施設名 : 湯之島館  (宿泊日:2006.11.24)
所在地 : 下呂市
温泉名 : 下呂温泉  
   下呂温泉 湯之島館 (岐阜県)
2004年3月、益田郡の下呂町・小坂町等5町村が合併して下呂市が誕生した。下呂市は県の中東部に位置し、御嶽山系の1000m級の山並みが迫り、中央を飛騨川が流れる。

奈良時代後期、この地には、宿駅として下留(しもつとまり)が置かれていた。
これが室町時代には、音読みとなって「ゲロ」と読まれていたことを明かす古文書が残っている。


観光では大型温泉地の下呂を中心に、飛騨木曽川国定公園が市域に展開し、年間300万人の観光客を集めている。

また、今回の合併により、通年営業では標高が最も高い濁河(にごりご)温泉も市域に入った。
下呂温泉の中心街に「林羅山」の銅像が立っている。
下呂温泉を日本三名泉として、日本全国に知らしめてくれた恩人だからだ。
徳川家康以下4代将軍に使えた儒学者・林羅山は、摂津・有馬温泉にて作った詩文集第三に「諸州多有温泉、其最著者、摂津之有馬、下野之草津、飛騨之湯島(下呂)是三処也」と記述している。

現代の下呂温泉は、飛騨川の両岸から山の中腹まで大小の旅館・ホテルが50軒以上建ち並ぶ。
土産物や飲食店も多く、歓楽的雰囲気も漂わせている。

もともと4km離れた山で発見された源泉は、鎌倉時代に一度涸れたが、現在の飛騨川の河原で再び発見された。今も、河原には源泉塔が多数立っている。
その河原には、囲いがなく周囲から丸見えの露天風呂の他、3軒の共同浴場、それに近年増設された足湯が、温泉街のあちこちに点在している。


住 所 岐阜県下呂市湯之島645
電 話 0576−25−3131
交通機関 JR高山本線下呂駅から送迎バス
中央自動車道中津川ICから約53km
東海北陸自動車道関ICから約64km
施 設(日帰り) ロビー、喫茶室、駐車場
宿 泊 74室 宿泊料金は19,000円前後〜 。詳しくは下記湯之島館のHP参照ください。
泉 質 アルカリ性単純温泉 pH8.9 源泉温度55℃
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 立ち寄り湯は13時〜14時と短いので要注意
定休日 無休
入浴料金 大人 1,000円 (1,200円の湯巡り手形を購入すると3ヶ所の旅館の風呂に入浴できる)
入浴施設 内湯・露天風呂男女各1、家族風呂4ヶ所 (宿泊者のみ利用可・無料)、足湯
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 下呂合掌村、旧大戸家住宅(重要文化財)、民芸の郷、悲太陶房、中山七里、高山
お土産・食事 大きな温泉街があるのでここを利用
近くの温泉 乗政温泉、飛騨金山温泉、白川温泉、萩原温泉,湯屋温泉
下呂市HP
観光協会HP
旅館組合HP
湯之島館HP
http://www.city.gero.lg.jp/HP/index.cfm
http://www.gero-spa.com/
http://www.gero-spa.or.jp/
http://www.yunoshimakan.co.jp/
雑記帳 2001年6月、温泉仲間のAR氏夫妻とともに、奥飛騨温泉郷(別掲)の新穂高温泉に宿泊、その帰路に立ち寄った。当初はガイドブックで立派な浴室が紹介されていた「水明館」で入浴する予定だった。
ところが、旅館駐車場の管理者が、日帰り入浴者の駐車を門前払い、そこでクアガーデン露天風呂に向かった。
宿泊する場合は団体向きの巨大旅館は敬遠するので、次回下呂に宿泊の際は、ここははじめから宿泊候補外なるものの、これがあって「絶対宿泊しない」と心に固く誓った。
それから5年半ぶりにここを訪れ、いつかは泊まりたいと思っていた日本情緒たっぷり、5万坪の敷地を持つ「湯之島館」に宿泊した。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
飛騨山地の山々に囲まれた東海有数の大温泉地
下呂温泉のシンボルの河原の露天風呂「噴泉池」
下呂温泉と呼ばれるようになったのは昭和に入ってからで、それまでは湯之島温泉と呼ばれていたそうだ。
その呼称を名乗るのが、温泉街から少し離れた小高い山の中腹、温泉寺の背後にある湯之島館だ。

昭和6年創業当時のままの入母屋造りの本館は、樹齢数百年の檜の木立に囲まれて堂々たる佇まいを見せている。

敷地が5万坪もあり、広大な庭園には小径が整備されていて、四季折々の移ろいを楽しみながら散策することが出来る。

館内に入ると、日本建築の粋を集めた客室や、昭和初期のレトロな雰囲気のバー・ダンスホール・マージャン室・足湯などがあって、これを観るだけでも訪れた価値がある。

客室は、
「本館」「別館」「景山荘」「深山荘」の他、昭和天皇が利用された「七重八重の間」、今上天皇が利用された「雲井の間」など日本建築の粋を集めた特別室が4棟ある。
本館は昭和6年創業当時のままの姿を残す木造3階建で
昭和初期の匠の技を今に残している。
敷地5万坪を散策できる
昭和6年建築の木造本館(3階建)
檜林に囲まれた特別室の一棟
べんがら色の特別室・春慶荘
北山丸太の柱、竹の長押、折上天井のロビー
喫茶室
洋館・麻雀室
洋館の一部(写真は湯之島館から借用)
洋館廊下
昭和初期の洋館を鑑賞しながらの足湯。もともとは噴水だったが、これを加工した。
宿泊した景山荘の客室は10畳に3畳の踏み込み+広縁+BT
部屋の風呂は温泉利用。窓が完全に開き半露天風呂となる。
創建当時のままの洋館
景山荘・金曜日2人1室(BT)@23,250円
400湯達成記念として下呂温泉・湯之島館に宿泊した。
数多い下呂温泉の旅館の中から湯之島館を選んだのは、檜林の5万坪の敷地に佇み、日本建築の粋を集めた建物群に魅かれたためだった。

例によって前日の予約だったので、お目当ての木造3階建ての本館は満室、近代的な新館の景山荘だけに空室があった。

ここに宿泊したら、敷地内及びすこし下にある温泉寺にかけての散策と館内の見学を是非しておきたい。
残念ながら、昭和天皇が宿泊された七重八重の間他の特別室は宿泊があったため見学できなかったが、アンテーイクな洋館などを見て歩き、昭和初期は、もう歴史の中に入ってきていることを実感した。
部屋は全部で74室ある比較的大きな旅館だが、棟が分かれているのでそれほどの規模を感じさせない。
各部屋の内部は、湯之島館のHPに紹介されているので、予算と合わせて検討し、好みの部屋にこだわって予約をされることをお薦めする。
堂々たる入母屋造りの玄関
風 呂
男女別の展望の良い内湯と露天風呂、それに無料の貸切風呂4ヶ所が洋館にある。泉質はアルカリ性単純温泉で、風呂は放流式、一部循環濾過併用の準掛け流しだ。
本館以外の客室の風呂はすべて温泉が使用されている。
かなり大きな風呂で、檜の林越しに展望が開けている。
見晴らしのいい山腹に造られた露天風呂。
洋館にある4つの貸切は、昭和6年創業時に設けられ、レトロな雰囲気を漂わせている。
それぞれ脱衣所兼湯上り処が付いていて、空いていれば、ロックして、無料で入浴できる。
食 事
湯之島館は「飛騨牛をメインにした懐石料理で、地の食材、旬の食材を生かし、地産地消の飛騨の料理を心がけております」と謳っている。
夕食は、全室で部屋食(宿泊した部屋は朝食も部屋で)となる。

夕食は凝ったものではないが、地元の飛騨牛を中心に郷土食や地元の食材を適当に織り交ぜてそれなりの懐石料理となっている。

朝食は、他の旅館にはあまり付かないジュース・ヨーグルトから地元の朴葉味噌まで、とても充実していて、これまでの朝食ベスト3に入るものだった。


400湯達成記念で、通常の予算を超えた宿泊をしたが、館内・部屋・風呂・料理の総合評価で、宿泊料に見合った満足感が得られた。
400湯達成記念に、いつもの予算をオーバーするが、昭和初期のレトロな雰囲気が漂う湯之島館に宿泊した。