太平洋を見下ろす岬の上にある五浦観光ホテルは、1万坪の敷地を有し、数寄屋造り・2階建ての「和風の宿 本館」と鉄筋10階建ての「別館大観荘」の2棟から成る。
風情の違う2館合計の部屋数が100室に達する大型観光旅館である。


部屋のタイプは和室が60、和洋室が30、その他10、料金はガイドブックでは15,000円前後〜となっている。
インターネット上のプランを見ると、2食付き11,000円程度で泊まれるので、予約の際はここのHPやじゃらんなどのネット予約システムを参照してください。

しかし、当館のHPは、構成が稚拙、情報量が不十分、各種プランが更新されておらず、プランの期間が本年3月31日現在で終了しているなど、部屋数が100室もある大型旅館としては、これまで見たことが無い貧弱なもの。
見るに見かけて、クレームではなく、HPの改善を電話で偉そうにアドバイスしてしまった(さきほど見たら、プランの期間は更新されていた)

五浦温泉 五浦観光ホテル (茨城県)

部屋・食事・風呂の中で、もっとも満足度が高かったのが、文句なく風呂だ。
別館に宿泊したが、100mほど離れた本館まで車で送迎してくれ、別館のとは趣きの違う内湯と露天風呂で入浴した。


宿泊した別館の大観の湯は、眼下に太平洋を一望するオーシャンビューの風呂、本館の五浦の湯は、雑木に囲まれ、大小の岩石を配置した庭園風呂。

温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉で、泉温71℃の高温泉、pH7.9の弱アルカリ性、湯量280リットル/分と豊富で、どちらの風呂にも加水加温循環無しの掛け流しで落されている。
湧出時は無色透明、口に含むとかなり強い塩味と苦味がした。
北茨木市はその名の通り茨城県の最北端に位置し、北は福島県いわき市と接している。
市域の80%が山林だが、東部は太平洋に面し、市内を流れる河川流域には土壌豊かな平坦地が開けている。

古くから農業や漁業が盛んだったが、20世紀初頭には、鉱山王として、また日立製作所の創始者である久原房之助が(常磐)炭鉱の経営に乗り出し、昭和の高度成長期まで活況を呈していた。
その後も有力企業の進出もあって今なお工業地帯として進展している。


平潟・大津地区などでは温泉・鉱泉が湧出し、民宿・旅館が多く、地元で上がった魚介類を売り物にして観光客を呼び寄せている。

文化面では、「七つの子「赤い靴」「シャボン玉」「こがね虫」「あの町この町」「証城寺の狸囃子」など、枚挙にいとまがないほどの童謡を作詞した野口雨情の出身地であり、彼の記念館がある。

また県立の天心記念五浦美術館があるように、ここは日本画界の重鎮、岡倉天心ゆかりの地でもある。

玄関先・ロビーは深紅・朱色で、一昔前の観光ホテルの典型。趣味ではないが、逆にここまで徹底すれば、まあ〜いいかと納得。

別館入口。団体のバスも数台駐車してた。

朝に男性用となったもう一方の露天風呂。六角形の浴槽からは海と風呂が一体となった素晴らしい眺望が楽しめる。

                   項目別のこの評価は妥当な線だ。

部 屋     4.1 風 呂     4.5 
夕 食      3.9 朝 食      3.7 
接客サービス      4.5  清潔感     3.9

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食事は夕食・朝食ともテーブル席で取った。料理は高級食材もそこそこ使われいて、単品ごとで見ると美味しい料理もあったが、全体の印象は「やや野暮ったい」だった。特に女性向けにもう一工夫欲しいところだ。

鮭・温泉卵・海苔・納豆・・・これ以上ない定番の朝食。夕食もそうだったが野菜が少なかった。

日帰り入浴は11時〜21時、大人1000円。

200mほど離れた本館へは 車で送迎してくれる。石造りの硬質の内風呂からは露天風呂が見える。

五浦の湯(本館)

大小2ヶ所の風呂がある

こちらの大きな浴槽からの眺望も素晴らしい。

到着日の午後男性用だった露天風呂。両方とも温度は40℃くらい。岩石で縁どられた大小の風呂。両側から挟まれた岬越しに太平洋が一望できる。この風呂は以前からあったものだろう、床や浴槽の岩石に温泉析出物(カルシウム?)が付着して白くなっていた。

湯上がり処とこれに続くベランダからは太平洋を一望。

503号室 10畳+広縁+ユニットバス、かなり古びた部屋。ベランダから海を見下ろす。16,950円。

岬の崖の上に立つ五浦観光ホテル(別館)。

住 所 茨城県北茨城市大津町722
電 話 0293−46−1111
交通機関 JR常磐線の大津港駅よりタクシーで5分、
常磐自動車道北茨城ICから11km
客室・料金 本館・別館合計
100室(和室60和洋室30その他10室)

11、000円〜
詳細はHP参照くださいと言いたいが、大型旅館にしてはこれほど貧弱なHPは初めて。
プランも期間切れで(2005年3月31日まで)更新されておらず、不十分な情報・稚拙な構成・不鮮明な写真に思わず電話し、改善をアドバイスした。
(2013年5月27日)
泉 質 ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉( 泉温71℃、pH7.9、湯量280リットル/分)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間・料金

11時〜21時、大人1000円。

定休日 不定休
入浴施設 内湯2(男女交代制)、露天2(男女交代)、貸切2(有料)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 六角堂野口雨情記念館、茨城県天心記念五浦美術館、勿来の関公園
近くの温泉 平潟港温泉、湯の網温泉、磯原温泉、うぐいす谷温泉
北茨城市HP
観光協会HP
五浦観光HHP
http://www.city-kitaibaraki.jp/
http://www.kitaibarakishi-kankokyokai.gr.jp/
http://www.izura.net/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

大観の湯(別館)

 

別館にある内湯と露天風呂。
五浦観光ホテルは2011年3月11日の
東北地方太平洋沖地震で被害を受け、その修復の際に別の所にあった内湯と露天風呂を一ヶ所にまとめ、宿泊する一カ月前にオープンした。

しっとりした本館入口。

落ち着いたロビー

風呂への廊下。

温泉名 : 五浦(いずら)温泉 

折から関わっていた「まっとうな温泉東日本版」に推薦できる茨城県の掛け流し温泉旅館が無かった。
いっしょに監修したしおりさんもまぐぞーさんも同様だったので、急きょ、2011年3月の大震災で受け、営業を再開したばかりの五浦温泉五浦観光ホテルに宿泊することにした。まだ被災の爪跡が残り、部屋と食事は平均点だったが、太平洋を見下ろす露天風呂と新鮮な湯で満たされた庭園露天風呂が素晴らしかった。

五浦海岸の日没

野口雨情記念館

天心記念五浦美術館

再建された六角堂・観瀾亭

若くして国際人として活躍し、日本文化の近代化に大きな影響を及ぼした岡倉天心は、太平洋の荒波と奇岩・断崖と松が作る五浦海岸の風景に魅かれ、この地に日本美術院を移し、横山大観、下村観山、菱田春草などがここで創作活動をした。

これを記念して「茨城県天心記念五浦美術館」「茨城大学五浦美術文化研究所」などが設立されている。

五浦温泉は大津港の南東約5km、五浦海岸の岬の上から眼下に太平洋を見下ろす温泉地で、旅館は五浦観光ホテルの本館と別館のみである。

都心から車で約2時間とアクセスが良く、五浦海岸の景勝と地元の漁港で水揚げされている「西のふぐ鍋」「東のあんこう鍋」と言われる深海魚のあんこうを代表とする地魚も大きな観光資源となっている。

因みにすぐ近くにあって、多くの旅館・民宿が営業している平潟港温泉はあんこう鍋の発祥の地と言われている。

じゃらん口コミ 総合4.2(2013.5.29現在)

僅かに濁りがある。

所在地 : 北茨木市大津町

●朝食

●夕食の一部。

料 理

1万坪の敷地の一角、雑木の林の中に岩石を配置した庭園露天風呂。海は見えず、こちらはしっとりした雰囲気。
湯の鮮度はこちらが圧倒的に良く、両方の風呂とも経時変化で白濁することなく透明だった。宿のスタッフも、ほとんどがこちらに入浴すると聞いた。

宿泊する1か月前に完成したL字型の内湯はかなり大きく、一度に20人が入れる大きさ。こちらは新しいので温泉析出物がまだ付着しておらず、僅かに白くなっている程度。ガラス越しに2槽の露天風呂が見える。

五浦(いずら・いつうら)海岸は大津町五浦にある海岸、「関東の松島」の異名を持つ。赤い六角堂は岡倉天心の自宅から下った崖に建てられた観瀾亭(かんらんてい)。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波で消失したのが再建されたもの。

風 呂

鍋物

デザート

松茸の吸い物

帆立の御飯

牛肉のやわらか煮

カサゴの煮付け(美味)

あなごの揚げ物

お造りは5点盛り

施設名 : 五浦観光ホテル (宿泊日:2012.11.27)