静岡県伊豆半島は温泉の宝庫だ。
温泉地は、熱海温泉・伊東温泉・熱川温泉をはじめとする東伊豆、伊豆長岡温泉・修善寺温泉などの天城山系に続く中伊豆、若山牧水ゆかりの土肥温泉や景勝の堂ヶ島温泉などの西伊豆に満遍なく点在する。
この日、奈良から東京の実家に向かう途中、中伊豆最大の温泉地・伊豆長岡温泉で一泊した。
住 所 |
伊豆の国市長岡1076−1 |
電 話 |
0559−48−0715 |
交通機関 |
東名高速道路沼津ICから国道1号線136号線などで約20km
伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅からバスで5分
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施 設(日帰り) |
ラウンジ、ロビー、売店、駐車場100台(2ヶ所計) |
宿 泊 |
43室 宿泊料金は15,000円前後〜(季節・曜日・宿泊人数・プランなどによって変わるので下記HP参照のこと) |
泉 質 |
アルカリ性単純温泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(日帰り) |
11時〜21時(予約不要) |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人 1,050円 |
入浴施設 |
内湯男女各1 露天風呂男女各1 |
浴室備品 |
シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー |
観光スポット |
韮山の反射炉・江川邸(重文)・かつらぎ山パノラマパーク・伊豆洋らんパーク・トロピカリウム・沼津御用邸記念公園・伊豆・三津シーパラダイス・天城・
箱根・富士五湖地区
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お土産・食事 |
昼食は温泉街で。
土産は館内で可。
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近くの温泉 |
大仁温泉・韮山温泉・修善寺温泉・天城温泉郷(湯ヶ島・持越・吉奈・月ヶ瀬・嵯峨沢・船原)・河津温泉郷・土肥温泉等多数
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伊豆の国市HP
観光協会HP
伊豆ネットHP
旅館組合HP
山田家HP |
http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/
http://www.izunotabi.com/
http://www2.izu-kankou.or.jp/izu/index.asp
http://www.izuspa.com/
http://www.yamadaya-ryokan.co.jp/ |
雑記帳 |
全国的に見て、伊豆半島ほどの温泉密集地域は恐らくないだろう。
それも海・山・高原・渓流といった多種にわたる自然の中に、大小様々なタイプの温泉地があるのだ。まさに温泉の宝庫と言っていい。 |
施設名 : 山田家 (宿泊日 :2006.2.9)
伊豆の国市とは、聞きなれない地名だ。
2005年4月1日付けで伊豆長岡町、韮山(にらやま)町、大仁町が合併して出来た新しい市である。
同市は、伊豆半島の北部、田方平野のほぼ中央に位置し、東は箱根山系、西は城山・葛城山などに囲まれ、平野部には狩野川が南北に流れている。東京から100km県内にあり、東海道新幹線(沼津駅)、東名高速道路(沼津IC)を利用して2時間弱の所要時間である。
市域は歴史の町だ。
源頼朝は平清盛の継母池禅尼の命乞いによって、永暦元年2月(1160)14歳で韮山へ流され、少年期から34歳までをここを中心に暮らした。
比企一族をはじめとする源氏ゆかりの人々に後援され、北条政子との結婚、治承4年以仁王の令旨を受けた頼朝は、三島神社の祭日に平兼隆を討って平家討伐の火ぶたをきった。
さらに戦国時代の雄、北条早雲がここに城を築き、伊豆国支配の拠点としている。
この地域最大の観光スポット・韮山・反射炉。幕末、鉄製大砲鋳造のための金属溶解炉として建てられた。
国道136号線・414号線によって、伊豆半島の中央を貫き、海岸線を持たないエリアが中伊豆である。
北から伊豆長岡・修善寺・天城・湯ヶ島・大滝/七滝・湯ヶ野と個性が異なる温泉地が続き、自然に恵まれ、「伊豆の踊り子」で知られる川端康成など文学墨客に愛された温泉地が数多いのもこの地域の特徴だ。
東名高速道路の沼津ICから最も近く、三島から伊豆箱根鉄道が通じている伊豆長岡温泉は、中伊豆の温泉地の中で最も北部に位置し、旅館などの宿泊施設が50ヶ所を越える中伊豆最大の温泉地だ。
温泉街は、2つの地区から構成されている。
源氏山を挟んで東側にあり、源頼朝もしばしば訪れたという古奈地区と西側にあって、20世紀始めの試掘によって温泉が湧出した長岡地区の2つである。
現在は、長岡地区が旅館数も多く温泉街が構成されているが、逆に江奈地区は、しっとりした風情を残し、和の情緒たっぷりの旅館も多い。
昔ながらの共同浴場や日帰り温泉施設が多いのも伊豆長岡温泉の特色で、気軽に温泉を楽しめるのが嬉しい。
古奈地区にある共同浴場・あやめ湯。
長岡地区の足湯。
伊豆長岡温泉に宿泊したのは、奈良から東京への移動の中継地として、東名高速道路(沼津IC)から一番近いことと、入ってみたい日帰り温泉施設があったからだ(湯屋光林とあやめ湯を後日掲載)。
宿泊旅館として山田家を選んだのは、明治末期創業という老舗であること、リーズナブルな料金の2つが理由だった。
山田家は、長岡地区の小高い丘の斜面を利用して建てられた部屋数40余りの中規模旅館。
広大な敷地に数奇屋造り・平屋の独立性高い客室を幾棟か建て、それらを廊下で繋ぐ形になっている。
当日、私達が案内されたのはエレベーターでは3階になっているが、広い庭園の一角に建てられた一戸建て、離れを感じさせる部屋で、縁側からはそのまま庭に出られる客室(花月・302号室)だった。
風情ある数奇屋造りで、12.5畳の主室に6畳の和室が2間と広縁・BTという贅沢な間取りで、これまで宿泊した旅館で最も広い部屋だった。
あまりの広さに、しばらくは落ち着かず、お尻がむずむずする有様だった。
両親の介護・看護という制約があって先の予定が立たないため、例によって前日、インターネット上で旅館のホームページのお得プランを見ながら電話予約となったが、1人14,700円(税込み)にしては、いかにも広い部屋だった。
伊豆長岡温泉は集客力が落ちて苦戦している温泉地なのか、とよけいな心配をしてしまった。
奥に滞在中一度も使わなかった6畳間。クラシックな鏡台が懐かしい。
もう一つの6畳。襖や欄間の細工が繊細だ。
ロビー
部屋の縁側から下駄を履いて出た風景
●客室
● 風呂
私の旅館選びの基準の一つに、客室数が「30前後」という条件がある。宿泊する温泉地、料金などによってこの基準が満たされないことも多いが、その理由は館内が団体客でうるさくないこと、それに混んだ風呂に入りたくないことだ。
この観点から山田家はパーフェクトだった。
内湯の広い浴室は天井が高く、2面が全面ガラス張りで開放的、床は赤みがかった石板が敷き詰められている。
浴槽はL字型で一度に50人くらいが入れる大きさ、縁は檜、浴槽の底は滑りにくくて肌触りのいい石材で造られている。
湯が縁からあふれ出ていて、ガイドブックによれば「一部掛け流し又は準掛け流し」のマークが付いていたので、この大浴場がそうなのだろうか。
そうであれば、かなりの湯量が必要だ。
内湯から繋がる巨岩を使った庭園露天風呂は、これまた大きな造りで、左手に東屋を配して高い所から湯を落とし、右手にも大小の石を積み上げた頂上から豪快に湯が落ちてくる。
湯船の底には様々な大きさの石を敷き詰めてあって豪華、かつ、滑りにくくて足裏の感触もすこぶる良い。
露天風呂は風情ある白壁に囲まれていて、眺望がきかないことがまったく気にならない。
こんな内湯と露天風呂には、出発までに合計4回入浴したが、他の入浴客はほとんど見かけず、なんとも豪勢な入浴を存分に楽しんだ。
温泉は、2つの源泉を混合し、際立った特徴がない無色・透明なアルカリ性単純温泉だった。
● 食事
夕食・朝食とも部屋食だった。
味音痴で料理には寛大な自分であるので、例によって一品ごとのコメントは控えるが、肉は茶碗蒸しに鶏肉が入っていたくらいで海の幸が主役だった。宿泊料金からすれば、なんら不満はないものだった。
(写真は順不同)
先付け
豆腐
焚物
茶碗蒸し
焼物
鍋物
揚物
お造り
ハマグリの吸物
豪華な洗面台
鯛のカルパッチョ
L字型の大きな内湯
男性用露天風呂左側
男性用露天風呂右側
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
一部
平日・2人1室 1人14,700円(税込み)