小谷温泉は、日本百名山・雨飾山の南麓、国道148号線から県道114号線に乗り換えて10km余り、標高850mの高地にあって、旅館3軒が張り付くようにして立っている。
その最奥、公共の宿・雨飾荘のすぐ近くの原生林の中に、寸志で入浴する露天風呂がある。
小谷村には、小谷温泉・姫川温泉・島温泉・奉納温泉・白馬乗鞍温泉など小さな温泉地や日帰り温泉施設が11ヶ所ある。
これらの中で最も歴史があり、温泉好きに知られているのが昭和46年に国民保養温泉地に指定された小谷温泉である。
日本百名山の雨飾山(あまかざりやま・・・1963.2m)の南麓、国道148号線から県道114号線に乗り換えて10km余り、標高850mの高地に旅館3軒が張り付くようにして立っている。
山々が迫る谷間にはブナ等の原生林が生い茂り、崖下には姫川の支流である中谷川の清流が流れ下っている。
開湯の歴史は古く、戦国時代の弘治元年(1555年)に遡り、武田信玄旗下の武将が発見したとされ、以来、長い間湯治場として親しまれてきた。
最奥に位置する雨飾荘のすぐ近くのブナの大木が茂る森に、村営無人の男女別露天風呂があり、4月下旬〜11月下旬にかけて入浴出来る(寸志)。
宿泊した日本秘湯を守る会の宿・山田旅館。この奥を進んだ先に村営の雨飾荘がある。
小谷村は長野県の最西北部に位置し、村の東部は上信越高原国立公園を含んで新潟県妙高高原に接し、雨飾山など標高2000m前後の山が聳えている。
西部は中部山岳国立公園を含み、白馬連峰の標高2500m前後の山々が連なり、村の中心部は峡谷型の地形になっていて中央を姫川が流れている。
その姫川沿いにはJR大糸線と国道148号線が走っている。
全面積の88%が森林が占め、耕地は僅か3%に過ぎない。
村域にはスキー場としても知られる栂池高原がある。
ゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いで、2000m程のところまで行くことが出来、天候に恵まれれば白馬連峰の雄大な景観が目の前に展開する。
様々な高山植物が分布しており、約100haの広さの高層湿原をそのまま自然公園とした栂池自然園があり、5月中旬は大雪原、6月中旬になると水芭蕉・チングルマ・ニッコウキスゲなどの大群落が咲き誇る。
巨大な岩をそのまま利用した露天風呂は、7〜8人が一度に入れる大きさ。温泉は透明なナトリウム―炭酸水素塩温泉で、重曹泉特有のすべすべ感があった。
反対側を見ると深い原生林の森で、葉が色づいていた。入浴と同時に森林浴も兼ねることが出来る。
公共の宿・雨飾荘。露天風呂はこの手前右に折れてすぐ。
左に行くと女性、右に行くと男性。右奥の脱衣小屋から道を横切って左にある風呂に向かう。近くにトイレもある。
住 所 | 長野県北安曇郡小谷村中土18926−1 |
電 話 | 0261−85−1607(雨飾荘) |
交通機関 | 長野自動車道豊科ICから国道148号線等で約75km JR大糸線南小谷駅から村営バス雨飾荘行で35分、終点下車すぐ |
宿 泊 | 雨飾荘で可 (詳細は下記雨飾荘HP) |
泉 質 | ナトリウムー炭酸水素塩泉(44.8℃) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
施設(日帰り) | 雨飾荘に食事処、休憩所(有料)、 駐車場(雨飾荘50台) |
日帰り入浴時間 | 午前10時〜午後9時(雨飾荘は午後10時まで) 営業期間は4月下旬〜11月中旬 |
定休日 | 上記営業期間中は無休 |
入浴料金(日帰り) | 露天風呂は寸志、雨飾荘は大人300円 |
風 呂 | 内湯:雨飾荘に男女各1 露天風呂(上記):男女別各1 |
浴室備品 | 露天風呂にはシャワー、シャンプー類無し |
食事・喫茶 | 雨飾荘に食事処・土産物売店有り |
観光スポット | 栂池高原・白馬・妙高高原 |
近くの温泉 | 姫川温泉・島温泉・奉納温泉・白馬乗鞍温泉・下里瀬温泉・栂池温泉・白馬八方温泉 |
小谷村HP 観光HP 雨飾荘HP |
http://www.vill.otari.nagano.jp/ http://www.nagasuki.jp/otari/ http://www.valley.ne.jp/~a-kazari/ |
姫川の本流・支流に沿って深い谷が続く。
宿泊した山田旅館を通り過ぎると道が細くなり、鬱蒼とした原始林の中を2kmほど進むとやがて公共の宿・雨飾荘に到着する。
当日は前述の雨飾山から下山した中年以上のグループが下山したところで、宿は大変ごった返ししていて、こちらでの入浴は遠慮した。
車を周辺の空き地に止め、森の中を僅かに入ると、看板があって右を進むと男性用、左に進むと女性用の露天風呂となる。
樹齢を重ねた大木の下に岩石で組んだ不定型の岩風呂があり、その横に棚を設けた簡便な脱衣所がある。
そこに置かれた箱に志を投げ入れてから風呂に向かう。
適温の風呂に入って、あらためて周囲を見回すと、頭上は大木の密度の高い枝で覆われ、四方は原始林に囲まれている。
秋の冷涼な風が渡り爽快な入浴だったが、日曜日と言うこともあって、次から次へと入浴客がやって来て入れ替わるため、撮影がままならなっかた。
施設名 : 小谷温泉露天風呂 (入浴日:2009.10.18)