施設名 : 大丸旅館 (宿泊日:2007.4.11)
所在地 : 竹田市 
温泉名 : 長湯温泉 
   長湯温泉 大丸旅館 (大分県)   
住 所 竹田市直入町長湯7992−1
電 話 0974−75−2002 
交通機関 大分自動車道湯布院ICから約40km
JR豊肥本線豊後竹田駅からバス40分長湯温泉下車
施設(日帰り用) 売店・別館の茶房・川端屋 駐車場(30台)
宿 泊 15室 4,010円〜25,560円以上(料金は逐次改定されるので下記HP参照) 
泉 質 マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 源泉温度46.7℃
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 11時〜17時 (予約不要)
定休日 無休
入浴料金 大人 500円
入浴施設 内湯:男女各1 露天風呂:男女各1 貸切風呂3
ラムネ温泉:内湯・露天男女各1  宿泊客は無料だが、立ち寄り湯は別途支払い
浴室備品 シャンプー・ボディソープ・ロッカー・ドライヤー
観光スポット 竹田市内岡城跡、武家屋敷、瀧廉太郎記念館、湧水群、石橋群)久住高原、くじゅう花公園、原尻の滝、阿蘇山、高千穂峡 
お土産・食事 大丸旅館前の川端家他で昼食・喫茶可、土産も館内・周辺で可
近くの温泉 七里田・三船・紅殻之湯・満天望・湯平・別府・九重九湯(龍門温泉郷・壁湯・宝泉寺温泉郷・川底・湯坪温泉郷・筋湯温泉郷・筌(うけ)の口温泉郷・長者原温泉郷・寒の地獄)など多数
竹田市HP
旅館組合HP

大丸旅館HP
http://www.city.taketa.oita.jp/
http://www.nagayu-onsen.com/
http://www.daimaruhello-net.co.jp/
雑記帳 長湯温泉の近くに七里田温泉・下湯がある(追って掲載)。
ここの泡つきは、ラムネ温泉の比ではない。今回の九州旅行で最も感激したニつの温泉の一つだ。
因みに1,2ともプースケさんから教えていただいたもの。深く感謝。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
竹田市は大分県の南西部に位置し、九重連山・阿蘇外輪山・祖母山麓に囲まれた高原である。

炭酸を多量に含む高温泉で知られる長湯温泉のある直入町は、くじゅう連山の東山麓に広がる標高300mから1,000mの高原の町で、それまでは直入郡にあったが、2005年4月1日付けで、萩町・久住町とともに竹田市と合併した。

旧竹田市はもともと城下町であり、老舗が今も営業し、武家屋敷や廃城となった岡城跡が残っている。この地で多感な少年時代を過ごし、城跡で遊んだ滝廉太郎が、後に名曲「荒城の月」を作詞した(作曲は土井晩翠)。

前回の旅では竹田市観光を逃したが、今回はこの滝廉太郎の記念館を訪問し、合わせて周辺の老舗が集まる一帯や武家屋敷を散策(岡城跡は足腰に支障を持つ我々はパス)した。

同時に、ここは総湧出量が1日数万トンと言われる多くの湧水を持ち、環境省の「名水100選」に選定された竹田湧水群を市域に有する。
● 竹田市周辺観光
原尻の滝、前回に観光した。
くじゅう花公園、2回目の観光。今回はチューリップが満開だった。
山王橋、竹田市には多数の石橋がある。(道の駅でパンフ入手)。
滝廉太郎記念館
●長湯温泉では、共同浴場や日帰り施設での入浴が楽しみ
素朴な天満湯
(後日掲載)
炭酸泉で人気のラムネ温泉館
(後日掲載)
名物のがに湯
長生湯
2年前の2005年4月、今回より1週間早く長湯温泉に立ち寄ったが、今度も芹川沿いの桜が満開だった。
前回は、全国でも稀な高温の炭酸泉が湧く、という程度の知識で宿泊はせず、日帰り施設の長生湯に立ち寄っただけだった。

その後、「1980年代の湯布院、1990年代の黒川温泉そして2000年代は長湯温泉の時代」、とか九州初の全施設源泉掛け流し宣言(第一号は奈良県十津川温泉郷)の記事を見て、次回は「長湯温泉に宿泊」を早くから決めていた。
たしかに、近年、人気が急上昇しているようで、人口3,000人弱のこの町へ、年間70万人の観光客がやって来ている、という記事も見た。

長湯温泉には温泉街といったものは形成されていない。
久住山麓ののどかな山里にあって、狭い流れの芹川沿いを中心に15軒の宿が点在している。

また、ここには長湯温泉のシンボルである「ガニ湯・(温泉療養文化館) 御前湯・天満湯」の公営施設の他、「ラムネ温泉館」「長生湯」「ながの湯」など、数多くの日帰り施設がある。
これが長湯温泉の魅力であり売り物だ。
長湯温泉に宿泊した場合は、是非ともこれらに立ち寄りたい。
長湯温泉は久住連山の東側山麓、標高500m弱の高原にある。

しかし、周辺はとても標高が500mあるとは思えないのどかな山里風景だ。小さな温泉街を貫く芹川の流れも穏やかで、河岸に桜や菜の花がのどかに咲き、とても渓流の表現は使えない。
長湯温泉には15軒ほどの宿があるが、高層の大型建築は1つもない。

ここには、温泉ガイドブックでよく紹介される宿が2つある。
高温にもかかわらず炭酸ガスの含有量が日本有数の源泉(ラムネ温泉)を持つ老舗旅館「大丸(だいまる)旅館と3万坪の敷地に茅葺の母屋と多数の離れを有する高級旅館「宿房翡翠之荘(かわせみのしょう」)だ。


これらの宿は、今の長湯温泉の人気急進に大いなる貢献をし、数々の仕掛けてをしてきた首藤ご兄弟が経営している。
大丸旅館は長湯温泉の中で最も恵まれたロケーションにある。
芹川に面し、川を跨ぐ天満橋の袂にあるので、どの部屋からものんびりした里の風景が楽しめる。

館内はロビーも狭く、思っていたよりも簡素な造りだが、コーナー毎に洒落た和の演出が施されている。
案内された部屋は、9畳の落ち着いた和室、それに広縁はないが代わりに掘り炬燵が置かれたスペースが別にある(計10.5畳)。
平日2人1室(BT付) 税・サ(10%)込@16,100円
歴史が古いだけに、数多くの文人墨客がここに宿泊していて、驚いたとに与謝野晶子がここにまで来ていた。
彼女、今でも秘湯と呼ばれる温泉地まで足を伸ばしており、これまでに20ヶ所ではきかない温泉宿でその名を目にした。

当時は、旅館が競って知名度を上げるために彼女を招待していたのだろうか。

部屋数は、本館に8室、別館に7室の合計15室のみ。新館「藤花楼」は、大正6年、創業当時の設計を復元し、300年以上の古木が使用されているそうだ。
部屋は全部で8タイプあり、新館にはベッドの部屋もある。


料金は2人1室で「14,010円〜25,560円以上」に設定されていて、新館の方が3,000円〜10,000円程度高い。尚、年末年始を除いて、曜日・四季による加算がないのが分かりやすくて良いシステムだ(料金は変更されるので下記HP参照)
館内の写真を撮影。今とは反対側にあるように思える。
大丸旅館が経営する茶房「川端屋」。
詳しくはプースケさんのサイトでご覧下さい。
部屋から見る風景。桜・菜の花が満開だった。
部屋付きの畳半畳ほど、小さな木造風呂。引き上げる小窓があって、川が見える。家内はこれが気に入って何回も入っていた。(深夜も掛け流し状態)
風 呂
男性用内湯。それほど大きくない風呂だが、2方が大きなガラス窓で明るく、芹川をはじめ、のどかな山里を入浴しながら見ることが出来る。折から桜の花が満開だった。
内湯から繋がる露天風呂。・これも大きくはないが、鶯色のきれいな温泉で満たされていた。湯の温度はこちらの方が低めで好みだった。
風呂は本館に「テイの湯」とよばれる男女別のしっとりした雰囲気の内湯と露天風呂(上記)、他に「ミドリの湯」と呼ばれる風呂がパンフレットに載っていたが、これは3つある貸切風呂の一つかもしれない(未確認)。

大丸温泉は、昭和30年代後半、従来の自噴温泉が周辺の掘削によって湯温が下がり、枯渇化するという深刻な問題を抱えていた。
三代目の女将・テイさんが、夢のお告げにあった隣の茶畑を掘ったところ、90mという浅い地下から50℃を超える温泉が湧出したという。
口に含むとレモン・炭酸味が口内に広がった。

「ミドリ」も何代目かの女将の名前、と聞いたような気がしたが確信が無い。あるいは温泉の色で名付けられたのかもしれないが、こちらの方は、外湯巡りで忙しく入浴を逃した。


使われた温泉は、そのまま川へ。
温泉成分が堆積し、岸が黄土色になっていた。
長生湯
ガニ湯
ラムネ湯露天風呂
ラムネ湯内湯
長湯温泉は日本一の高温炭酸泉で、入浴すると体に泡がまとわりつく、と言った記事をよく見かける。
しかし、それは長湯温泉にある数多くの源泉(50ヶ所)の幾つかであって、すべての温泉が炭酸を多く含有しているわけではないようだ。
中でも有名なのが、大丸旅館が経営する日帰り施設「ラムネ温泉館(記事後日掲載)」である。県外からも数多くの客がここを目指してやって来る。
大丸温泉に宿泊すると、ここにいつでも無料で入浴出来るのが大きな魅力だ。
大丸旅館から対岸に渡って、まっすぐ歩いて徒歩5分の所にある。

近年、長湯温泉は湯布院・黒川に続く、九州3番目の温泉と持て囃されている。しかし、これは湯布院・黒川には失礼だ。

宿の量・質、料理、サービス、大小さまざまな風呂等、すべての面で比較するに及ばない。
しかし、長湯にあって2つの温泉にないものもある。
鄙びてのどかな山里の風景、低料金で宿泊できる素朴な旅館、徒歩で簡単に行ける多くの外湯・日帰り施設、そして先述の炭酸泉などである。

食 事
夕食は部屋食、朝食は食事処で頂く。(別館宿泊者は夕食・朝食とも専用個室食事処)
家内の評価は厳しく、遠方(東北だったかな)から来られた親子の方も同じ感想で、料理についてさかんに不満を申されていたそうだ。
例によって、私は料理にはそれほどの不満は無かったのだが・・・。
供されていた地元の窯で焼かれた重厚な食器は見事だったが、料理によっては映えない点も否めない。
名物らしい「エノハ(やまめ)」の姿揚げ。丸ごと食べられるが少々不気味。
もう一つ持て成しの心がこもらない朝食
●到着したとき、どこに車を停めたらいいのか、玄関先にいた若くてスリムな男性に聞いた。
「泊まる部屋によります(冷たく)。」
「(税・サ別で)14,000円の部屋です(安い方の部屋)」
「それならここに停めてください(事務的に)」

チェックインまで知らなかったが、料金の高い新館があって、好意的に取れば「新館ですか、本館ですか」の意味で、新館なら奥の方に駐車場があったらしい。でも、安い方で悪かったね、とひがんでしまった。
●チェックアウトの時、帳場(顔だけ見える)にキーを渡したら、横を向いたままの女将とおぼしき女性が「ハイ」と素っ気無く受け取って、料金を言った。
何かに気を取られていたのだろうか、無言でお金を受け取って、目を合わせることも無く、「ありがとうございます」の一言もなくお釣と領収書をこちらに手渡した。
●逆に若い女性スタッフはとても快活で親しみが持て、連れている愛犬を可愛がってくれたり、、それに犬好きの館主のお孫さん(?)も連れてきて楽しい会話が弾んだ。

●ホームページを見ると、温泉のことはとっても詳しいが、料理についての記事は無く、前菜の写真1枚だけ。
いかに温泉で苦労してきたか、温泉を大切・誇りにしているか分かって微笑ましいが、やはり楽しみの料理の紹介がもう少し必要なのでは。

●同じく施設に関して、料金の高い新館・藤花楼の写真・記事は詳しいが、本館については皆無状態。
15室の内半分以上が本館だし、こちらに泊まった客はなんだか冷遇されているように思えてひがみたくなる。
●宿のホームページには、館主であり大分県議会議員の首藤勝次氏のホームページがリンクされている。
少々気になるのは、「観光カリスマ」としてか、県会議員としてか定かでないが、小泉元首相との写真を掲載したり自身のプロフィール・政治活動ついて、旅館本体より詳細に紹介されていることだ。
本館に宿泊して、評判ほどの満足感を得られなかった身(外湯巡りで十分補われたが)としては、少しばかり、本業がおざなりになっているのでは、と心配になった。

●公正を期せば、長湯温泉はその規模の割りに外湯・日帰り入浴施設が狭い地域に密集していてとても素晴らしい温泉地だ。

長湯温泉(大丸温泉)に宿泊した場合は、ラムネ温泉、すぐ近くの長生湯、大規模な御前湯、無人の天満湯、それに入浴に勇気が要るガニ湯など、バラエティに富んだ外湯・日帰り施設の何れかで入浴を楽しみ、温泉三昧で過ごされることをお薦めする。
そのためには、チェックインは出来るだけ早くする方がいいでしょう。

因みに他のサイトを幾つか拝見したが、安い料金の時代(1万円強)に宿泊された方は満足感が高かった。
天満橋から見た大丸旅館。
無人の天満湯
「日本一の炭酸泉」として知られる長湯温泉の老舗旅館・大丸旅館に宿泊、同時に数多い外湯・日帰り施設での入浴を楽しんだ。
長湯温泉の一等地にある大丸旅館
 館内からの風景桜が満開だった。         モダンな和の演出
夕食の一部
地鶏鍋
茶碗蒸し
馬刺し
前菜