奥津温泉花美人の里は、ダム建設に伴う地域振興対策として、旧奥津町が38億円を投じて建設した日帰り温泉施設。箱物温泉施設という雰囲気で、温泉らしい温もりが感じられない。
住 所 | 苫田郡鏡野町奥津川西261 |
電 話 | 0868-52-0788 |
交通機関 | 中国自動車道院庄ICから国道179号線で約22km JR津山線津山駅から中鉄バス奥津温泉行きで約60分で終点下車 |
施 設(立ち寄り) | 食事処、喫茶、休憩室(有料・無料)、売店、温泉スタンド、駐車場 |
宿 泊 | 不可 |
泉 質 | アルカリ性単純温泉 |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
外来入浴時間 | 平日:10時~19時(最終受付18時) 土・日・祝:10時~20時(最終受付19時) |
定休日 | 無休(不定休) |
入浴料金 | 大人900円 小人400円 |
入浴施設 | 内湯:男女各1、露天風呂:男女各1、家族風呂4(1時間1500円) |
浴室備品 | シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー |
観光スポット | 奥津渓谷、奥津湖、森林公園、足踏洗濯(週末のみ)、岡山市(後楽園等)、倉敷 |
お土産・食事 | 温泉街すぐ近くの道の駅「奥津温泉ふるさと物産館」や花美人の里にて可 |
近くの温泉 | 般若寺温泉、大釣温泉、上斎原温泉、湯原温泉、 |
鏡野町HP 観光HP 花美人の里HP |
http://www.town.kagamino.lg.jp/ http://kanko.town.kagamino.lg.jp/ http://www.hanabijin.co.jp/ |
雑記帳 | 初めての1人旅は島根県の秘湯めぐり。最後に付録として奥津温泉の奥津荘の立ち寄り予定していたが、あいにく当日は日帰り入浴が休業(後日宿泊・・・追って掲載)。 止むを得ずすぐ近くのここ花美人の里で入浴した。 |
鏡野町は苫田郡唯一の町で岡山県の北西部にあり、南部は津山盆地の西端に位置し、北は鳥取県、東南は津山市、西は真庭市に接している。
中部から北部にかけては1000m以上の山岳があり、中国山地の一角をなしている。
人口が13,000人余り、2005年3月に鏡野町・奥津町の2町と2村が合併したが、町域全体に著しい過疎化が進んでいる。
市域を県下三大河川の一つ、吉井川が南北に縦貫し流域に平地が開けている。
その上流には、湯原温泉・湯郷温泉とともに美作三湯の一つ、奥津温泉が湯煙を上げている。
町の主な産業は、米・果樹・野菜などを中心とする農業と林業で、温泉、キャンプ場、スキー場などの観光資源も有する。
温泉の販売スタンド。ここの温泉はコーセが化粧品に使っていると宿の女将に聞いた。
施設正面、手前の回廊も瓦ぶき。料金900円は施設の規模から来る設定か。
予算を使い切らないといけない、という匂いがする館内。無料・有料の休憩所や食事処もある。
雰囲気に欠ける露天風呂。風呂は他に家族風呂が4ヶ所ある。
奥津温泉は美作三湯の中でもっとも俗化度が低い小さな温泉地で、民宿を含めてわずか8軒の宿が、吉井川を跨ぐ奥津橋の周辺に点在している。
江戸時代、津山藩主・森忠政がこの温泉を愛し、幾度となく湯治に訪れ、後に藩主の別荘もここに建設された。
忠政は、ふだんは浴室に鍵をかけさせて一般の入浴を禁じたので、この湯は「鍵湯」と呼ばれた。(現在の奥津荘)。
本格的な温泉旅館が建ち始めたのは大正時代からで、昭和に入って、歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻や版画家の棟方志功などの多くの文化人が訪れている。
直木賞作家・藤原審爾が、奥津温泉を舞台にした「秋津温泉」を著作。これが昭和37年に岡田 茉莉子がヒロインを演じて映画化されて、奥津温泉は一躍全国に知られることとなった。
現在の温泉は、地下150mから汲み上げる40℃を超えるアルカリ性単純温泉で、1分間に1000リットルの湯量を誇る。
アルカリ性なのでしっとりした優しい感触、奥津では美人の湯と宣伝している。
吉井川沿いの奥津温泉。右から奥津荘・東和楼・河鹿園。。
広い2つの浴槽。ここも行政施設らしい直線的なもの。泉質はアルカリ性単純温泉を加温・循環ろ過して使用している。
花美人の里は、奥津温泉の入口にあり、僅かな温泉宿がひっそり佇む奥津温泉には、ちょっと相応しくないハードにお金をかけた大きな日帰り施設だ。
行政施設特有の箱物設計で、広いスペースの使い道に困った様子が感じられ、館内に活気が感ぜられず閑散としており、第三セクターの雰囲気が漂う。
行政が関わった施設の裏付けを取ろうと思ってインターネットで検索したところ
「苫田ダム建設に伴う地域振興対策として、旧奥津町が総事業費38億円を投じて整備。39度のアルカリ性単純温泉を引き、1998年12月にオープンさせた(10年で入浴客100万人)。」
との記事が見つかった。
日帰り施設になんと38億円も投じている。この金額なら建物がやたらに大きく、ソフトが追いつかない状況になるわけだ。
風呂もお金をかけているのは分かるが、広い浴室の床も幾つもある風呂も石板を敷き詰めたもので、清潔感や端正さはあるものの、温泉の温もりを全く感じさせない無機質な雰囲気だ。
39℃前後の温い浴槽。
施設名 : 花美人の里 (入浴日:2010.4.21)