掛け湯。泉質は透明、源泉温度43℃のアルカリ性単純温泉でさっぱりした感触。

3人程度の露天風呂は、内湯から温泉が落されているので温度が低い。


出雲湯村温泉 湯乃上館漆仁の湯 (島根県)

隣の部屋とは襖の仕切り、一日2組しか予約を取らない素朴な宿「湯乃上館」(しおりさんの「秘境温泉 神秘の湯」参照)の外湯が漆仁の湯でガイドブックによっては「出雲湯村温泉の共同浴場」と紹介されている場合もある。
漆仁とは、上記の通り斐伊川の昔の呼び名である漆仁川に由来している。

斐伊川沿いのすれ違いが出来ない狭い道を200mほど走った先、洪水に備える為だろうか、高い石垣の上に木造2階建ての湯乃上館がある。看板が出ていなかったら民家と思って通り過ぎてしまう。
道を隔てた宿の前、川に迫り出すようにして、漆仁の湯の簡素な湯小屋が建つ。

当日は日曜日、多数の車が川沿いの狭い駐車場にひしめき、スペースを見つけるのに苦労した。
過疎の地域、途中、あまり人家を見なかったので、この車の多くは遠方から来ているのだろう。
自動販売機で支払う入浴料金は320円、銭湯並みだ。

初めての一人旅は島根県の秘湯へ。初日は出雲風土記にも登場する出雲湯村温泉の国民宿舎清嵐荘に宿泊し、対岸にあって共同浴場の雰囲気を持つ湯乃上館漆仁の湯に立ち寄った。

所在地 : 雲南(うんなん)市 

雲南(うんなん)市は、島根県の東部に位置し、松江市・出雲市に隣接し、南部は広島県に接している。
市の南部は毛無山(1062m)を頂点に中国山地に繋がり、北部は出雲平野に続いていることから標高差が大きくなっていて、総面積の大部分が林野である。

市内にはヤマタノオロチ伝説で知られる「斐伊川」が流れ、各地に神話や伝説が残り、数多くの遺跡や古墳が発掘されている。
こうした遺跡や神社の、地名の由来は「出雲国風土記」で辿ることが出来る。
その中でも有名な「加茂岩倉遺跡」は平成8年10月、農道の工事中に発見されたもので、大小39個の銅鐸が出土、平成20年には国宝に指定されている。

また。市域は異なるが、ここから直線で3kmほどの荒神谷で、銅剣358本(国宝)が一挙に発掘されて古代史学者を震撼させた。
これらの出土により、神話の国・出雲の古代に強力な勢力が存在したいたことが確実に裏付けられた。

因みに「雲南」という名称は中国の雲南省と同一だが、、旧国名「出雲」の南に位置する地方の意味として、明治以降に使用されたものである。

漆仁の湯の湯小屋、看板には「元湯入口」とあった。

爽快な湯上がり処

足湯

入浴を楽しみにしていた河原の露天風呂だが、斐伊川の水量が増えて水面下に没していた、無念。(せっとんさんの記事を参照ください)

10人位が入れる内湯から斐伊川が見下ろせる。当日は入浴客が多く風呂の全貌撮影できす。

施設名 : 湯乃上館漆仁の湯(ゆのうえかんしつにのゆ 入浴日:2010.4.18)

雲南市には、ここ出雲湯村温泉と海潮(うしお)温泉の2つの温泉がある。
両方とも旅館がわずか2軒の小さな温泉地だ。

出雲湯村温泉は、中国山地、斐伊川上流の静かな山里に位置する。
温泉名の頭に「出雲」がつくのは、有馬温泉と並んで兵庫県を代表する湯村温泉や山梨県甲府盆地の湯村温泉と区別をつける為だろう。

ここは1200年の歴史があり、出雲風土記の中にも「漆仁川(斐伊川)の川辺に薬湯が湧く」と記載されている。

斐伊川を挟んで、木次町に湯乃上館、吉田町側に国民宿舎清嵐荘が建ち、どちらも素朴な趣きの宿である。

この温泉の見所は、堤防2kmに渡って続くソメイヨシノの桜並木で、桜の名所100選にも指定されている。

住 所 島根県雲南市木次町湯村1336
電 話 0854-48-0513(湯乃上館)
交通機関 松江自動車道三刀屋木次ICから12km
JR木次線木次駅から雲南市民バス北原線槻屋行きで20分、湯村温泉下車徒歩5分
施 設(日帰り) 湯上処(野外)、駐車場(25台)
宿 泊 湯乃上館(1日2組 詳細は下記HP参照)
泉 質 アルカリ性単純温泉(泉温43℃ 240L/分)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 10時~21時
定休日 無休
入浴料金 大人320円 小学生130円 幼児70円 貸切内風呂(5名まで)50分1050円(入浴料別)
入浴施設 内風呂:男女別各1 露天風呂:男女別各1 貸切内風呂1
浴室備品 石鹸(シャンプー・リンス無し) ドライヤー ロッカー
観光スポット 鉄の歴史村、松江城、宍道湖、出雲大社、日御碕、観桜(斐伊川堤防桜並木)
お土産・食事 周辺に見かけなかった。
近くの温泉 海潮温泉、玉造温泉、出雲須佐温泉
雲南市HP
観光協会HP
湯乃上館HP
http://www.city.unnan.shimane.jp/
http://unnan-kankou-navi.com/
http://www.yunouekan.net/
温泉名 : 出雲湯村(いずもゆむら)温泉

奥出雲の船通山を源流とする出雲第一の大河・斐伊川(ひいかわ)は古事記にも登場し、境港市(鳥取県)と松江市(島根県)の境界から日本海に注ぐ。その上流にたった2軒の旅館があるだけの小さな温泉地・出雲湯村温泉が湯煙を上げている。写真左側に湯乃上館と外湯の漆仁の湯が見える。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

普通の民家のように見える湯乃上館(ゆのうえかん)。