橿原考古学研究所附属博物館 (橿原市)
「皇紀2600年記念事業」の橿原神宮外苑整備事業に伴い、奈良県に点在する史跡・名勝を調査する委員会が発足、故末永雅雄博士がこれを担当、県の工事事務所に調査事務所を設けた。
その日が1938年9月13日で、これを以って橿原考古学研究所の創立記念日としている。
(戦前、皇国史観の時代であり、現在の研究所の学術的立場とは大きな違いがあったかもしれない。)

附属博物館は、1938年以来行ってきた発掘調査で出土した旧石器時代から、縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良から平安・室町時代に至る出土品を常設展示している(春秋に特別展有り)。
館内には、中庭を囲むようにして上記時代順に3つの展示室があり、その他に特別展示室・映像ライブラリー・情報コーナー・ミュージアムショップなどがある。
一時、古墳時代を中心にした古代史にのめり込み、関連図書を5、60冊買い込み読破、合せて奈良県を中心に古墳や遺跡・史跡を巡り歩いた。このような者にとって、橿原考古学研究所附属博物館は必見の施設であるが、古代史に関心ない方にもお薦めしたい素晴らしい博物館だ。
魏志倭人伝(正確には「三国志・魏書東夷伝倭人条」)に登場する邪馬台国(女王・卑弥呼)の所在地を巡っては、江戸時代から論争が盛んで、本書や古事記・日本書紀・古墳・発掘調査による遺跡・出土品等を根拠に、大きくは九州説と大和説に分かれる。

何れの地であれ、一方の大和説にあっては、山辺の道沿い(国道169号線沿い)の巻向地区にあり卑弥呼の墓と伝えられる箸墓古墳をはじめ、巨大な古墳が奈良盆地のいたるところに点在する。
さらに古代の巻向・唐古といった遺跡、その後の飛鳥(明日香)・平城京(平城宮)の遺跡をはじめ、県内のいたるところから出土する品々は膨大なものであり、これらを展示する当博物館の充実ぶりには目を見張るものがある。

(因みに数多い天皇陵は宮内庁の管轄で発掘調査は認められていない・・最近例外的に神功皇后陵の立ち入りが認められたが)
古代史に関心が無いか方でも、一度は訪れたい博物館といえる。
近鉄橿原線・橿原神宮前駅から徒歩15分、同畝傍御陵前駅から徒歩5分。
巨大な埴輪群。今は木々が茂る丘に見えるが、往時はこれらの埴輪が石を葺いた墳墓(古墳)に並べられていた。
お断り:
奈良紹介のHPを持っていると係員に話し、フラッシュなしで数点の撮影の許可を頂いた。
住 所 奈良県橿原市畝傍町50−2
電 話 0744−24−1185
開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分迄)
休館日 月曜日(祝日の場合は火曜日)、年末年始、
尚、臨時休館があるので、下記HPで確認してお出かけ下さい。
入館料 一般 400円 大学生・高校生300円 小中学生200円
特別展 春秋に2回の特別展があるので下記HPご参照
アクセス 近鉄橿原線 畝傍御陵前駅から徒歩5分
近鉄橿原線橿原神宮前駅から徒歩15分 
博物館HP http://www.kashikoken.jp/museum/