●朝食

磯部温泉 ホテル磯部ガーデン (群馬県)

関東平野の外れ、奇怪な稜線を描く日本三大奇勝の妙義山を背後に、碓井川沿いに9軒の宿が営業する磯部温泉。部屋数が100室を超える大型旅館で、昔話「舌切雀」ゆかりのホテル磯部ガーデンに孫達と宿泊した。
磯部温泉は、このたび、世界文化遺産指名が確実になった「富岡製糸場」に近く、今後は宿泊客増加も大いに期待できそうだ。

群馬特産のコンニャクの刺身

唯一の海の幸(帆立のサラダ)

鶏肉の茄子詰め

天麩羅

前菜

所在地 : 安中市磯部(あんなかしいそべ)

安中市は群馬県西部にある人口6万人ほどの市で、かっては安中・松井田など4宿が中山道の宿場町として、また江戸時代は安中藩の城下町として栄えた。

市街地付近は関東平野の末端で、西側で長野県軽井沢町と接している。
かっての難所だった旧国道18号(中山道)の碓氷峠(約960m)の上り口にある松井田町の2大名物が、国指定重要文化財の「めがね橋」と「おぎのやの峠の釜めし」だ。

めがね橋は、明治25年に200万個のレンガを使って完成、約70年の間、信越本線横川駅~軽井沢間で碓氷峠を超えるためのアプト式鉄道の橋梁として使用された。

一方、かっての駅弁ランキングでトップクラスの人気があったのが、横川駅で産声をあげた「峠の釜めし」だ。
近年になって、特急増加や新幹線の開設とともに駅売りからドライブイン・サービスエリアの販売が中心になっている。
上信越自動車道を利用するときは、横川SAでこの釜飯か高崎のだるま弁当を食べることにしている

日本三大奇勝の妙義山が温泉街の背後に奇怪な山容を浮かばせている。(部屋から撮影)

100室を超える大型旅館だけに、1階と2階に大きな男女別の大浴場(楽水の湯・楽山の湯)があり、それぞれに雰囲気が異なる露天風呂ががついている。

大浴場は一度に30人以上が入れる大きなものだが、石材を使った浴槽なので、やや情緒に乏しい。
露天風呂は1階にある楽水の湯に樽風呂・檜風呂・岩風呂など趣きが異なる浴槽があって、ここが一番雰囲気がある。

温泉は平成8年に掘削された共同温泉で、泉質は含銅・鉄(2)−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩強塩温泉とあるが、鉄分含有温泉の特色である茶色に変化していないのは、鉄分を除去しているためだろうか。


日帰り入浴は、午前11時~午後3時、入浴料金は1050円だ。

温 泉

朝食はバイキング、珍しく和食メニュー選択。地味な料理が多かった。

「楽水の湯」の露天風呂は趣きが異なる浴槽が3ヶ所あって、雰囲気がなかなな良い。

ロボット人形による「舌切雀」の上演。

磯部温泉は関東平野の末端にあり、背後に浅間山や妙義山が迫るとはいえ、山間にあるわけではない。
そのため、川魚・山菜・きのこなどの食材が使われず、牛肉・豚肉・鶏肉料理が主体だった。

お盆の時期だったため、宿泊料金が高目だったこともあり、食事に関しては、高級食材や洗練され手間暇かけた料理が出る訳ではないので、コスパ良好とは言い難い評価となった。
ただし肉料理が多かったので、若い人にとったら量的には満足するだろう。

朝食はバイキングだが、やや地味目で、もう少し品数の充実と彩りを考えて欲しい。

10階建ての8階881号室。前室6畳+12畳+6畳くらいの広縁+BTでかなり広い。1人21,150円(お盆の時期の為高額)。                                               

1661年、磯部で土地の境界をめぐる訴訟があり、このときに江戸幕府から出た判決文の地図この温泉記号が掲載されていた。
その後、これより古い使用例が出てこないため、磯部温泉が温泉記号発祥の地として定着している。

当地には、多くの文人墨客が磯部温泉を訪れたが、明治の児童文学者・巌谷小波もその一人だ。
彼は舌切雀の伝説が伝わる磯部を訪れて、舌切雀の昔話を書き上げた。

これにより、磯部温泉は舌切雀の伝説発祥の地とされている。
「雀のお宿」「舌切雀のお宿」といった名称が、館名の前に付されている宿もある。


安中市域には、もう一つの温泉、山あいにひっそりと湯煙をあげる秘湯。霧積温泉がある・

●夕食

料 理

楽山の湯」の内湯と露天風呂。こちらの露天風呂はやや味気ないが、女性用は岩風呂のようだ。

孫は千葉の養老渓谷温泉でデビュー以来、既に6ヶ所の温泉に浸かっている。

住 所 群馬県安中市磯部1-12-5
電 話 027-385-0085
交通機関 上信越自動車道松井田・妙義ICから国道18号線及び旧国道18号線で約30分
JR信越本線磯部駅から徒歩5分
施 設(日帰り) 湯上り処、ロビー・ラウンジ、売店、駐車場
宿 泊 119室 13,000円~25,000円 
時期・曜日・人数・プランなどにより変動するので、詳細最新情報は宿のHP参照
泉 質 含銅・鉄(2)−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩強塩温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 11時~15時(要確認)
定休日(日帰り) 不定休
入浴料金 大人 1050円   
入浴施設 内湯男女各2、露天風呂男女各2
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 富岡製糸場、県立自然史博物館、軽井沢、メガネ橋、碓氷峠鉄道文化むら
お土産・食事 土産は館内で可、食事は磯部駅前周辺
近くの温泉 下仁田温泉、初谷温泉、星野温泉、塩壺温泉、軽井沢矢ヶ崎温泉
安中市HP
観光協会HP
ホテル磯部GHP
http://www.city.annaka.gunma.jp/
http://www.annaka-city.com/
http://www.isobesuzume.co.jp/
雑記帳 鉄道マニヤの方には、町内の碓氷峠鉄道文化村が必見。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

孫達が温水プールで嬉々として遊ぶ。この風景を見るだけで大満足。

温泉街の北を流れる碓井川(部屋から撮影)。

娘夫婦と孫達とともに栃木の墓参りをしてから、栃木と群馬を繋ぐ北関東自動車に乗って磯部温泉に向かった。
今般、世界文化遺産指定が確実になった富岡製糸場が近いので、立ち寄ることも考えたが、幼児には不向きかなと思って見送った。

1119室を有する大型旅館のホテル磯部ガーデンを選んだ理由は簡単、孫達が泳げるプールがあることと、車で1時間ほどの距離にある「神流町恐竜センター」に行って、孫達と一緒に化石掘りをするためだった。

館名の前に「舌切雀のお宿」が冠せられ、敷地内には舌切神社、館内には舌切雀ゆかりの品々が陳列されている。
夜にはミニシアターでは、ロボットが演ずる舌切雀が上演される。

宿泊料金は2人1室で1人13,000円~25,000円程度だが、時期・曜日・人員などにより変化するので、最新・詳細情報はホテルのHP又はじゃらん等で参照ください。

磯部温泉は、日本三大奇勝の妙義山(他に大分県・耶馬渓と香川県・寒霞渓)を西に望む関東平野の末端にある。
赤城山・榛名山と並ぶ上毛三山の一つ、妙義山は標高が僅かに1162mだが、その奇怪な山容から推測できるように、初級・中級・上級の分類外の最上級難易度の山に分類されている。
中学生の時、学校から易しいコースを登山したが、それでも「カニの横這い」などで冷や汗をかき、それ以来本格的な山登りは嫌いになった。

磯部温泉の温泉街は、信越本線磯部駅とその北を流れる碓井川の間に9軒の宿が点在する。
天明3年(1783年)に起きた浅間山大噴火で湧量が増えた温泉で、東京からの交通の便に恵まれたため、明治時代には高級別荘地として栄えた。


平成8年に新源泉「恵みの湯」は掘削され、旅館に配湯されると同時に、同名の日帰り温泉施設がオープンした。
磯部温泉は、誰もが知っている温泉記号発祥の地である。

益子焼の土釜に茶飯・鶏肉・牛蒡・椎茸・筍・鶉卵・グリーンピース・栗・生姜・あんずを乗せた釜飯。味がしっかりと滲み込み美味しい。

畳敷きにテーブルを置いて3世代の夕食。

とても広いロビー、ラウンジ、売店など。

ホテル磯部ガーデンの堂々たる偉容、119室の大型旅館だ。

じゃらん口コミ 総合4.3 (2014.4.10現在 33件平均)

温泉名 : 磯部(いそべ)温泉

豚肉蒸し

すき焼き

茶碗蒸し

かやく御飯

デザートの果物(少し工夫欲しい)

部屋 4.3 風呂 4.6
朝食  3.9 夕食 4.1
接客サービス 4.3 清潔感 4.4

施設名 : 舌切雀のお宿 ホテル磯部ガーデン (宿泊日:2013.8.17)

部屋から妙義山の奇怪な山容が見える。

「愛妻橋」とあり向こう側は「恐妻橋」。碓井川を跨ぐ橋の名前が愛妻橋だ。