和風村は、古き良き時代の草津温泉を再現しようと集まった14軒の格式ある老舗宿の総称だ。
山本館・
松村屋・大阪屋・益成屋・湯元館・ての字屋・奈良屋・草津ホテル・旅館たむら・群龍館・つつじ亭・ひのき亭牧水・日新館・望雲の14館。

この14宿のいずれかに宿泊した場合、(湯巡り)通行手形を1000円で購入出来る(1冊3名まで2年間有効)。
この手形を持参し、最初に湯畑近くの「草津山光泉寺・薬師堂」にお参りし、寺務所に用意された御朱印を通行手形に押してから、好みの宿の内湯に向かう。

この場合、入浴料金・大人一律700円を各宿に支払って入浴できる。
多くの宿の日帰り入浴料金は1000円程度が多く、3軒入浴すれば元が取れる勘定になる。その上、日帰り入浴を行っていない高級旅館にも、この手形を見せれば堂々と入浴出来るのがメリットだ。
各旅館ともこの手形を見せると丁寧な応対をしてくれる。

入浴時間帯は宿によって異なり{和風村HP参照)、最短の「ての字屋」は12時〜14時、「つつじ亭(通常の外来入浴不可)」は12時半から14時までとなっていて、よほど早く現地に到着して、行動計画を立てておかないと入浴できない。
(今回、この二つは時間の関係で入浴できなかった)。

5ヶ所で入浴して、手形のスタンプが5個が集まると、これを泊まった宿で見せると感謝状と記念品が贈呈される・

草津温泉 奈良屋 (群馬県)

日本の温泉を代表する名湯・草津温泉。和風の宿14軒で組織している「和風村」を利用して、5軒の老舗宿で連続入浴した。一番最初の宿は、湯畑近くにあってしっとりした和の雰囲気を漂わし、白旗源泉を一晩寝かせたものをかけ流しにしている奈良屋だった。

湯畑横の「熱の湯」で観光用に開催される「湯揉みショー(500円)」

住  所 群馬県吾妻郡草津町草津396
電  話 0279−88−2311
交通機関 関越道渋谷伊香保ICから国道353・145.292号線で60km
上信越道碓井軽井沢ICから県道43・国道146・292号線で55km
(道路状況・景色などから、軽井沢経由がお勧め)
JR長野原草津口からJRバス(25分)
JR軽井沢から草軽バス(80分)
施  設(日帰り用) 湯上り処、ロビー、駐車場(20台)
宿  泊 和室(BT6 T29)
入浴時間 立ち寄り入浴:11時30分〜14時(予約不要)
食事付入浴11時30分〜17時2,400円(食堂利用・予約不要)
宿泊者 24時間
定休日 年中無休
泉 質 酸性・含硫黄―アルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉(53.6℃ 無色・硫化水素臭 pH2.0)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金(日帰り) 大人 1200円(和風村利用で700円)
入浴施設 内風呂:男女各1 露天風呂:男女各1 貸切内風呂1・露天風呂2
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 湯畑、西の河原、熱の湯(湯もみショー)、ベルツ記念館、片岡鶴太郎美術館、軽井沢、浅間山(鬼押し出し)、白根山(湯釜)

草津から万座・志賀高原に続く国道292号線(志賀草津道路)は、雄大な山並みを縫うように走る快適な山岳道路。途中、有毒ガスが発生して立ち入り駐車禁止の殺生河原、日本百名山の一つである白根山(コバルトブルーの湯釜が素晴らしい)、国道の中では最も高い「渋峠」を通過して行く、日本有数の大パノラマ山岳道路だ。
お土産・食事 温泉街に食事処・土産物屋多数
近くの温泉 草津温泉の数多い外湯巡り(西の河原、大滝乃湯、白旗の湯、千代の湯等)
万座温泉尻焼温泉、花敷温泉、湯の平温泉沢渡温泉、川中温泉(日本三美人湯の一つ)など多数
草津町HP
観光協会HP
旅館協同組合HP

和風村HP
奈良屋HP
http://www.town.kusatsu.gunma.jp/
http://www.kusatsu-onsen.ne.jp/
http://www.yumomi.net/
http://www.kusatsu.info/wahu/top.html
http://www.kusatsu-naraya.co.jp/
雑記帳 草津には2泊し3回ほど立ち寄ったが、入浴施設数は伸びず、奥行きの深い草津温泉の表面をほんのわずか触れただけだった。
今回、温泉仲間との身軽な滞在であり、旅館5ヶ所・共同浴場2ヶ所で入浴、それに熱の湯の湯揉みショー観光と充実したものとなった。
しかしながら、風呂が充実した大滝乃湯での入浴はまたも逃した。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

奈良屋は明治10年創業の老舗宿。

湯畑に面する山本館の隣にあり、正面玄関のある建物は昭和29年築の木造3階建てで風情がある。
奥に鉄筋5階建のつつじ館があり、湯畑を見下ろす部屋に人気がある。
部屋数は合計で35室だ(BTまたはT付き)。
館内は昔懐かしい帳場など古き良き時代の風情を残している宿だ。

宿泊料金は、2009年11月時点で割安プランの16,000円から27,000円前後までの料金帯となっている。


宿泊したわけでないので客室の様子・食事・サービス等は不明だが、じゃらんなどのクチコミを見ると、温泉・風呂への評価が高く、食事はまあまあといったところである。

所在地 : 吾妻郡草津町

草津町は人口が約7,300人、群馬県の北西部に位置し、東西9km・南北8km、北と西には三国山脈の2,000m級の山々がそびえ、一方、東と南は海抜約1,200mの高原となって開けている。

町の北西、大パノラマが開けるスカイライン国道292号沿いにはコバルトブルーの神秘的な湯釜を持つ白根山、南には日本一の避暑地・軽井沢そして鬼押し出しで有名な浅間山がある。

この二つの活火山に挟まれた草津温泉は、日本で一、二を争う実力派の大温泉地である。

上信越国立公園に含まれる草津白根周辺は太平洋と日本海の分水嶺となっている。
1年間の平均気温が7℃と低く、夏でも25℃を越えることが滅多に無い。

湯畑の真横にある「山本館」


宿泊する日新館のチェックインが1時だったので、この時間に到着。
さっそく通行手形を宿で購入。
先ずは湯畑に近いく光泉寺の階段を
100段ほど上がり、寺務所で御朱印を押してから、1番目の宿、純和風の風情たっぷりの奈良屋に向かった
2番目は隣、大正時代に建てられた数寄屋造りの山本館、3番目は「せがい出し梁造り」の大阪屋。
4番目に大阪屋の向かいにあるこれまた和風の「松村屋」で入浴。
宿泊する日新館も和風村のメンバーなので、ここを加えて一気に5館を制覇した。

この間1時間20分、別行動を取った仲間との集合時刻に間に合った。
日新館に戻り、フロントに御朱印と4館のスタンプがついた通行手形を渡した。
5館制覇の賞品は草津温泉の刻印が押された下駄だったが、年寄りに下駄は危険。
無理を言って雪駄を頂くことにした。
意外と知られていないが、草津温泉は標高約1200m前後の高所にある。草津のシンボル・湯畑には「ここの標高は1,156m」と彫られた石の標識が置いてある。

その草津だが、温泉力という視点では日本一の温泉地と言っていいだろう。その理由として次のようなものが挙げられる。

●万代・湯畑・西の河原・白旗など、周辺を除く温泉地内だけの源泉で日本一の自噴湧出量があり、しかもすべて加温不要の高温泉である。
(草津が約23,300リットル/分、続く別府は15,200リットル)
●湯畑・西の河原等の豪快な自噴源泉を間近に見られる。
●温泉街内のすべての旅館の風呂が源泉掛け流し。
●1円玉が1週間で消滅するというpH2前後の強酸性温泉とその効能。
●さまざまな形態の宿が150軒もあり、予算・好みに応じて幅広い宿選びが可能。
●すべて掛け流しで無料(志納)の共同浴場が18ヶ所もある。
●日本で1,2位を争う強大な露天風呂がある。
●時間湯・湯もみといった温泉文化が継承されている。

下駄に代わる賞品の雪駄と通行手形と5館のタグ。

和風のしっとりした雰囲気を漂わす館内

草津のシンボル「湯畑」

温泉名 : 草津温泉 

「和風村」で名宿・名湯巡り

内湯と露天風呂が組み合わさった大浴場として「御汲上げの湯」「花の湯」の2つがあり、この日は前者が男性用になっていた。
宿泊の場合は男女交代制になっていて、両方で入浴出来るのかもしれない。

木材をふんだんに使用した浴室内の内湯には、石を組んだ楕円形の湯船があり、硫黄を含むアルミニウム―硫酸塩・塩化物温泉 の淡く白濁した温泉が満たされている。
この温泉は湯畑の背後に湧き、特に泉質が良いと言われている「白旗源泉」を地下で一晩寝かせたもので、酸性の刺激性が弱まり、肌になじむようなまろやかさが増すそうだ。実際に浸かった時の感触もヌルスベで強酸性のピリピリ感が感じられなかった。

この他に宿泊者が利用する有料の貸切風呂が3ヶ所ある。

通常の日帰り入浴11時30分から16時までで大人1200円となっているが(フェイスタオル付き)、今回は上記の和風村交通手形を利用したので7000円で入浴した。

なかなか豪華な浴室内の洗面所

木造3階建ての風情ある本館(ゆけむり館)。


「せがい出し梁造り」の大阪屋は、湯畑の奥にある。

御汲上げの湯の内湯(左)と露天風呂。露天風呂と言っても屋根があり、視界が開けていないので内湯と思ってしまう。

施設名 : 奈良屋 (入浴日:2009.10.20)