施設名 : かんぽの宿有馬 (宿泊日:2007.12.7)(平日2人1室1人14,500円) 
かんぽの宿有馬は、その名が示すとおり公共の宿らしく(日本郵政は完全民営化の途中なので公共の宿かどうか微妙)、少々情緒に欠ける機能本位の館内だが、温泉は有馬では数少ない掛け流し(加水)、それも有馬が誇る赤茶色の金泉掛け流しだ。
大阪・神戸の奥座敷として、宿泊料金が少々高目設定の宿が多い中で、リーズナブルな値段で泊まれるのも魅力だ。
日本郵政が保有するかんぽの宿70軒の中で 「かんぽの宿赤穂」と並んで数少ない黒字の宿であることが肯ける。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
神戸市は海と山の迫る細長い市街地を持ち、水深の深い良港・神戸港を有しており日本を代表する港町だ。
神戸は、慶応3年(1868年)に開港し世界に向かって門戸を広げ、各国の人達がここに移り住んだ。

現在150万人を超える大都市となった神戸市だが、今も異国文化の香りがそこここに漂う。
外国人が港近辺から移り住んだ北野には沢山の異人館が現存し、元町周辺にかけて洒落た店舗・洋食・洋菓子の老舗や中華街が点在し、華やかなファッションの発信都市でもある。

一方、山の手には関西有数の名湯・有馬温泉、アーバンリゾートの先駆けである六甲、浜手には酒どころ灘、風光明媚な須磨の海が広がる。

このように、神戸と言えば華やかな都市をイメージするが、実際は山林が多く、北区の裏六甲より北の農村部の方がはるかに面積が広い。
温泉街の中心、ループ(循環)バスも走っている。
温泉名 : 有馬温泉 
有馬温泉は六甲山(931m)の北側山麓に位置し、日本三名泉(有馬・草津下呂)・日本三古泉(有馬・白浜道後)の両方に名を連ねる歴史ある名湯だ。
また、清少納言の枕草紙117段に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」ともある。

舒明天皇が西暦631年(舒明3年)、有馬の地に3ヶ月も行幸されていたことが古事記に記されているし、日本書紀にもその名が登場してくる。
藤原道長や豊臣秀吉もここで湯治をした記録が残っている。

現在の有馬温泉は、旅館・ホテルが25軒ほど、近代的なホテル・大旅館から小粋な和風旅館まで幅広い選択が出来るが、料金は概して高額設定である。

温泉街は昔ながらのレトロな温泉情緒を漂わす一方で、バブル崩壊・神戸大震災を経て、団体旅行から個人・家族・グループ旅行への変化に対応した街造りや旅館・店舗造りが進んでいる。
所在地 : 神戸市北区
温泉街風景
「ねね橋」の袂に大きな店舗を構える「三津森」は有馬名物・炭酸せんべい発祥の老舗だ。
オーナーのY君は大学時代の友人。彼の結婚式前日、東京から駆けつけたK君(後に某都市銀行頭取)、S君(当時大手広告会社)と私はここに一泊、徹夜マージャンをして、翌日の式・披露宴に臨んだ。(若かったな〜 みんな)


大阪・神戸からは1時間〜30分、両大都市の奥座敷として栄えてきた有馬温泉だが、大型旅館・ホテルが多く団体客を積極的に受け入れていた。
その後のバブル崩壊、さらに神戸淡路大震災の追い討ちで客足を減らし続けてきた。

Y君は、人気の宿・陶湶御所坊の社長などとともに新有馬温泉に向けて改革の旗を振っている。
赤茶色の温泉(金泉)の天神泉源
炭酸のシュワー感がする炭酸泉源
ねね橋から見る温泉街
昔ながらの情緒漂うレトロな一角
有馬温泉 かんぽの宿有馬 (兵庫県)
   
元町の中華街
江戸時代以来の華やかな有馬筆
急傾斜の階段が続く有馬稲荷神社
知名度・旅館の質量・集客力・歴史等の視点から、関西の三大温泉と言えば、白浜温泉・城崎温泉そして有馬温泉だろう。
前の2ヶ所は合せて5回の宿泊をしているが、有馬温泉はこれまでにゼロ。
最大の理由は、距離的に近く、ここ1泊だけでは旅行気分になり難いと思っていたからだ。
されど、日本三名湯・三古湯の有馬温泉をいつまでも放置しておくのは落ち着かない。
そこで、これまた泊まっていなかった美作三湯の一つ湯原温泉(岡山県)と組み合わせて出かけることにした。

有馬温泉の宿選び、ここは掛け流しの宿が以外に少ない。
評判の高い陶湶御所坊の他数軒、それにここかんぽの宿有馬が浮かび上がった。
本来は陶湶御所坊に泊まりたかったが、駐車場が離れていて、いつもの通りの愛犬同行には不向き。
最終的に宿泊料金が一番安いかんぽの宿有馬に決めた。(冬グルメプラン@14,500円)

宿は北側の小高い所にあって、温泉街までは、行きは下りなので7〜8分、帰りは上りなので10数分かかる。
外観はいかにも公共の宿らしい素っ気無い設計だが、部屋数が53室(T付一部BT)もあるので横に伸びた7階建ての建物は堂々たるものだ。
堂々たる外観
広いが少々安っぽいロビー
館内ロビー周辺は広いが、なんとなく野暮ったい。しかしちょっとしたシティホテルレベルまでトレーニングされたフロントのお嬢さんは、笑みを浮かべテキパキした応対で感じがよい。
割り当てられた部屋は311号室、広縁(奥行きは無い)とトイレがついたシンプルな8畳和室だ。
日本旅館のような無駄なスペースが無いのでやや狭く感じられるが、それでも2人なら充分だ。

宿泊料金は、3種類のプランから選択するシステムになっていて、2人1室で13,500円、14,500円、17,500円(2008年9月現在)。曜日・シーズンによって加算されるので詳しくは下記のHPを参照ください。
住  所 兵庫県神戸市北区有馬町1617−1
電  話 078−904−0951
交通機関 中国自動車道西宮北ICから県道97号線で約7km
その外、芦屋から芦有ドライブウェイ、御影から表六甲道路・裏六甲道路等多数
 
神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩20分 タクシー3分
施  設(日帰り) ロビー駐車場(94台)
宿  泊 53室(T付 一部BT)
宿泊料金は、3種類のプランから選択するシステムになっていて、2人1室で13,500円、14,500円、17,500円(2008年9月現在)。曜日・シーズンなどによって加算されるので詳しくは下記のHPを参照ください。
外来入浴時間 10時30分〜20時(予約不要)
定休日 不定休
泉 質 含鉄ーナトリウムー塩化物強塩(高温)泉 (96.2℃)
入浴料金 平日 大人 700円  日曜・祭日・特定日 大人1000円
入浴施設 内湯男1女1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 有馬温泉街(太閤の湯殿館、源泉巡り、温泉寺等)、六甲山
お土産・食事 炭酸せんべい温泉街に土産物屋・食事処多し
近くの温泉 武田尾温泉、宝塚温泉
有馬町HP
観光協会HP
かんぽの宿有馬HP
http://www.arima-onsen.com/
http://www.arima-onsen.com/
http://www.kanponoyado.japanpost.jp/yado/arima/
雑記帳 今回の有馬で久しぶりの1日5湯を達成した(あまり普通の人には自慢できないが・・)!
先ずはかんぽの宿有馬にチェックインする前に、家内を車に待たせて2回目となる「陶湶御所坊」で入浴。宿にチェックインしてすぐに内湯に駆けつけて撮影・入浴。

それから1人で坂道を急ぎ下って10分、サイト温泉仲間から教えていただいた「上大坊」の激熱の風呂で入浴。
続いて近くの共同浴場で金泉掛け流しの「金の湯」。
いつもならここでギブアップだが、「もう一湯」の精神を久しぶりに発揮、刺激の強い金泉4ヶ所でダウン寸前の自分を叱咤激励、銀の湯の暖簾をくぐった。
ここは循環で入浴する価値が無い、もう止めておけ、という囁きを封じ、見事5ヶ所を達成。
その達成感で昂揚し、帰りの坂道をなんなく上って宿に戻った。
8畳和室
風 呂
料 理
朝食は和食を中心としたバイキング。パン食にあった料理が貧弱。
前菜(あんきも豆富・季節物五種盛)
造り(平目・寒鰤・烏賊他)
豆乳蒸し鼈甲あんかけ
銀ムツソース庵かけ
ボリュームがある神戸牛しゃぶしゃぶ(カニスキフグチリも選択可)
夕食は広間かレストランとなるが、足腰に支障がある我々は予約時に椅子席のレストランを頼んだ。

夕食は予期せぬほど満足感が高かった。
料理の品数が多くないが高級食材が使用されており、一品ごとにサーブされ、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくして供された。
朝食はレストランでのバイキング、ただしパン食の料理が貧弱だったのが残念だった。
写真は夕食の一部。
有馬温泉と言えば、赤茶色の「金泉」が売り物だが、ここはそれの自家源泉を有している。

源泉名を「愛宕山泉」と言い、泉質は「含鉄ーナトリウムー塩化物強塩(高温)泉」だ。口に含むと非常に強い塩味がする。
96℃と非常に熱い高温泉のため、加水して掛け流しにしている。
露天風呂は無く、内湯のみ。
その内湯は、10人ほどが一度に入れるほどの規模で、部屋数からすればそれほど大きくない。
しかし、3回入浴したが、何れの時も2、3人しか先客がおらず、混みあうことはなかった。
平日で、宿泊客が少なかったのだろうか。
日帰り入浴は10時30分〜20時(受付終了)と長く、入浴料金は平日で大人700円、日曜・祝日などは1000円になるが、何れも予約は不要だ。

記述の通り有馬温泉はその規模に対し、湯量が不足気味で掛け流しの宿が少ない。
まして、金泉掛け流し、その上、日帰り入浴OKとなるとごく限られてくる。
その意味で、ここはとても貴重な存在と言える。
浴室には7〜8種類のシャンプー類が並び壮観。家内がこれまでで一番多かったと驚き喜んでいた。
上大坊(掛け流し)
銀の湯
金の湯(掛け流し)
陶湶御所坊(掛け流し、ここは改訂記事準備中)
●この日に立ち寄った宿・日帰り施設は下の写真の通り4ヶ所。
1ヶ所はチェックイン前に、3ヶ所はチェックイン後、急勾配の坂道を上り下りして温泉街の中心に向かい、汗が引く間もなく慌しい入浴を続けた。(写真をクリックするとそれぞれの宿・施設の記事へ)