元は國華荘という古めかしい館名だったが、時代の流れ、おごと温泉のイメージ変化に合わせ、現在の館名に変えた。

温泉街の南、小高い丘に立ち、鉄筋6階建て、43室(洋室12,和室19、和洋室12)の中規模旅館で、露天風呂が付いた部屋が6室ある。
宿泊料金は季節、曜日、宿泊人数などによって変動するが、最低料金は概ね18,000円程度からだ。

今回宿泊した湯元館とともに、昼食不要、入浴のみを受け付けてくれる。入浴時間は11時30分から18時(火曜は14時~18時)と長いが、入浴料金は高く、大人2,250円(2000円+消費税200円、入湯税50円)で、貸与のバスタオルとフェースタオルが付くが手軽に入浴するというレベルは超えている。

じゃらんクチコミ評価は総合が4.5と高く,風呂・食事などの5項目も軽く4点を上回り、宿泊者の満足度は高い。           

おごと(雄琴)温泉は、大津市の琵琶湖西岸にある滋賀県最大の温泉地で、1929年(昭和4年)創業の老舗湯元館をはじめとして9軒の旅館/ホテル(大型が多い)が国道161線と琵琶湖岸の間に点在する。京阪神からのアクセスが極めて良く、夏は湖畔遊びの拠点として賑わっている。真偽は定かではないが、延暦寺の開祖、最澄が開湯した1200年の歴史を持つ由緒ある温泉だ。西暦2000年以降は後述するイメージを変えるためだろう、平仮名表記の「おごと温泉」に変更している。

戦後、交通アクセスの良さから、関西地方の奥座敷として発展、湖西線の開通もあって団体旅行が増加し、1970年には日本万国博覧会の特需に沸き、開催地(大阪)から近隣の雄琴温泉は連日満室の盛況となった。

その歴史ある温泉が、1980年~90年代の観光・温泉ガイドブックに紹介されなくなったのは、昭和40年以降に風俗のトルコ風呂(当時の呼称)が温泉街の南側に多数進出し(これらは温泉を利用していなかったが)、日本一の歓楽的温泉としての評判が浸透したためだ。
その後、マイカーブームの進展などで、風俗利用者が減少、さらにバブル崩壊で団体客が大幅に減少、30軒近くあった旅館がも多くが閉館に追い込まれ、9館を残すのみとなった。

おごと温泉 びわ湖花街道 (滋賀県)

かって雄琴温泉は温泉より風俗のイメージが高く、歓楽的温泉として広く世間に知られ、温泉ガイドブックにも無視されて掲載がなかった。しかし、バブル崩壊後、生き残った10軒に満たない宿の経営努力や連携により いまや年間60万人が宿泊し、おごと温泉として京都観光の修学旅行生が宿泊するまでになった。今般、当地の老舗旅館、湯元館に宿泊、入浴料金が2150円と高額だが、すぐ近くのびわ湖花街道に立ち寄った。

施設名 : びわ湖花街道 (入浴:2020年9月28日)

大津市は人口34万人余り、滋賀県の南西部、琵琶湖南西岸と比叡山の山並みに臨み、西隣の京都市との境には比叡山が南北に走り、山を挟んで向かい合っている。
都道府県庁所在地同士が隣接している例は、ほかに仙台市と山形市、福岡市と佐賀市の計3例があるが、この中でも格段に近接しており、両市の中心部からの距離が約10kmしか離れていない。

大津市は、天智天皇が近江大津宮に遷都して以来、1350年の歴史を持つ古都だ。元亀2年、信長は延暦寺を焼き討ち、湖岸に坂本城を築き近江・畿内平定の基地とした。
三日天下の明智光秀があえなく果てたのは近くの坂本、天下統一した秀吉は、陸運・水運の要衝のこの地に大津城を築いた。

太平洋戦争時の戦災の被害も少なかったので、延暦寺(世界遺産)、園城寺(三井寺)、日吉大社、石山寺などの寺社仏閣をはじめ、多くの文化財や史跡が所在する。
この他に第1回地域ブランドに「認定されたおごと温泉や、日本三名橋の瀬田の唐橋、かるたの聖地として知られる近江神宮、松尾芭蕉の墓がある義仲寺、明智一族の墓がある西教寺などの名所も所在する。

市町村単位での国指定文化財保有件数は、京都市、奈良市に次いで、全国で3番目に多い。

上記の内湯、はいからの湯から続く石造りの露天風呂、こもれびの湯。その名の通り、開放感はないが上部の僅かな開放部から光が差してくる。

住 所 滋賀県大津市雄琴1-1-3
電 話 077-578-1075  フリーダイヤル0120-051041
交通機関
京都
JR京都駅より湖西線おごと温泉駅まで約20分(おごと温泉駅より無料送迎有り)
大阪:
車以外/JR東海道線大阪駅から京都駅湖西線乗換おごと温泉駅下車送迎有
車/名神高速道路を名古屋方面へ~京都東IC~大津バイパス経由湖西道路仰木雄琴IC~R161へ
名古屋:
車以外/JR東海道線名古屋駅から京都駅湖西線乗換おごと温泉駅送迎有
車/名神高速道路を大阪方面へ~栗東IC~琵琶湖大橋渡りR161を京都方面へ
宿 泊 43室((洋室12,和室19、和洋室12)
宿泊料金は18,000円態度から。最新詳細情報は宿のHP参照
泉 質 アルカリ性単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 11時30分~18時(予約不要)
火曜日は14時~18時
定休日 不定休
入浴料金 大人2250円(入浴2000円+消費税200円+入湯税50円) (料金にタオル2種レンタル含む)
入浴施設 内風呂男女各1 、露天風呂男女各1、貸切露天風呂1
浴室備品 バスタオル、タオル、シャンプー、リンス、ボデイソープ、ドライヤー
観光スポット 比叡山、延暦寺、日吉大社、浮御堂西教寺、滋賀院門跡、三井寺、石山寺、三千院、大津プリンスホテル
近くの温泉 比良温泉、くらま温泉、石山温泉、白滝温泉、北白川天然ラジウム温泉、天然ラジウム不動温泉
大津市HP
大津観光協会
旅館組合HP
花街道HP
https://www.city.otsu.lg.jp/
https://otsu.or.jp/
https://www.ogotoonsen.com/
https://www.hanakaido.co.jp/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)

低い家具を配置したロビー。天井の低さをカバーするため?とは言え、パブリックスペースは洗練されている。

湯上がり処だろうか。

じゃらんクチコミ 総合 4.5(2020.11.24現在)

部 屋  4.3 風 呂 4.3
朝 食  4.4 夕 食 4.5
接客・サービス 4.5 清潔感 4.5

湖岸と国道161号線の間に9軒の旅館・ホテルが点在する。比叡山山麓(堅田丘陵)にあり、前方に琵琶湖が広がるので、眺望に恵まれている。

浴室へのアプローチは風情ある。

小高い丘の上に立つ、鉄筋6階建て、43室の中規模旅館。

所在地 : 大津市雄琴 

5mx3mの広さ、木造の縁が良い雰囲気を醸し出している。温泉は共同管理、複数源泉の混合泉でアルカリ性単純温泉、かなりヌルスベ感が有る。

琵琶湖畔のシンボル、大津プリンスホテルの客室から見た琵琶湖。

駐車場から琵琶湖を見下ろす。

これらの旅館が生き残りを図るために雄琴=風俗のイメージを消し去る懸命の努力をし、全室露天風呂付の客室の新館や別館を併設したり、趣向を凝らした露天風呂などを建設した。..
平行して、接客サービスの改善、創作料理の提供、ブランド牛の近江牛の積極的な提供などに努めてきた。この結果、全国的に見ても最も変化著しい温泉街にの一つとなり、着実に宿泊者が増加してきて年間60万人に達し。京都方面への修学旅行受け入れ先になるほどの社会的信頼も得ている。勿論、近年の温泉ガイドブックにも9旅館全てが堂々紹介されている。
日帰り入浴は、ここ「びわ湖花街道」「湯元館」の2館と大型日帰り施設、「スパリゾート雄琴あがりゃんせ」だけのようだ(他に昼食付入浴可能旅館が若干)。

温泉名 : おごと(雄琴)温泉