奥美利河温泉 山の家 (北海道) 
   

全国の温泉を巡っておられる「さすらい人」さんから教えていただいた秘湯・奥美利河温泉山の家。透明度抜群の温めの温泉が満たされた内湯そして大きな混浴露天風呂、ともに素晴らしかった。

3人すべて異なった昼食を注文、特別に作ってくれた山菜のテンプラが美味だった。

所在地 : 瀬棚郡今金(いまかね)町

今金町は北海道南西部、檜山支庁北部にある町で、明治26年、今村藤次郎・金森石郎らが入植し、今日の町の基礎を築いた。
今金町の町名は、この二人の姓の冠字を取ったものだ。

道央自動車道・国縫インターチェンジより美利河峠を越えてすぐの所に、美利河ダムがある。
このダムは、かっては日本一の清流に認定されたこともある後志利別川をせき止めたものだ。

ここには全長2km、日本一長い魚道が設置された結果、魚類が順調に遡上し、水質も大きな変化は来していないという。
ダム周辺はスキー場・公園なども整備されて、日帰り施設の美利河温泉(クアプラザ美利河)もある。

町の特産として、今金男爵と呼ばれるジャガイモイモが知られている。


データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 北海道瀬棚郡今金町字美利河352
電 話 0137−83−7111(クアプラザピリカ)
交通機関 道央道国縫ICから約25km
JR函館本線長万部駅から函館バス北桧山・瀬棚方面行で40分、クアプラザピリカ前下車。
ここから宿泊客の場合は送迎あり。(日帰り客はマイカーで)
施設(日帰り用) 食堂兼無料休憩所、駐車場20台 
宿 泊 4室とバンガロー2棟 2食付き5,557円〜(2008年10月現在)
泉 質 単純泉(今金町のHPでは、食塩泉と表示されている) 泉温37.8℃ 200リットル/分
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 午前8時〜午後7時
定休日 営業期間中(4月末〜10月末)は無休
入浴料金 大人300円 
入浴施設 内湯男女別各1 混浴露天風呂1 
浴室備品 チェックを忘れたがシャンプー・ボデイソープ・ロッカードライヤー等は無かったように思う。
観光スポット 不詳
お土産・食事 館内で昼食可能
近くの温泉 今金町町域内の他の日帰り施設:クアプラザ ピリカ稲川温泉休憩所、あったからんど
今金町HP http://www.town.imakane.lg.jp/
雑記帳 今回の6泊7日で入浴した17か所で、アクセス的に最も秘湯度が高い施設だった。
それに奥美利河(オクピリカ)という名前もいかにも北海道らしくて良い。
紹介くださったさすらい人さんに感謝いたします。
右側が男性、左側が女性用出入口

この風呂には湯抜きがなく、年中、湧水のように温泉が注がれ、自然に入れ替わってゆく。

温泉は透明だが、風呂が大きく、凹凸もあるので女性でも比較的入浴しやすいだろう。

施設名 : 山の家  (入浴日:2008.6.27) 

ここは冬季は閉鎖され、4月末のゴールデンウイークから10月いっぱいの営業で、電話も無ければテレビも見られない。
4室の客室とバンガロー2棟(2食付で5,500円程度〜)の予約や各種照会などは、国道沿い、美利河ダム湖畔にある姉妹施設「クアプラザピリカ」で受け付けている。

宿泊棟では、カレーライスやソバなどの軽食が可能で、私たちもここで昼食を取った。
管理人さんに入浴料金300円を支払って湯小屋に引き返す。
入口は男女別、更衣室も別になっていて、内湯も男女別にある。

ここはとかく露天風呂に目が向くが、この内湯がとても良い。
中規模の木枠の風呂の底には小石が敷かれ、半身浴が出来るように大きめの石も置かれている。

内湯に満たされる温泉は、湯量が豊富で毎分200リットルに達する。
泉質は肌に刺激がないやさしい単純泉、湯温が37.8℃でこれが加水・加温無しで注がれる。

7,8人が入れる内湯は、そこに小石が敷かれ、半身浴が出来るように大きめの石も置かれている。

温泉名 : 奥美利河(おくぴりか)温泉 

手前が湯小屋、前方の高台にあるのが宿泊棟。露天風呂は宿泊棟に向かう途中の左手にあり丸見えだ。

奥美利河温泉、ここは全国の名湯・秘湯を巡っておられる「さすらい人」さんに教えていただくまで全く知らない温泉だった。
ご推薦いただいて、早速、縮尺の小さな地図で所在地を確認したところ、かなりの秘湯と判断、同時に隘路をぬって進まなければならないだろうと覚悟した。


この日、前日宿泊したニセコ昆布温泉を出発、国道5号線に乗って南下、長万部を通り過ぎて間もなく交差する国道230号線に乗り換えて約10km余り、美利河ダム湖に到着した。
そこから999号線というすごいナンバーの道道に乗り換えて11km先の目的地に向かった。
途中「熊すべりの磐」と呼ばれる断崖下も通過したが、片側が崖の部分がほとんどなく、隘路ではあるが、手に汗握る緊張は強いられなかった。

とは言え、いきなり視界が開け、目の前に広い駐車場が現れて、その先に目指してきた山の家のログハウスが見えた時は、正直ホッとした。

当然、風呂の温度はこれより低くなり、6月で35℃程度に感じられ、ぬる湯好きの自分にはなんとも快かった。

特筆すべきは温泉の透明度で、風呂の底の小石がくっきりと見通せ、九州・鹿児島県の湯川内温泉・かじか荘の足元湧出風呂を思い出した。

露天風呂へは男女別の扉があるが、これを開けると手前部分に男女を分ける仕切りがあるものの、その先は池のような大きな露天風呂が広がっていて、完全な混浴になっている。

ここの温泉も同様に透明度が高く、内湯と同じように風呂の底に敷き詰められたう石が陰影なくくっきりと見通せる。

温度は内湯よりさらに低いが、冷たいと感じるほどではなく、原生林に囲まれた緑一色の中、燦々と輝く太陽を浴び、6月の爽やかな涼風を肌に受けながらの入浴はなんとも心地よかった。
時間が許せば1時間でも2時間でも逆上せることなく浸かっていられただろう。

奥美利河温泉に向かう途中の景勝地・熊すべりの磐

道道999号線との分岐点に掛けられた交通標識。さあこれからだと身を引き締める。