食 事
施設名 : 鯉川(こいかわ)温泉旅館 (宿泊日:2008.6.26) 
所在地 : 磯谷郡蘭越(らんこし)町
温泉名 : ニセコ温泉郷 ニセコ昆布温泉 
ニセコ昆布温泉 鯉川温泉旅館 (北海道)
   
蘭越町は、後志支庁の南西部に位置し、周囲をニセコ連峰と羊蹄山に囲まれた盆地を形成していて、町の中央を道南最大の河川「尻別川」が東西に貫流し日本海に注いでいる。
その流域に広がる平坦地は肥沃で水田に適しており、ここで生産される米は蘭越米と呼ばれ特Aにランク付けされている。

気候は道内では比較的温暖ではあるが、冬は積雪量が多く特別豪雪地帯に指定されている。

町域には新見・湯本・薬師・湯本・昆布・昆布川など、ニセコ温泉郷を代表する温泉が湯煙を上げている。

蘭越町へは、JR函館温泉で札幌・函館からともに3時間程度、札幌から車では国道230号線と道道でニセコ町を経由して至る。

また、日本海の海岸線からは、ニセコ連峰を横断して洞爺湖へと走る岩内洞爺線(パノラマライン)が通じ、美しい山岳風景を楽しみながらドライブが出来る。。
ニセコ温泉郷のどこからも見える羊蹄山(1898m)は蝦夷富士とも呼ばれ、日本百名山の一つだ。
積丹・小樽とともに「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」を構成するニセコ連峰は、倶知安町側のニセコアンヌプリ(1,308m)から日本海の岩内町にある雷電岳(1211m)に至る全長25kmに及び、1000m級の山々が連なる。

JRニセコ駅の北、ニセコアンヌプリの裾野に広がるニセコ高原には、アスピリンスノーで知られるスキー場が4ヶ所あり、年間70万人のスキーヤーやスノーボーダーが訪れる。

近年、この地にはオーストラリアの資本が参入して国際化し、平成16年度には豪州人だけで延べ45,000人が滞在している。

また、羊蹄山を東に仰ぐ高原には、湯量豊かで個性的な温泉(宿)が点在しており、これらを纏めてニセコ温泉郷と呼称している。

ニセコ昆布温泉は、蘭越町とニセコ町を隔てるニセコアンベツ川の両側に7軒の宿・ホテルが点在している。
ニセコ連峰の主峰アンヌプリ。
もともとは温泉名の異なった7つの温泉がこの地にあったが、昭和5年に昆布温泉に統一、その後(当時)厚生省から蘭越町とニセコ町の温泉(ニセコ温泉郷)が国民保養温泉に指定される際にニセコ昆布温泉に変更された。

当時、宮川温泉と呼ばれていた温泉が、現在の鯉川温泉旅館の前身である。
創業が明治30年(1899年)で、100年以上の歴史を持つ。
昭和5年に行われた温泉人気投票で、昆布温泉が三霊泉に選ばれ、全道から鍋窯持参の当時客が馬車や雪そりでやって来たという。

鯉川温泉旅館は前を通る道道からダートの私道を100mほど奥に入った所にある。
水芭蕉やカタクリが可憐な花を咲かせる敷地の前面には池があり、その向こうに白壁の宿が水面に映ってとても美しい。
正面玄関に回ると寒気を防ぐための二重の入口には、日本秘湯を守る会のお馴染みの提灯がぶら下がっている。

館内に入ると外観とは異なり、今は行っていない湯治場の雰囲気が漂い、なんとなく心が休まる。

この方向からの宿はとても美しい。
風呂場への渡り廊下
瀟洒な外観に対し館内は素朴
駐車場のある正面玄関
客室は和室が16室、トイレ無しとガイドブックにあったが、案内された8畳の和室には最新式のシャワートイレが付いていた。(6月平日3人1室 一人8,000円(消費税別)
最近、トイレ付きの和室を設けたのだろう。


出迎えてくれたのはキリリとした女将、部屋の案内・夕食(部屋出し)もそうだった。女将以外にご子息だろうか、若い男性ともう一人の男性(ご主人だろうか)を見かけただけ。当日は宿泊客が少なかったこともあろうが、家族だけで切り盛りしているように感じられた。
簡素な8畳の和室に広縁が付く。
湯治場の雰囲気を残す洗面所
風 呂
右上とともで夕食5品・
しっかりした朝食
長期の旅行をすると、どこの宿でも供される10品を超える夕食が辛くなる。
「歳やコレステロール値を考えると料理の品数を少なくして、その代わりに料金を抑えてくれる宿はないだろうか」
そんな私の願望を完璧に満足させた夕食だった。
夕食の品数は5品、しかも海の幸の食材が中心なので、メタボの身にはとても嬉しかった。

特質すべきはご飯がとても美味しかったこと。普通なら一杯のご飯を2回もお替り。これは、料理の品数と上記した町の特産品で特Aにランクされる蘭越米のせいだった。
住 所 北海道磯谷郡蘭越町字湯の里592
電 話 0136−58−2111
交通機関 JRニセコ駅からニセコバス昆布温泉行きで20分 終点下車
施設(日帰り用) ロビー、駐車場(30台)
宿 泊 和室16室  8、550円〜10,650円
泉 質 ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉(65.8℃ pH6.5 弱甘味)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 外来入浴午前10時〜午後9時 (清掃時間は入れないので要確認)
定休日 年中無休
入浴料金 大人500円 
入浴施設 内湯男女別各1 露天風呂男女各1
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、 ロッカードライヤー
観光スポット スキー、登山・トレッキング、尻別川ラフティング、カヌー、大沼、神仙沼、長沼、大湯沼、ニセコ名水「甘露泉」、有島記念館
お土産・食事 館内で昼食・喫茶不可
近くの温泉 ニセコ温泉郷(ニセコ薬師、ニセコ湯本、ニセコ五色、新見、昆布川、ニセコ湯の里、ワイス、ニセコ東山等多数
蘭越町HP
観光協会HP
鯉川温泉旅館HP
温泉協会HP
http://www.town.rankoshi.hokkaido.jp/
http://www7.ocn.ne.jp/~kankou/
http://www.d1.dion.ne.jp/~koikawa/index2.html
http://www.konbuonsen.com/
雑記帳 ●ニセコ(ニセコアン)」とは、アイヌ語で「崖の下を流れる川」という意味。北海道にはアイヌ語を語源とする地名が多いが、その多くには漢字が当てられている。ニセコにも漢字表記があったが、これが定着せず今もカタカナで表示されている。

●海沿いの温泉でもないのに昆布温泉とは奇異に感じる。これは明治時代、漁民が尻別川上流に遡って漁をする際、道の目印に昆布を木に巻きつけていたことに由来する。温泉の近くには昆布駅がある。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
風呂は男女別の内湯とそれに続く露天風呂がある(24時間入浴可能)。
ガイドブックでは、「滝見の露天風呂」が紹介されているが、実際に入浴して感動したのは(男性用の)内湯だった。今どき見かけないタイルを敷いた浴室や風呂の縁に温泉の鉄分が付着して写真のような味わい深い趣を呈している。

温泉は見る角度や光線で茶色や緑に見え、それと混然一体となった浴室はなんとも美しい。昭和初期に建てらた浴室は、その後の年月が成し遂げた見事な造形美だ。
風呂は大小の浴槽が繋がっているが、これは混浴時代の名残だそうで、小さい方が女性用だったと思われる。
女性用は腰まで来る深さになっている。

開業時代の源泉は温度が低下して、35年ほど前に掘られた温泉が主として使われているようだ。
泉質は、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉で、露天風呂のみ浴槽の淀みを無くすためにミネラルを含んだ湧水を加水して掛け流しにしている。
タイル・浴槽の縁・温泉の色調が一体となって美しい
奥が昔の女性用で深い。
湯が表面張力で盛り上がっている。
いい色をしている湯口
湯が縁から流れ出している。
露天風呂へ続く。昔は女性用の入口?
タイルのボタン
アンティークな水のみ場
深い浴槽、温度はこちらの湯船の方が熱い。
時代物の湯上り処
滝見の露天風呂(男性用)、夜は満天の星。
流れ出る温泉
女性用内湯。男性用より新しい。
女性用露天風呂。男性用より景観に優れる。
ニセコ温泉郷は湯量豊富、掛け流しの風呂を持つ個性的な宿が多く(温泉好きには堪えられない)、どこに泊まるか散々に迷った。
最終的には、温泉サイト仲間の推薦、滝見の露天風呂(実際は内湯も素晴らしかった)、低料金等に魅かれて鯉川温泉旅館に予約を入れた。
結果は大正解、館内の造りこそ年季が行ってるが、こんな料金でいいのだろうか、と何だか申し訳ない気分になった。


いつもは家内の宿の条件を考慮して、もう少し設備の良い宿に泊まっているが、全国には低料金で泊まれるこんな宿がまだ沢山有るのだろうな、と思いが及んだ
1000m級の山々が25kに及ぶニセコ連峰。東に羊蹄山、主峰アンヌプリの南麓、スキーのメッカとして知られるニセコ高原には湯量豊富な温泉が点在する。日本百名湯・ニセコ温泉郷である。
その中の一つ、ニセコ昆布温泉の老舗・鯉川温泉旅館に宿泊した。