月岡温泉 広瀬館 ひてんの音 (新潟県)

料 理

日帰り入浴不可

日中の温泉街はどこも寂れた雰囲気が漂うが、月岡温泉も20軒以上の芸妓置屋があるとはとても思えない侘しさが感じられる。
広瀬館はその温泉街の南側、月岡温泉発祥の地と思われる旧源泉跡近くにあり、この位置からすると広瀬館は老舗の一つと推測した。


広瀬館のHPによると、新潟出身でハワイに渡って相撲をしていた5代前の広吉夫婦が、故郷に帰って大正年間に広瀬館を開業したとある。
月岡温泉の温泉が湧き出たのが大正5年なので、推測通りの老舗宿だった。


2階建て、和室(全室シャワートイレ付)が14室で、基本料金は12,600円、15,750円、18,900円の3段階(2012年5月11日現在)といたってシンプルだが、じゃらん等のインターネット上では、さらに割安なプランを見かけた。

そのじゃらん経由の宿泊者による口コミ評価は、最低料金の宿泊者でも満足度が高く、以下の通りになっている。

新潟の奥座敷・月岡温泉は、大正5年(1916年)、石油採掘のボーリング工事の最中に温泉が湧き出したのが始まり。こじんまりした温泉地が多い新潟県にあっては珍しく大きな歓楽型温泉地で、20軒ほどの旅館、20軒を超える芸子置屋がある。
広瀬館は大正年間創業の老舗和風旅館で、料理・接客サービス面で口コミ評価が高い宿である。

食事は夕食も朝食も部屋食。

最低宿泊料金だから、高級食材は当然のごとく使用されていなく、料理も格別洗練されたものではないが、心のこもった温もりのある料理、と表現していいだろう。

また土地柄、朝晩の御飯がとても美味しく、家内が何回も称賛していた。

● 夕食(一部)

寄せ鍋

豚の角煮(美味だった)

お造り(カンパチ・タイ・エビ)

季節感たっぷりの前菜。

茶碗蒸しに代る上品な蒸し物。

食用菊(かきのもと)。新潟県は山形県と並んで食用菊の産地。

2012年5月11日現在

じゃらん 口コミ 宿泊者138人平均 総合:4.8

部 屋 4.5  夕 食 4.8
風 呂 4.7  接客・サービス 4.7
朝 食  4.7  清潔感 4.7

風呂は、畳3枚程度の小ぶりの内湯と貸切の露天風呂のみで、決して風呂で客を呼んでいるわけではない。

2ヶ所の風呂は、源泉掛け流しという記事をあちこちで見かけたが、宿のHPでは一切その旨の記載が無く、広瀬館の若主人の案内で近くの源泉を見た「温泉旅行博士」の藤田聡さんによれば、ここは加温循環と記述している。

とは言え、宿泊客に評判の良い貸切露天風呂は、撮影した写真を見るとどう見ても掛け流しに見えるが、例によって入浴時の観察を怠っていて、いまになっては確認する術がない。どうしても掛け流しに拘る方は、恐縮ですが広瀬館に直接ご照会ください。

因みに源泉は月岡5号泉と6号泉の混合泉で、泉質は含硫黄ーナトリウムー塩化物温泉(食塩含有硫化水素泉)で、明確な硫黄臭、口に含むと塩味と苦味、時間の経過とともに透明感のあるエメラルドグリーンになる。
上掲の藤田氏によれば「月岡温泉は緑色になる硫黄泉で硫化水素イオン含有量では日本一です。総硫黄では万座に次いで第2位です」とAll About中の記事で述べている。

所在地 : 新発田(しばた)市月岡温泉  
住 所 新潟県阿新発田市月岡温泉278−4
電 話 0254−32−2421
交通機関 ・磐越自動車道安田ICから国道290号経由で20分
・日本海東北自動車道 豊栄新潟東港ICから20分
・北陸自動車道新潟亀田ICから国道49号経由で30分

・JR羽越本線月岡駅からバスで10分
・JR白新線豊栄駅からタクシーで15分
宿 泊 和室14室(全室シャワートイレ付)
12,600円、15,750円、18,900円(2012年5月11日現在)
泉 質 含硫黄―ナトリウム―塩化物温泉(泉温50.7℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴施設 男女別内湯 無料貸切風呂1
観光スポット 瓢湖(白鳥飛来)、清水園、蕗谷虹児記念館、、新発田城、市島邸、阿賀野川ライン船下り、五十公野公園のあやめ、北方文化博物館、吉田東伍記念館、阿賀野川文化資料館、三川観光きのこ園、将軍杉新潟ふるさと村、阿賀の里楽市じぱんぐ 
近くの温泉 今板温泉、杉村温泉、出湯温泉、咲花温泉、きりん山温泉、角神温泉、新三川温泉、かのせ温泉
新発田市HP
観光協会HP

月岡温泉HP
広瀬館HP
http://www.city.shibata.niigata.jp/
http://shibata-info.jp/
http://www.tsukiokaonsen.gr.jp/
http://www.hirose-hiten.com/
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)

新潟県は、北海道・岩手県・福島県・長野県に続く全国5番目の大きな面積を有する。
北東から南西に細長く伸びる形で、上越、中越、下越、それに佐渡島から成る。


面白いのは地図で見ると、上越が南、下越が北になることだ。
これは平安時代(794年〜1192年)から、京都から近い順に上・中・下としたためで、旧越の国が分割されて越前(福井・石川)、越中(富山)、越後(新潟)と呼ばれたのも同じような発想だ。


新発田市は新潟県の下越地方にあって、越後平野の北部、新潟市に隣接している。
人口10万6千人は県で5番目の都市だが、県内有数のコシヒカリの産地でもある。


江戸時代には新発田藩10万石の城下町で、いまも重文の新発田城や足軽長屋等、町内の随所に文化遺産が残っている。

また、新潟市の奥座敷として、田園の中に今も歓楽型の色彩が残る月岡温泉が湯煙を上げている。

朝食も充実していた。野菜も加えたベーコンエッグが嬉しかった。

温泉名 : 月岡温泉

施設名 : 広瀬館 ひてんの音(ね) (宿泊日:2011.11.1)(1人12,600円)

風 呂

個別の口コミを見ると、幼児連れの客室には絵本がさりげなく置いてあるなど、例外なく宿の心遣い・気配りを感謝しているのが目立った。

外観からは窺えない広いロビー。けばけばしさが無い、しっとりした空間が客を出迎えるスタッフはだれもが明るく、自然な応対で心地よい。

家内の膝の支障を連絡しておいたら、1階の夕月の間で、しかもベッドを運び込んでくれていた。8畳と6畳、古さは否めない部屋だが、ここらが口コミ評価が高い所以だろう。

月岡温泉は、温泉街でも旅館でも、月とウサギをモチーフにした暖簾や幟を作ってキャンペーンを打っている。

貸切の檜樽露天風呂は、午前7時〜午後11時50分まで、40分単位で無料入浴出来る。

旧源泉の碑近くの広瀬館は小規模、しっとりした和の佇まい。大正時代の建物だが、改修・維持管理が適宜行われているようで小奇麗、清掃も行き届き清潔感が漂っていた。

月岡温泉の歴史は新しい。

今から96年前の大正5年(1916年)、石油採掘のためのボーリングの際に、温泉が湧き出したのが始まりだ。

当初はごく素朴な湯屋が建てられたが、昭和50年後半に、温泉が各旅館に配湯されるようになってから、新潟市に近いこともあって歓楽型温泉地として急成長した。

現在は部屋数が100室を超える大型から、いまだに湯治が可能な小さな宿まで、大小20軒弱の旅館が営業している。
また、新潟県随一の歓楽型温泉として、現在でも20軒を超える芸妓置屋があり、温泉街には4軒の温泉饅頭の店に混じって、スナックを多く見かけた。


大正時代に湧出した温泉は、おそらくもう枯渇して新源泉に置き換わっていると思われるが(日帰り施設の源泉は月岡5号線・6号線とあった)現在の源泉は硫黄の香りがする、含硫黄ーナトリウム―塩化物温泉だ。

貸切露天風呂の手前に、床の間付きの本格的な広い和室があり寛いで入浴出来る。
ここにシャンプー類もあるが、40分限定なので洗顔は先に内風呂で済ませておく方が良い。

4人程度の風呂。せっかくの美しい緑色(上掲の「美人の湯」参照)なのだから、次の改修の時は浴槽の色を薄い色にしては如何?

月岡温泉の外湯、美人の湯のエメラルド色の温泉。

市域外だが、近くの瓢湖(阿賀野市)はラムサール条約登録湿地で、白鳥の飛来地として有名。この日迄に3000羽以上が飛来していたが、早朝から近くの田園に餌を求めに行っており、夕方まで戻ってこない。と言うことで、訪れた午後3時過ぎに白鳥は全く見られなかった。