山間を流れる渓流・塩川を跨ぐ赤い欄干の鹿鳴橋を渡った先に塩湯荘がある。部屋数僅か7室(BT無し)の小さな旅館だ。

鹿塩地区で湧出する塩分を含んだ鉱泉の効能が認められて、明治25年、鉱泉(温泉)浴場が営業を始め、明治37年には、塩湯荘がオープンした。

全部屋が渓流に面していて、眼下に音を立てて流れる塩川の流れを眼下に見下ろすことが出来る。
宿泊料金は、曜日などに関係なく2食付きで10,000円(税別)と手頃だ。

風呂は男女別の内湯のみ、湧出量が少ないためか、男性浴槽は詰めて4人程度と小さい。
日帰り入浴を受け付けていて、大人600円。

温泉の泉質はナトリウムー塩化物強塩泉、泉温が9.5℃の冷鉱泉でpH7.4、口に含むと強い塩味。これは塩化物イオンを13,777mg/kgと海水並みに含有するためだ。
但し、マグネシウムなどの苦り成分は少ないので、べとべと感は薄い。

日本第二位の高峰である北岳(3193m)をはじめ、3000m級の山々が連なる南アルプスの信州側西麓を南北に走り、酷道と揶揄される国道152号(秋葉街道・杖突街道)沿いに、海水並みの塩分を含んだ冷鉱泉を湧出する鹿塩温泉。2軒の宿があるが、山塩館に宿泊し、もう一方の塩湯荘に立ち寄った。

所在地 : 下伊那郡大鹿村鹿塩(しもいなぐんおおしかむらかしお)

下伊那郡は、松川町、高森町、阿智村、天龍村、大鹿村など3町10村から成り、構成町村数は全国最多の郡である。
大鹿村は人口1000人余り、伊那郡の北東部に位置し、東で静岡市に接している。村の東側には、日本第二位の高峰・北岳(3193m)をはじめとする南アルプスの3000m級の山々が聳え立ち、西は伊那山脈に隔てられた農耕地の少ない典型的な山村で、「日本で最も美しい村」連合」に加盟している。

江戸時代から続く、大鹿歌舞伎は300余年前から、大鹿村の各集落の神社の前宮として舞台で演じられ、江戸〜明治時代の上演禁止時代をかいくぐって今日まで伝承されてきた。

村を南北に貫く国道152号は、静岡県浜松市と長野県の諏訪を繋ぐ総延長220km余の山岳道路で、江戸時代に秋葉神社へ詣でる旅人が通行したかっての秋葉街道とその先の杖突街道がその前身だ。現在の国道は分杭峠や地蔵峠が冬期閉鎖、静岡県境の青崩峠(飯田市)は迂回が必要、大型車が通行不可能な部分があり、全国にある「酷道」の代表格だ。

大鹿村には、標高750mの山間に2ヵ所の温泉がある。旅館2軒の鹿塩温泉と1軒宿の小渋温泉だ。

施設名 : 塩湯荘 (入浴日:2015.7.2)

この凹部分から温泉が流れ出る。かけ流し・循環併用か?

渓流を見下ろすベランダ。

一般家庭のリビングの様なロビー。

塩川を跨ぐ鹿鳴橋(車両OK)を渡った先に塩湯荘。奥の建物は宿泊した山塩館。

浴室全体がタイル張りで清潔感がある。円形の浴槽は、膝を折って4人が入れる小さなもの。女性用はこちら

シャワー・カランが4基設置されている。海水並みの強塩泉だが、苦り成分が少ないためか、ベトベト感は薄い。

住 所 長野県下伊那郡大鹿村鹿塩633
電 話 0265−39−2316
交通機関 ・中央自動車道 松川IC → 県道59号 (通称小渋線) → ダム沿いの曲がりくねった道 →(17km40分)→ 大鹿村 R152に合流、直進 →(2km)→ 鹿塩 サクラヤ商店さん前の辻 →「塩の里、鹿塩温泉」方向に右折 →(800m)→ 赤い手すりの木橋(鹿鳴橋)→ 渡れば駐車場 → 塩湯荘
・JR飯田線いなおおしま駅下車 → 丸茂タクシー(松川0265-36-3333)駅前待機 →(20km40分)→ 塩湯荘(約7000円)
宿 泊 7室 2食付き10,000円前後
泉 質 ナトリウムー塩化物強塩冷鉱泉(泉温9.5 pH7.4)
適応症 不記載(理由は温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照
日帰り入浴時間 10時〜14時 
定休日 毎週水曜日
入浴料金 大人600円
入浴施設 内湯男女各1(露天風呂無し)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ
観光スポット 大鹿歌舞伎夕立神パノラマ公園、大池公園、南アルプス登山、中央構造線博物館高遠城
お土産・食事 近隣に無し。
近くの温泉 小渋温泉、小渋湖温泉、信州松川温泉高遠温泉
大鹿村HP
観光協会HP
塩湯荘HP
http://www.vill.ooshika.nagano.jp/
http://ooshika-kanko.com/index.html
http://shioyuso.com/

中央道松川ICで下りて、国道153号を横切り県道59号(松川インター大鹿線ー通称小渋線)に乗って20kmほど東行、国道152号にぶつかって左折、、2kmほど走って右折した先に、鹿塩温泉が現れる(松川から平行する県道22号−松川大鹿線は隘路)。

直線距離にして東側へ15kmほどの塩見岳(日本百名山3047m)の西側山麓を源とする塩川の渓流沿いに、山塩館と塩湯荘の2館がひっそりと佇んでいる。

周辺には塩見岳をはじめ塩がつく地名が多いが、これは昔から塩分を多く含んだ温泉が湧出し、塩を製造していたためだ。
これは、1億数千年前に地中に閉じ込められた海水が、中央構造線の亀裂から湧きだしているもので、鹿塩温泉がその真上に位置している。

当然のことながら、旅館も「山塩館」「塩湯荘」と塩が付き、海水に近い濃度の温泉を煮詰めて作った山塩を料理に添えて供されることもある。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。)

鹿塩川を渡った先、鹿塩温泉の2軒の宿。手前が「塩湯荘」、奥が宿泊した「山塩館」。

温泉名 : 鹿塩(かしお)温泉 

中央道松川ICを下りて間もなく、大鹿(村)の標識が出てくる。前方の山々は3000m級の高峰が連なる南アルプス。

鹿塩温泉 塩湯荘 (長野県)

途中であった立派な滝だが、名無しのようだ。

宿泊する鹿塩温泉山塩館の看板も。

やがて天竜川に合流する鹿塩川。間もなく鹿塩温泉だ。