温泉名 :武田尾(たけだお)温泉

対岸に旅館3軒(上記)が見える。

紅葉館の名の由来が一目瞭然。

瀟洒な木造平屋建で全室が離れ。

武田尾温泉 紅葉館 別庭あざれ(兵庫県)

施設名 : 紅葉館 別庭あざれ (入浴日:2011.11.21)

宝塚歌劇団で知られる宝塚市は京阪神間の高級住宅地の一つであるが、年間900万人近い観光客が訪れる。市域には都会型の宝塚温泉と秘湯の雰囲気も漂う武田尾温泉があり、今回は後者の高級旅館で源泉掛け流しの「紅葉館 別庭あざれ」に立寄った。
因みに、あざれは
azalée 、フランス語でつつじのことだ。

前回は桜の時期、今回は紅葉がピークの11月21日、武庫川沿いの遊歩道がハイカーで賑わっていた。

有馬温泉で大学時代のクラス会が催され、車で向かう途中に立寄ったのが武田尾温泉の「紅葉館 別庭あざれ」。
途中の立寄り候補を探して何気なくガイドブックを見ていたら、中国道を挟んで有馬温泉の北側にある武田尾温泉の高級旅館が掛け流し、かつ日帰り入浴が可能だったので、有馬温泉の旅館立寄りを捨てて紅葉館へ行くことにした。

折から、紅葉館の周辺ばかりでなく、旅館3軒が軒を連ねる武庫川対岸も紅葉が見事に真っ盛り、これを見て宿名の由来が容易に推察できた。

別邸でなくて別庭だが、何れにしても本館がある様なネーミングが気になって少し調べてみた。
分かったのは、2004年の台風23号により紅葉館は床上浸水となって壊滅的な被害に遭って、4年ほど休業していたこと。
その間に再建に取り掛かり、昔あった所から高い場所に「別庭 あざれ」を新築、2008年12月にオープンした。


館内は宿泊料金が34,000円~とガイドブックに掲載されている通りの高級感が漂っている。
(紅葉館のHPのプランを見ると24,000円のプラン有り・・・2012年5月現在)。
客室はすべて離れで、半露天風呂付きの和洋室8室(BT)と洋室4室(BT)がある。


通常、この料金だと日帰り入浴は受け付けない宿が多いが、湯量が豊富なこともあるのだろうか、紅葉館は日帰り入浴の詳細がHPに掲載されており、これを積極的に受け入れていることが分かる。
但し、入浴のみで1800円と高額(バスタオル無料)、日帰り入浴時間は午前11時~午後3時となっている。

所在地 : 宝塚市 
住  所 兵庫県宝塚市玉瀬イヅリハ1-47
電  話 0797-91-0131
交通機関 中国自動車道宝塚ICから18km(最後の数キロが隘路)
JR福知山線(宝塚線)武田尾駅から徒歩5分
施  設(日帰り) ロビー、駐車場(50台)
宿  泊 12室 (和洋室BT半露天風呂付き8室、洋室BT半露天風呂付き4室)
宿泊料金は24,000円~(2012年5月現在・・・詳細最新情報は下記HP参照ください)
外来入浴時間 午前11時~午後3時(予約不要)
定休日 不定休
泉 質 含弱放射能ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉
(源泉温度29.6℃ pH8.0 410リットル/分 無色澄明微硫化水素臭)
入浴料金 平日 大人 1800円 (タオル付)
入浴施設 内湯男1女1 露天風呂男1女1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 宝塚歌劇、鉄斎美術館、手塚治虫記念館、阪神競馬場、宝塚ガーデンフィールズ、中山寺、清荒神清澄寺、六甲山、神戸
お土産・食事 予約すれば昼食可(詳細はHP参照)
近くの温泉 有馬温泉、宝塚温泉石道温泉、伏尾温泉、箕面温泉
宝塚市HP
観光協会HP
紅葉館HP
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/
http://www.kanko-takarazuka.jp/
http://www.takedao-onsen.jp/index.html
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

宝塚市は、兵庫県南東部の阪神間に位置し、市街地から大阪・神戸へ電車で30分ほどの距離にある。

市域は南北に細長く、西は六甲山系、北は長尾山系に囲まれて、中心部を兵庫県篠山市真南条地区付近に源を発する武庫川(むこがわ)が流れている。
住宅街の南部には、仁川、逆瀬川、雲雀丘などの閑静な高級住宅街があり、一方北部には田園地帯や浅い山里が広がっている。
塚はもともと「盛り土をした墓=古墳」を意味し、市域には古墳が多いが、宝塚と呼ばれる古墳は未だ特定されていない。

宝塚には年間約900万人もの観光客が訪れる。
(宝塚)歌劇と温泉の町(宝塚温泉・武田尾温泉)として知られ、これ以外にも安産祈願の中山寺やかまどの神様である清荒神清澄寺等の寺社仏閣が多数ある。
また、阪神競馬場やゴルフ場などのレジャー施設も充実、市外から訪れる人も多い。

源流部では小川の武庫川だが、谷筋を流れながら周辺の山々から流れ出る小川を集めて次第に大きくなり、三田盆地を抜け武庫川渓谷まで来ると水量も増し、とても2級河川とは思えない川幅となる。

その武庫川渓谷の右岸(西宮市)に3軒(マルキ旅館、河鹿荘、武田尾温泉元湯)、左岸(宝塚市)に1軒(紅葉館 別庭あざれ)の小さな温泉宿があり、これを纏めて武田尾温泉と呼ぶ。
たった4軒の宿なのに2市に跨るケースは珍しい。

武田尾温泉の歴史は比較的古く、寛永18年(1641年)豊臣方の落ち武者であった武田尾直蔵が薪拾いの際に発見した湯と伝えられ、地名もそこから来ている。
4軒の宿の内、明治時代創業が2軒、大正時代が1軒あるのも歴史を感じさせる。
読んでいないが水上勉の小説「櫻守」の舞台にもなったそうだ。

いまなお秘湯の雰囲気を残している武田尾温泉だが、宝塚市街から車を利用して15分ほど、電車だとJR福知山(宝塚)線武田尾駅から徒歩5分と交通至便な場所に位置している。

前方200mほど先の旅館3軒へ続く左側の道はすれ違いが出来なく、ガードレールも無いのでかなりスリリング。紅葉館は右手の道を進む。

高級感が漂うロビー周辺。武庫川を挟んだ対岸の紅葉が見事だった。


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清潔な化粧台、日帰り入浴を意識していると思われる縦長のロッカーも配置されている。

豪壮な浴室内の柱と梁

1800円取るのだから、バスタオル無料貸与は当然だろう。


内湯は10人が一度に入れる中規模の石板造りの端正な浴槽。切り口が3ヶ所にあって、そこから湯が流れ出るようになっていて、浴室の床には流れ落ちない構造になっている。
浸かりながら対岸の紅葉が眺められた。

内湯の手前にある小さ目の露天風呂だが、眺望が素晴らしい。泉質は含弱放射能ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(pH8.0、410リットル/分、微硫化水素臭、源泉温度29.6℃を加温して掛け流し)。細かな湯の華が舞っていた。

武庫川を挟んで右岸(写真左側)が西宮市、左岸(写真右側)が宝塚市。