿いに点在する7つの温泉群で、これを総称して河津温泉郷と呼ぶ。

2つ目は、町が「花の町、かわづ」とPRしているように、町域には早咲きで知られる河津桜をはじめ、1100種6000本のバラが咲く河津バガデル公園、かわづ花菖蒲園、かわづカーネンション見本園などの花の施設がある。

3つめは川端康成の名作・伊豆の踊り子の舞台であることだ。

湯ヶ島、天城峠を越えて下田に向かう旅芸人一座と道連れになった、孤独に悩む青年の淡い恋と旅情を描くこの物語は、彼が19歳のとき、伊豆旅行中に踊り子達と出会った実体験に基づき生まれた。

夕食・朝食とも食事処で取る。
夕食は先付け→前菜・・・といった順序で料理が並ぶ会席ではなく、魚介類が多い家庭的な料理が次々と供され、御飯も特に頼んだわけではないが、早めに持ってきてくれた(下戸なのでこれの方が有り難い)。

大きな金目鯛まるまる一匹の煮付けは、いかにも伊豆らしく、かつ美味しかった。

岩石を積んだ4~5人が一度に入れる大きさ。
周囲は天然林に囲まれて緑豊か、爽快な入浴が楽しめる。入浴時間帯は、上の岩風呂と同じ設定になっている。

福田屋の名物風呂。創業以来の榧風呂は本館の地下にあり、脱衣所から階段を降りると浴槽がある。
周囲の壁には模様が入った年代物の化粧タイルが貼られ、浴槽の内部が榧の造りになっていて、なんとも風情がある内湯だ。
泉質は、pH8.82のカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉で無色透明、きゅきゅ感がある。

風 呂

榧(かや)風呂

河津川河畔に咲き誇る河津桜。
河津桜は1955年、ここの河畔で町内の飯田勝美氏が花を咲かせている苗を見つけて、自宅に植え付け、後にこれが新種と判明した。普通の桜と大きく違うのが開花時期と開花期間で、2月上旬に開花し、約1ヶ月かけて満開となる。毎年100万人以上の観光客が押し寄せる。

施設名 : 福田家 (宿泊日2012.3.6)

19歳の川端康成が伊豆の旅の途中で体験した出来事をモチーフにした名作「伊豆の踊子」。

一方、少年期を湯ヶ島で暮らした井上靖は、ここで過ごした日々を題材に「しろばんば」などの自伝的小説を書いた。

この2人の有名な作家を偲ぶのに絶好な文学散策路が、湯ヶ島の名瀑・浄連の滝から、旧道の天城峠を越え、河津七滝(かわづななだる)を経て湯ヶ野温泉にいたる「伊豆の踊子ハイキングコース」だ。
浄連の滝から20km、天城峠からは10kmだ。

高校時代、文芸部に所属し、夏休みに部の仲間と共にこのルートを辿った。
また、当時、この高校に井上靖の息子が後輩で通学しており、彼に頼んでお父さんの随筆を部で発行している雑誌向けに頼んだ。
この原稿は、今も高校の宝物として保管されているだろう。

夕 食

食 事

元々露天風呂だったのを後でガラスで囲んだような黒い石を敷いた岩風呂で、小さいながらも重厚感がある。2個のカランもついている。
男女別に交替又は貸切となるが、時間帯は上の榧風呂の裏返しで、貸切時間帯は同じ。

天城峠(標高830m)の南、河津町の山側から相模湾に向かって流れる河津川沿いに、大滝・七滝・湯ヶ野・・谷津・今井浜・河津浜の7つの温泉地が点在している。
これらを総称して河津温泉郷と呼ぶ。

いずれも小さな温泉地だが、山里・渓流・海岸と周囲の自然が異なっている。
河津温泉郷へは2つのルートがある。
一つは、東海岸沿いの国道135号線を南下し、伊東・稲取・熱川温泉等を通過するルート。

ニつ目は、三島方面から国道136・414号線で修善寺・嵯峨沢・湯ヶ島温泉等を通過し天城越えをするルートだ。
後者のルートを取った場合、天城峠を越え、ループ橋を通過すると間もなく、右手に湯ヶ島温泉が見えてくる。

宿が4軒ほどの小さな温泉地なので、気をつけないとあっという間に通り過ぎてしまう。
国道414号右手、信号機脇に立つ立体的な湯ヶ野温泉と書かれた看板が目印だ。

所在地 : 賀茂郡河津町

福田家は日本秘湯を守る会の宿。

朝 食

伊豆らしく鯵の干物やイカの刺身、蒲鉾がついた美味しい朝食。

玄関・ロビー(写真左)の右手には、6回映画化された伊豆の踊子の初代~6代主演女優(田中絹代・美空ひばり・鰐淵晴子・吉永小百合・内藤洋子・山口百恵)の撮影風景写真が展示され(写真中央)、隣には資料展示室(写真右)もある。

住 所 静岡県賀茂郡河津町湯ヶ野236
電 話 0558-35-7201
交通機関 東京(東名高速)→厚木IC(厚木・小田原道路)→小田原(国道135号線)→伊東→湯ヶ野(約4時間)
東名高速・沼津IC(国道1・136・414号線)→三島・修善寺→湯ヶ野温泉(約3時間)
伊豆急行線河津駅より東海天城線バスで約15分、湯ヶ野下車徒歩3分
施 設(日帰り)
川端康成・伊豆の踊子展示室、ロビー、湯上り処(橋入口側にもある) 
駐車場(13台)
宿 泊 5室(内風呂付きBT2 T2 BT無し1)
泉 質 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(石膏泉)
源泉温度 62.5℃ 115リットル/分 pH8.82 無色・無味・無臭
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 10時~16時 (6月~9月は17時) 要予約
定休日 不定休(宿泊客が多い場合は使用不可の可能性有り)
入浴料金 露天風呂+岩風呂か榧風呂何れかで700円(50分)
露天風呂+岩風呂+榧風呂全部で1,000円(60分)
玄関ロビー+資料室見学100円
玄関ロビー+資料室+伊豆の踊り子の部屋見学200円
入浴施設 内風呂2 露天風呂1 (男女交代性及び時間帯によって貸切制)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 河津桜(早咲きで有名)、河津バガデル公園、かわづ花菖蒲園、かわづカーネンション見本園、河津七滝、今井浜海水浴場、浄蓮の滝、下田
お土産・食事 伊豆ネット参照
ワサビ、地元ニューサマーオレンジを使ったボデイソープ、シャンプー、天城の水
食事は温泉街入口で可能と思うが未確認
国道上に食事処点在。
近くの温泉 ・今井浜・河津浜・谷津・河津七滝・大滝・蓮台寺河内稲取熱川北川天城湯ヶ島温泉郷、松崎・堂ヶ島等多数
河津町HP
観光協会HP
河津旅館組合HP
河津桜HP
福田家HP
伊豆ネットHP
http://www.town.kawazu.shizuoka.jp/
http://www.kawazu-onsen.com/
http://www.kawazu-onsen.com/ryokan/top.htm
http://www.kawazuzakura.net/
http://izu-fukudaya.com/
http://izunet.jp/index.htm

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

大きな地図で見る

露天風呂

階段から見下ろす浴槽は2m四方の正方形。脱衣所から浴室に入るといきなり急傾斜な階段なので注意が必要。
榧風呂は24時間入浴可能だが、男女交替・貸切と小まめに変わる。
女性:16時~17:30 男性:17時30分~19時 貸切:19時~翌朝6時 女性:6~7時 男性7~8時 貸切:8~10時

共同浴場から見た福田家。ここから踊子の少女が裸のままで浴場から飛び出して、無邪気に「私」に手を振った。

福田家は創業が明治12年(1879年)、130年を越える歴史を持つ老舗の宿で、木造2階建ての本館はこの年の建築だ。

部屋は僅かに5室(BT2、T2、BT無し1)で、宿泊料金は、曜日に関係なく12、750円~21,150円 消費税・入湯税を含むー2012年8月5日現在)だ。

福田家は、川端康成が滞在したことで知られている。
電話で空き室を照会したところ、見晴らしが一番良く、小説上の主人公の学生(私)が宿泊した(ことになっている)「踊子の1」が空いていたのでこれを予約した。

当日、チェックインしてすぐに、小説で登場する共同浴場の存在を聞いたら、「ウチの反対側の河岸正面にあります。地元の人専用ですが、浴衣を着て行けば入れます」との返事。

「じもせん(地元専用)に入れる!」と欣喜雀躍、福田屋の風呂にも入らずに、橋を渡ってすぐ右手の共同浴場に駆けつけた。

天城峠から南へ数キロ、河津七滝ループ橋を一気に45m下ると間もなく湯ヶ島温泉だ。

踊子の顔が乗った案内板を右折すれば(天城方面から)到着。

河津川沿い、宿泊した福田家の対岸に僅かな旅館と地元住民専用の共同浴場(手前中央3階建)た並ぶ。

湯ヶ野温泉福田家で見た川端康成氏と吉永小百合さんの写真。伊豆の踊子は、これまでに6本映画化された。

開花・満開時期が年によって狂い、桜祭り主催者・観光客泣かせの品種だ。

飯田氏が発見し、自宅に植えた河津桜の原木。初開花を待って氏は永眠された。

部屋は窓枠にいたるまで木造。窓からは木造の橋、下を流れる河津川の瀬音が響いてくる。

広縁は右側にも続き、眺望が広がって、外光がたっぷり入って来る。ハイカーがたくさんこの部屋の前を通った。

8畳の床の間付きの和室は、調度を含めて大正・昭和初期の雰囲気。

温泉名 : 湯ヶ島温泉

左手少し奥に福田家の駐車場がある。

河津川を跨ぐ橋を渡った先の木造2階建の福田家。正面2階の部屋が泊まった「踊子の1」。

岩風呂

湯ヶ島でも河津桜が満開になっていた。
ここが伊豆の踊子ハイキングコースの終点、対岸に渡った福田家の右手に伊豆の踊子文学碑が建つ。

湯ヶ野温泉 福田家 (静岡県)

「小川のほとりにある共同浴場の横の橋を渡った。橋の向こうは温泉宿の庭だった・伊豆の踊子 より」。右は福田屋の庭先に立つ踊子の銅像。