施設名 : 峩々温泉 (入浴日:2007.5.8)
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
川崎町は、宮城県の南部、仙台市と山形市に挟まれ、蔵王連峰に属する山岳丘陵地帯と河岸段丘によって出来た山間盆地によって形成されている。
東部の100mから1,579m(蔵王苅田岳)迄の標高差があって自然豊かな町である。
蔵王からの強風(蔵王おろし)が町を吹き抜けることから、住宅や農地を守る防風雪林が設けられて、この町独特の風景となっている。
町には、山形自動車道、国道286号線が東西に走り、国道沿いには人工湖釜房湖が満々と水を湛えている。
その脇には、東北最初の国営公園「みちのくの杜の湖畔公園」があって、私たちはそこで昼食を取った。
峩々温泉に近く、蔵王エコーライン(県道12号線)沿いにある「三階の滝(181m 日本の滝100選)
前日、蔵王温泉に宿泊、次の目的地・鳴子温泉郷に向かう途中で立ち寄った。
蔵王に泊まろうか、峩々に泊まろうか散々迷って前者にしたので、ここには、是非、立ち寄ろうと思っていた。
蔵王エコーライン(県道12号線)を東に向かい、途中、県道をそれて谷底に向かって急勾配の坂道を下って行くと、渓流沿いに峩々温泉が見えてきた。
谷底から上を見上げると、温泉名「峩々」の由来が実感できる。
周囲には荒々しい山容を見せる山々が峨々(峩々)として聳え、谷を取り囲んでいるからだ。
辺りには人家が全くなく、「日本秘湯を守る会」の会員旅館に相応しい自然だが、一軒宿の峩々温泉(温泉名と旅館名が同じ)は、青い屋根の瀟洒な建物群(宿泊棟)が建ち並び、意外な感を受ける。
ただ、右手の古びた木造の旧館だけが、往年の秘湯・湯治場を偲ばせる。
標高850m、蔵王の御釜に源を発する濁川が流れる峩々渓谷の谷底にある。
温泉ガイドブックに度々取り上げられる峩々温泉だが、すべて混浴の露天風呂(女性タイム有り)の写真が掲載されている。
しかし、残念ながらこの風呂は、2007年4月にリニューアルを済ませた新館に宿泊しないと入浴できない。
因みに宿泊料金は、平日2人1室で15,000円〜26,000円、中・高級旅館の部類に入る設定だ。
立ち寄り湯は、右手の旧館内にある内湯と露天風呂(六治の湯)で入浴する。
入浴料金は、少し前まで840円だったようだが、1,000円になっていた。かなり強気の料金設定だ。
旧館の玄関から古びた廊下を進んでいくと右手に内湯がある。
3,4人で満員の風呂はしっとりした木造、床も木なので風情が増す。
面白いのは窓が上部でなく下部に切られ、入浴しながら外の景色が見られるようになっている。
熱めの温泉は、泉質はナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩・硫酸塩温泉で、僅かに褐色がかってる。源泉温度が57度、加温・加水無しで掛け流しにされている。
立ち寄り湯専用の入口
従業員の手造りという男性用露天風呂
女性用の桧の露天風呂
峩々温泉のシンボルであるボンネットバス。
トラックのシャーシーをベースに大改造したもので、かなりの高齢、低血圧症で目覚めが悪いそうだ。(なかなかエンジンがかからない。)
毎年、引退が話題になるそうだが、周囲を含めてそれを惜しむ人が多く、未だ老骨に鞭打って頑張っている。
峩々温泉では、豊富な温泉を館内の床暖房に使っており、これは「せっかくの静かな環境をヒーターの音で壊したくない」という宿の配慮だ。
宿泊客専用の風呂や部屋・料理に加えて、こんな点からも人気を呼んでいるのかもしれないが、立ち寄り湯ではそこら辺は把握しがたい。
温泉ガイドブックで度々紹介されている人気の峩々温泉だが、立ち寄りでは入浴出来る風呂も限定され、正確な評価は出来ない。