伊豆長岡温泉 湯めぐりの宿 吉春 (静岡県) 

日帰り入浴不可

宿泊料金が22,680円と、我々にとってはいつもの予算をオーバーしていたが、これは和洋室の広い部屋故のもので、食事はあまり期待していなかった。

しかし、大きなアワビの踊り焼きなど、高級食材がふんだんに使われ、いかにも伊豆の高級旅館らしい手慣れた会席料理が供された。

食事会場は、夕食・朝食とも、内庭に面し、モノトーンのすっきりとしたレストランで取った。家内が部屋食・個室食より、他の客の声も聞こえて来る食事処を好むので、大いに満足していた。

奈良・東京往復の際の中継地として伊豆半島の温泉を選ぶとき、東名高速沼津ICから近い伊豆長岡温泉が便利だ。事情があって、しばらく温泉に泊まれなくなるので、少々予算をオーバーするが、風呂や食事などのクチコミ評価が高い「湯めぐりの宿 吉春(よしはる)」の和洋室(半露天風呂付き)を予約した。

所在地 :伊豆の国市長岡 

伊豆半島は、日本有数の温泉密集地帯である。
国道136号線・414号線が伊豆半島の背骨・天城山系を南北に貫き、これに沿って北から伊豆長岡・修善寺・天城・湯ヶ島・大滝・七滝・湯ヶ野と規模・雰囲気が異なる温泉地が続く。
天城山系の自然に恵まれており、「伊豆の踊り子」で知られる川端康成など文人墨客に愛された温泉地が数多い。

その東海岸側には「熱海」「伊東」の大温泉地、さらには熱川・稲取・河津等が連なる。駿河湾を臨む西海岸には土肥・堂ヶ島、その先の南伊豆には蓮台寺・下田・下賀茂などの温泉が続く。

伊豆半島有数の大温泉地である伊豆長岡温泉はこれらの温泉の最北端にあり、狩野川の南側、2つの地区から構成されている。

源氏山を挟んで東側にあり、源頼朝もしばしば訪れたという古奈地区と、西側にあって20世紀始めの試掘によって温泉が湧出した長岡地区の2つである。かっては別々の温泉名を有していたが、いまは伊豆長岡温泉に統一されている。

コンパニオン発祥の温泉地で、かっては歓楽街的色彩が色濃かった温泉地だが、現在の温泉街はしっとりした風情を残し、和の情緒たっぷりの旅館が多い

伊豆の国市は伊豆半島の北部、田方平野のほぼ中央に位置している。
東は箱根山系、西は城山・葛城山などに囲まれ、平野部に狩野川が南北に流れている。

狩野川は、伊豆半島の最高峰・天城山(1405m)に源を発し、太平洋に注ぐ河川としては希有な北流をして駿河湾に注ぐ。
1958年9月、関東地方に上陸した台風22号で氾濫し、1000人を超える死者を出して、後に狩野川台風と呼ばれるようになった。


当地ゆかりの源頼朝は平清盛の継母池禅尼の命乞いによって、永暦元年2月(1160)14歳で韮山へ流され、少年期から34歳までをここを中心に暮らした。

比企一族をはじめとする源氏ゆかりの人々に後援され、北条政子との結婚、治承4年以仁王の令旨を受けた頼朝は、三島神社の祭日に平兼隆を討って平家討伐の火ぶたを切った。

当市の観光スポットとしては、江川太郎左衛門邸(重文)、伊豆国一宮の三嶋大社(重文)、「明治日本の産業革命遺産」の一つとして、2015年7月に世界文化遺産に登録された韮山反射炉(国指定史跡)などがある。

市域にある温泉は、伊豆半島有数の大温泉地である伊豆長岡温泉の他に韮山温泉、大仁温泉、畑毛温泉等がある。

湯めぐりの宿 吉春は昭和27年開業、源氏山の西側、長岡地区にある和風旅館だ。

部屋数は30室で中規模、この内10室が露天風呂付(内2室はメゾネットスイート)、5室が半露天風呂付和洋室。

部屋の露天風呂は、すべて造りが異なっているので、宿泊の際は、HP掲載の各部屋の写真を見ながら予約を入れるのが良いだろう。

料金は、2人1室1人17,000円~48.000円前後で、高級旅館と言って良いだろう。
(但し、宿泊料金は、季節、曜日、1室人数、プラン等により変動するので、詳細・最新情報は宿のHPを参照ください。)


温泉は完全なかけ流しでは無いが、男女別の大浴場(露天風呂付)の他に、予約不要・無料で、趣きが異なる貸切風呂が5ヶ所もあり、これが上記じゃらんの風呂の評価が高い理由だろう。

温泉名 : 伊豆長岡温泉 
部屋 4.4 風呂  4.7
朝食 4.5 夕食  4.6
接客サービス 4.6 清潔感 4.5

貸切:「こもれびの湯」は2つの浴槽、子供を連れたファミリー向きだ。

玄関からロビーへの風景。お馴染みの赤絨毯でないので、シックな雰囲気。

つの貸切風呂(予約不要・無料)が並び、その前に足湯がある。

風呂場への回廊。

畳の湯上り処。冷水も置いてある。

広々とした洗面所は2槽。アメニティも充実。女性は華やかな色浴衣を選べる。

部屋から見た風景。目の前の建物は以前に宿泊したホテルサンバレー伊豆長岡

桧造りの半露天風呂は温泉でかけ流し。窓を開けると露天風呂の雰囲気。

温の物(ふかひれ玉子スープ・蕪・春菊・生姜・枸杞の実)

酢の物(蟹錦紙巻・細魚・水雲・海月・青柳・胡瓜・茗荷・黄味酢)

留椀(赤出汁仕立・こしひかり・自家製漬物)

水菓子(ジェラード)

造り(鯖・地物白身魚2種・甘海老・烏賊)

煮物(海老芋・豚市松・松茸含まぜ・いんげん)

お凌ぎ(黒米おこわ がり)

リンゴワインからスタート。

料 理

風 呂

貸切:「さくらの湯」は円形・石造り。

貸切:「はーぶの湯」は最も小さい

夕食・朝食は、中庭を見ながらダイニングルームで取る。3年前にリフォームされ、天井を取り払って吹き抜けになったので開放感たっぷりだ。

高級旅館らしい佇まいの吉春。

部屋は5階の「511号室・澪標(みおつくし)」。

澪標は「源氏物語」五十四帖の一つ、第14帖の巻名。
ここを訪れた源頼朝や2ヵ所の温泉を分ける源氏山に因んだネーミングだろう。

部屋は「和モダン客室 ラグジュアリーフロア 彩
の5室の1つで、間取りは、
ツインのベッドルームとダイニングテーブルが置かれた14.5畳の和室で、半露天風呂の桧風呂(温泉かけ流し)、独立した洗面所と機能トイレ付き。

ダイニングテーブルの部屋は箱根湯本温泉・吉池以来で、足腰に支障ある我々には、何よりも嬉しい家具だ。

料金は、平日2人1室2食付きで1人22,680円(税別ー2015年1月)。

「せきれいの湯」の桧の内風呂は、長さ6mx4mとかなり大きい。温泉はpH9のアルカリ性単純温泉で、しっとり感がある。床は伊豆石だろうか、滑りにくい石板が敷き詰めてある。

内湯から続く岩風呂は5~6人規模。サウナも設けられている。温度はやや温め。

台の物は食材が多種(寄せ鍋ー海老・魚・烏賊・浅蜊・帆立貝・鶏肉・白菜・根深・水菜・榎茸・椎茸・大根・人参・白滝・葛きり・柚子)

先付(子持ち昆布 鰹糸掻き)

前菜(合鴨八幡巻・海老芹山葵和え・河豚流し・烏賊黄金焼・細根大根)

じゃらん クチコミ 総合4.6 (2015.8.28現在)

源氏山を挟んで、古奈古奈地区と長尾地区に湯宿が並ぶ。日帰り入浴を受け付けている宿が幾つかあり、日帰り施設の他に昔ながらの共同浴場も3ヶ所ある。

2015年7月、世界文化遺産に登録された韮山(にらやま)反射炉

施設名 : 湯めぐりの宿 吉春(よしはる) (宿泊日:2015.1.6) 

シモンズ製のツインベッド。自宅と同じ寛ぎが出来るテーブルが嬉しい。

貸切:「もくれんの湯」は美しい桧造りで、4人規模。これを含めて5ヶ所の貸切は予約不要・無料。

中皿(大きな鮑踊り焼き レモン バター)

貸切:「おりーぶの湯」はデッキの上に造られている。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に当該施設のHPなどでご確認ください。 
住 所 静岡県伊豆の国市長岡989-10
電 話 055-948-1212
交通機関 東名高速道路沼津ICから伊豆縦貫自動車道・伊豆中央道などで25分
伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅から温泉場循環バス(下車バス停留所不明)
宿 泊 30室(和洋室5 露天風呂付き和室10 10畳和室15)
2人1室1人17,000円~48,000円前後
泉 質 アルカリ性単純温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
日帰り入浴時間 不可
入浴施設 内湯:男女別各1 露天風呂:男女別各1 貸切露天風呂5ヶ所(予約不要・無料)
浴室備品 シャンプー・ボディソープ・ロッカー・ドライヤー アメニテはィ充実している。
観光スポット 韮山の反射炉(世界文化遺産)・江川邸(重文)・かつらぎ山パノラマパーク・伊豆洋らんパーク・トロピカリウム沼津御用邸記念公園・伊豆・三津シーパラダイス・天城峠・箱根・富士五湖地区
お土産・食事 大きな温泉街なので食事・買い物には困らない。
近くの温泉 大仁温泉・韮山温泉・修善寺温泉天城温泉郷(湯ヶ島・持越・吉奈・月ヶ瀬・嵯峨沢・船原)・河津温泉郷土肥温泉等多数
伊豆の国市HP
観光協会HP
伊豆ネットHP
旅館組合HP
吉春HP
http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/
http://www.izunotabi.com/
http://www2.izu-kankou.or.jp/izu/index.asp
http://www.izuspa.com/
http://www.izunagaoka-yoshiharu.co.jp/