再訪・改訂版

 甲賀忍びの宿 宮乃温泉 (滋賀県)

忍者と信楽焼の里、なだらかな丘陵に囲まれたのどかな甲賀の田園地帯に,明治33年創業の老舗旅館 「甲賀忍びの宿 宮乃温泉」がひっそりと佇んでいる。湯巡りを初めて間もなく日帰り入浴したこの宿を15年ぶりに訪れた。

4mx2m位、4〜5人規模、幅広く分厚い檜(?)板で縁取られた内湯は風情がある。男性用のこちらは「(猿飛)佐助の湯」、女性用は「くの一の湯」。写真下の左側出入り口から露天風呂へ出る。

甲賀市は滋賀県の南部に位置し、東から南にかけ三重県、南から西に向けて京都府と境を接する。
旧甲賀郡の5町が合併して誕生したが、全国的には甲賀忍者と信楽焼の地として知られている。

市の北部を東海道が横断していて、江戸時代、市域にはと土山宿(49番)と水口宿(50番)が置かれていた。

「甲賀」の発音は、「こうか」と「こうが」の2通りがあるが、我々には「こうが」がなじみ深い。
しかし、上記合併の際に、地元民の投票の結果、甲賀郡(こうかぐん)の発音を引き継いで「こうかし」に決定した。


市の南、信楽丘陵を越えると三重県の伊賀市になるが、ここも忍者の里として売り出しており、両方に忍者屋敷がある

甲南町は、北に水口丘陵、南は鈴鹿山脈南麓と信楽丘陵に抱かれた穏やかな田園風景の中にある町である。

町の西側には、国道307号で繋がれた信楽町があり、ここは
日本六古窯(瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前)の一つである信楽焼の地である。

のどかな田園風景の中にある小さな旅館に相応しい素朴なフロントとロビー周辺。

あまり知られていないこの温泉に行ったきっかけは、我が家から1時間弱の距離の信楽によく出かけていて、その方面の地図を見ていたらこの温泉名を見つけたことによる。

その際、都道府県別の温泉ガイドブック「まっぷる温泉&やど(関西版)」で、一軒宿の「甲賀忍びの宿 宮乃温泉」をチェックしたところ、立ち寄り湯が可能なことを知って家内とともに出かけた。

少々分かり難いところにあったが、南甲賀の小さな村落、のんびりした田園風景の中に小さな旅館がひっそりとたたずんでいた。
これが2001年8月のことである


それから16年後の今年、2人とも病を抱えてるため湯巡りの遠出を控え、代わりに地元関西圏の県庁所在地での(シティ)ホテル連泊を始め、その一環として、滋賀県では、びわ湖大津プリンスホテルに連泊。
その帰途、16年ぶりに宮乃温泉を再訪することとなった。

すぐ近くの信楽で焼かれた陶器風呂が2個置かれた露天風呂。温泉は少々元気がない。右はデフォルメされた蛙の給湯口。

手作り感が漂う民芸調の館内

温泉名 : 宮乃(みやの)温泉

信楽(しがらき)焼は日本六古窯(瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前)の一つである。日本六古窯とは、いずれも平安時代末期から室町時代にかけて陶器を生産開始して、今日に至るまで継続している陶器産地である。
国道307号線で信楽町に入ると、数キロにわたり窯元や陶器店が次から次と目に飛び込んでくる。多くの店の前には信楽焼のシンボルであるタヌキが並べられている。
小さなものは10cmくらいから優に5メートル以上のものまで大小様々、表情もいろいろで、これらを見ているだけで心が和む。

室町・桃山時代から茶道の器として愛用されてきた信楽焼は、素朴で人肌のぬくもりを感じさせる焼き物で、数多くある店では花器、花瓶、鉢、湯呑み、コーヒーカップ、食器皿など様々なものを手ごろな値段で販売している。渋い色合いと厚手の陶器は、花も料理もコーヒーも引き立つ。毎年4月上旬には陶器祭りが開催され大変な賑わいとなる。

所在地 : 甲賀(こうか)市甲南町

創業が明治33年、100年以上前、初代喜兵衛が夢枕に立った神様のお告げで神社のふもとの岩を持ち上げると、そこからこんこんと霊泉が湧き出てたという、謂われがある老舗の宿だ。

16年ぶりの再訪、外観は16年前と同じ佇まいだったが、HPを見ると従来の8室に加えて、露天風呂付の離れが3室出来ており、リニューアルが行われたようだ。

風呂は、幅広く分厚い檜板に縁取られた5〜6人規模の立派な内湯とそこから続く野外に、地元信楽で焼かれた1人用の陶器風呂が2個置かれた露天風呂がある。他に宿泊客専用の貸切風呂が2ヶ所ある。
泉質は含塩化土類食塩泉(HPから引用)、泉温が14℃と低いので、加温・循環して給湯している。
入浴料は15年前と同じ800円、外来入浴時間は11時〜20時(最終受付)と長い(定休日は毎週水曜日)。

尚、ネット上での館名は上記の他に「甲賀忍びの宿」や「甲賀・忍びのかくれ宿」だったりしてどれが正しいか分からない。当館のパンフレットとHPでも異なり、先ずはここから統一して欲しい。

信楽焼

住 所 滋賀県甲賀市甲南町杉谷364
電 話 0748−86−2212
交通機関 新名神高速甲南ICから5分
JR草津線甲南駅から2km(送迎有り)
施 設(日帰り) フロント前のコーナーで休憩のみ駐車場約30台
宿泊 和室8室 離れ3室  13,000円〜27,000円
詳細最新情報は宿のHP参照ください。
泉 質 含塩化土類食塩泉(14度 PH 7.3)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 11〜20時(受付終了時間)
定休日 毎週水曜日
入浴料金 大人800円 小学生600円 小学生未満400円
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各1 家族風呂2 
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、,ロッカー
観光スポット 甲賀流忍術屋敷、甲賀の里忍者村、信楽町(陶器買物・陶芸の森、信楽伝統産業会館、信楽陶芸村)、近江日野商人館   
お土産・食事 信楽焼
旅館では昼食付き入浴(要予約)
近くの温泉 塩野温泉、信楽天然温泉、信楽たぬき温泉、かもしか温泉、十二坊温泉
甲賀市HP
観光協会HP
信楽観光協会HP

宮乃温泉HP
http://www.city.koka.lg.jp/
http://www.koka-kanko.org/
http://www.e-shigaraki.org/
http://www.miyanoonsen.com/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)

施設名 : 甲賀忍びの宿 宮乃温泉 (初回入浴日:2001.8.13 2回目入浴:2017.4.29)

水口丘陵や信楽丘陵に囲まれたのどかな田園風景の中にある甲南町。