岩屋館は日本秘湯を守る会の宿。
秘湯の宿に相応しく、最後の1キロはかなりの隘路・悪路だ。

車を止めて橋を渡って玄関に進む時、宿の背後に火山岩の断崖が宿を包み込むように迫っているのに気がつき、宿の名前はこの景観に由来するのかな、と思った。

建物は本館(3室)、新館(9室)・離れ(2室)からからなり、部屋数は全部で14室(すべてBT又はT付き)。

料金は16,000円〜25,000円程度(2010年1月現在)だが、年度・季節・曜日・宿泊人数等によって変動するので、詳細は宿のHPを参照ください。

案内されたのは本館の和室+ベッドルームの部屋で、宿泊料金は税込みで18,900円。秘湯の宿にしてはなかなかの料金だ。

角間温泉 岩屋館 (長野県)

信州には湯田中渋温泉郷の角間温泉と上田市角間渓谷に湯煙をあげる角間温泉の2ヶ所がある。
今回は後者の一軒宿で日本秘湯を守る会の岩屋館に宿泊した。

風呂は内湯と原則混浴の露天風呂がある。

内湯は、小さめの源泉風呂と湧水を加温した湯を入れた風呂がある。24時間入浴可能で男女交代制。

一方、露天風呂は夜は9時30分まで、朝は7時30分からで、冬は利用できないようだ。
ここも湧水をわかした風呂と源泉風呂の2種類が設けられている。
原則混浴だが、女性タイムとして「16:30〜17:30 19:30〜20:30」の時間帯が設定されている。

最近掘り当てられたナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温は49℃あるが、地表に出ると炭酸が気化して熱を下げて30℃前後になる。そこで若干加温しているが、それでも35℃前後と温めになっている。

源泉はもともとは微白濁だが時間の経過とともに鉄分が参加して黄色みを帯びた茶色に変化する。
口に含むと塩味・鉄味がし、炭酸のしゅわしゅわは無い。

混浴の露天風呂。正面右側が女性用脱衣所。近年掘り当てた源泉温度49℃のナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉を加温して掛け流し。

地の食材を多く使い、味は薄味で全体に胃にもたれない料理が、シンプルな白い皿に品よく盛られ、見た目にも美しかった。

料理は一皿または二皿づつ、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく供され、この宿が料理に力を入れているのが分かる。
最後に出た信州そばもさすが本場物、味・喉越し・香りとも合格点だった。

食後のコーヒーは自由に。

所在地 : 上田市真田町 

テーブルで食べられるのが何よりも嬉しい。



上田市には数多くの名湯が湯煙を上げている。
信州の鎌倉と言われ品格のある別所温泉、鹿に化身した文殊菩薩が温泉を漁師に伝えたという鹿教湯温泉、その他に旅館数軒あるいは一軒宿の霊泉寺温泉・大塩温泉・角間温泉などがそれだ。

角間温泉は、日本森林浴の森100選
の一つ、角間渓谷の中に位置する一軒宿の温泉である。
かって真田一族の居城が近くにあったので、真田家の隠し湯とも言われている。

周囲は切り立った火山岩の峡谷で、のしかかる様に断崖絶壁がそそり立ち、特に秋は渓谷全体が赤く染まり、信州有数の紅葉の名所になっている。

近くには真田本城跡・真田氏歴史館・真田氏記念公園や真田一族の墓がある氏寺等が点在する。
まさに真田一族一色の地域だ。


平成18年3月に(旧)上田市と丸子町・真田町・武石村が合併して、新しい上田市が誕生した。
上田市は長野県の東部にあり、、塩田平と呼ばれる盆地の中にある.。
塩田平には、主として鎌倉時代に建立された安楽寺{国宝)などの寺社仏閣が数多くあり、信州の鎌倉と呼ばれている。

市域の北上信越高原国立公園の菅平高原、南は八ケ岳中信高原国定公園に指定されている美ケ原高原などの有名高原があり、多くの観光客・ハイカー・スキー客を受け入れている。
また、市の中央部を千曲川(新潟県からは「信濃川」)が東西に通過、長野盆地へと流れている。

上田市と言えば、戦国時代、真田一族が本拠を置いていた土地である。父の真田昌幸、長男・信之、そして次男・信繁にまつわる戦国絵巻。特に中学生時代に読んだ講談本で、真田幸村(信繁と同一人物)が、配下の猿飛佐助・霧隠才蔵らの忍者や三好清海入道ら、真田十勇士と共に獅子奮迅の活躍をするさまに胸躍らせたものだ。

施設名 : 岩屋館 (宿泊日:2009年9月4日 金曜日2人1室 税込@18,900円) 

以下右へ朝食・・・卵焼きが美味しかった。

左:火山岩の絶壁が迫る。
上:橋の横にある足湯。

館内は秘湯系の宿に多く見かけるフロント・ロビー・廊下等の雑然さはなく、しっとりした落ち着きを見せている。

住 所 長野県上田市真田町長2868
電 話 0268−72−2323
交通機関 上信越自動車道 上田・菅平ICより国道144号線を菅平方面へ車で約20分
長野新幹線上田駅より菅平高原行きバス、真田バス停より送迎(要打ち合わせ)
施 設(日帰り用) ロビー、駐車場(30台)
宿 泊 14室 料金は16,000円〜25,000円程度(2010年1月現在)だが、年度・季節・曜日・宿泊人数等によって変動するので、詳細は宿のHPを参照ください。
泉 質 ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温(49℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
立ち寄り入浴時間 12時〜14時30分(予約不要)
定休日 不定休
入浴料金 大人 1000円
入浴施設 内湯男女各1混浴露天風1(日帰りの場合は入浴できない)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー
観光スポット 真田氏歴史館・真田庵・上田城・池波正太郎真田太平記館
塩田平「信州の鎌倉」と言われ国宝・重文の多数の寺社仏閣がある。安楽寺八角三重塔(国宝)、中禅寺薬師堂(重文)、常楽寺の多宝塔重文)、長福寺の夢殿観音(重文)、前山寺の三重塔(重文)無言館、善光寺、美ヶ原高原、蓼科高原、白樺湖、ビーナスライン、
お土産・食事 温泉街で可土産は館内でも可
近くの温泉 鹿教湯温泉・霊泉寺温泉・大塩温泉・地蔵温泉・渋沢温泉・千古温泉・独鈷温泉・・浅間温泉・美ヶ原温泉
上田市HP
観光公式HP
岩屋館HP
http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/index.html
http://www.bessho-spa.jp/
http://www.iwayakan.co.jp/
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

湯量のせいだろう、内湯・露天風呂とも湧水を沸かした湯船を設けてあるが、赤茶色の温泉を流して上がりたい気分になるので、これはこれで利用価値がある。

日帰り入浴は、12時〜14時30分までで、入浴料金は1000円。

日帰りの場合、露天風呂には入れないようで(未確認)、もしそうなら1000円は割高に感じるかもしれない。

脱衣場から見た露天風呂。手前は湧水を沸かしたもので温泉ではない。

風情ある露天風呂へのアプローチ

奥が源泉風呂

温泉成分が付着した内湯の床

お馴染みの日本秘湯を守る会の提灯

浴室へ行く途中の眺望ラウンジ、窓から見える木々が美しい。

ロビーには熊の剥製

浴衣にも六文銭と真田幸村と猿飛佐助等十勇士の絵柄。これは嬉しかった。

角間渓谷・角間温泉への入口。ここにも六文銭があった。
温泉名 : 角間温泉

真田家家紋の六文銭(角間温泉岩屋館にて)

8畳の和室。

ベッドは部屋が狭いため、横から乗れず、前方から乗って枕元に進むのが少々厄介。枕元のスタンド、なぜ中央に置かないのか?

狭い渓流を跨ぐ橋を渡って岩屋館へ。

内湯から繋がる湯ざましコーナー、目の前に崖が迫る。

食事

風呂

●相互リンクしているやなぎさんの記事を参照ください。