温泉街のアーチをくぐって少し進むと左手に小さな共同浴場「下湯温泉館」が現れる。これを通り過ぎなだらなな坂道を上がっていくと、温泉街の中心右手にかなり大きく古びた吉岡温泉館の建物が見えてくる。
朝8時から入浴出来て、しかも入浴料金が大人200円と安いのはいかにも共同浴場らしくて好感が持てる。
館内はむき出しのくすんだコンクリート壁とタイル床、共同浴場としてはかない広いスペースで、使い古したベンチや自動販売機などが雑然と置かれている。
2階に上がれば1時間300円で利用できる休憩室がある。
かなり広い浴室はタイル張り、奥に黒い磨き石で縁どられたタイルの風呂がある。
足を折りたためば7,8人が一度に入れるだろうか、浴槽のタイルの色のせいで湯が真っ青に見える。
泉質は透明・さっぱりした単純温泉、温度はかなり高く44℃くらいに思えた。
シャンプー類は無く、ロッカーも見当たらなかった。
鳥取市は中国地方の北東部、県の北部に位置する県庁所在地で人口は約20万人、山陰地方唯一の特例市だが人口密度は全国の県庁所在地の中で最も低い。
江戸時代は池田氏の治める鳥取藩32万5千石の城下町として栄えた。
池田氏は織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3代に仕えた英傑・池田輝政を祖とする大名で、最盛期は一族で播磨国姫路の他、備前国岡山・因幡国鳥取城等を合わせて九十二万国を有し「姫路宰相百万石」と称された。
さらに徳川家との縁組で家格を引き上げ、明治維新まで繁栄した。
鳥取市は世界最大級の液晶工場を擁するなど、山陰随一の工業都市でもある一方で、日本一の鳥取砂丘や白兎海岸など豊かな自然に恵まれた都市である。
因みに鳥取砂丘は東西16km、南北2.4kmにわたって広がり、海浜砂丘としては世界最大級である。
特産品としては、松葉ガニ・白イカ・もさエビ・岩ガキ・20世紀ナシ・砂丘ラッキョウなどがある。
時が止まったような温泉街を歩いていくと、吉岡温泉の発祥の地である株湯に出会う。すぐ横には、贅沢な掛け流しの足湯(他に1ヶ所)がある。
町のいたるところで見られる板張りの四角い箱は温泉井戸で、蛇口をひねると温泉が出てくる。
吉岡温泉には上湯と下湯の2つの共同浴場があり、それぞれ吉岡温泉館と下湯温泉館の名称がつけられている。
また、立ち寄り入浴が可能な旅館も多いので、日帰り入浴には苦労しない。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
青いのはタイルの色のため。湯が静かに流れ出ていた。
住 所 |
鳥取市吉岡温泉町749−1 |
電 話 |
0857−57−0555 |
交通機関 |
中国自動車道佐用ICから80km(鳥取駅から車で15分)
JR鳥取駅から日ノ丸バス吉岡温泉行きで25分、終点下車 |
施設(日帰り用) |
有料休憩室 自動販売機 駐車場(15台) |
宿 泊 |
不可 |
泉 質 |
単純温泉 |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間 |
8時〜22時 |
定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人:200円 小人(0歳〜小学生):100円 |
入浴施設 |
内湯:男女別各1 |
浴室備品 |
シャンプー類は無し ロッカーも見当たらなかった。 |
観光スポット |
鳥取砂丘、白兎海岸、湖山池、鳥取市内(久松公園・わらべ館・やまびこ館・県立博物館等)
倉吉市、三徳山三佛寺(国宝・投入堂)、大山 |
お土産・食事 |
温泉街で、昼食取れるかどうか不詳。 |
近くの温泉 |
鳥取・岩井・浜村・鹿野・湯村・三朝・東郷・羽合温泉等 |
鳥取市HP
観光協会HP |
http://www.city.tottori.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
http://www.torican.jp/ |
雑記帳 |
鳥取県を代表する農産物として20世紀梨がある。これはもともと千葉県で二十世紀梨の実生が発見されて、後に鳥取県で栽培されるようになった。平成16年で導入100周年を迎えたが、最近は後発の梨に押されて生産高が減少している。
もう一つの特産、砂丘ラッキョウは値段が高く、家内はいつも買うのを見送っている。 |
両側に小さな旅館が立ち並ぶ
温泉が溢れ出ている足湯
吉岡温泉発祥の株湯
施設名 :吉岡温泉館 (入浴日:2008.10.21)
因幡温泉郷の一つ、吉岡温泉は車がやっと1台通れる坂道に、昔ながらの風情を残す15軒の小さな宿と2ヶ所の共同浴場が佇んでいる。
鳥取市では、県の東部に点在する5つの温泉を「いなば温泉郷」と称して、積極的にPRしている。
岩井・鳥取・吉岡・浜村・鹿野の5つの温泉、小規模で地味な温泉群だが、温泉隙好きには魅力的なラインアップである。
鳥取砂丘から10数キロ、砂丘によって日本海から分離された日本一大きな池「湖山池」の横を通り過ぎると、三方がなだらかな丘陵に囲まれたた吉岡温泉の大きなアーチが見えてきた。
温泉街は背後にひかえる丘陵に続くなだらかな細い坂道に沿って伸び、15軒ほどの小さな旅館や共同浴場が立ち並ぶ。
湯量が豊富なのだろう、掛け流しの風呂を持つ宿が多い。
吉岡温泉は岩井・勝見とともに因幡3湯として古くから栄え、江戸時代には鳥取藩主池田氏がしばしば湯治に訪れた。
昼間の温泉街、行き交う人もなくひっそりしているこの道は、当時の街道そのままなだろうか、車がすれ違えないくらい狭い。