・山の神(女性用露天風呂)

本館から徒歩1分、細い渓流を跨ぐ橋を渡る。

苔むした2階建ての脱衣所。

宿泊編

十津川温泉郷 上湯温泉 神湯荘 (奈良県)

・貸切露天風呂

日帰り編はこちらから

―2012年6月10日現在、日帰り入浴不可ー

日本三大秘境の一つ、十津川村に自噴する3ヶ所の温泉地、湯泉地・十津川・上湯温泉を総称して十津川温泉郷と言う。全旅館・共同浴場がすべてかけ流し、日本で最初の源泉かけ流し宣言を行った。
秘湯の中の秘湯、十津川温泉の最奥、上湯温泉神湯荘(日本秘湯を守る会)に宿泊し、極上の温泉と雰囲気満点の風呂を存分楽しんだ。

神湯荘手前、左手に入口がある。(今は営業していないが)一度本館に行って入浴料金500円を支払って戻る。

上湯川沿いにある源泉露天風呂。左側の建物が女性用。その前に男性用露天風呂がある。

● 癒しの湯

● 美肌の湯

風呂は全部で10ヶ所ある。本館内に男女別の内湯が2ヶ所、別館に家族風呂が2ヶ所、その他はすべて館外にある。
この内、徒歩で7〜8分程度(車で1〜2分)の距離、上湯川の河原の露天風呂(男湯)と内湯スタイルの女湯は、増水で被害に遭い、いまだ(2012年6月10日電話で確認)、修復の見込みが立ってない。
日帰りはこの2ヶ所の風呂だけ可能だったので、現在は、立寄り湯が出来ない状態だ。

宿泊の場合、すべての風呂の入浴時間が午後5時〜翌朝9時となっている。
この日、偶々、到着時間が遅かったので不便に感じなかったが、いつもの通り午後3時前後到着だと時間を持て余すところだった。

これらの風呂の中で、白眉は男性用の露天風呂「水の神」だろう。
以前は、この風呂が立寄り湯で入浴出来たが、今は宿泊者男性専用となっている。
道路側から意識すれば見え、特に風呂へ下る小道から見下ろせるので、女性に開放されないのだろうが、道路は宿泊者以外の車は滅多に通らないし、大きな女性タイムの看板を手前に置けば大丈夫ではないだろうか。

今は閉鎖されている川沿いの露天風呂も男性専用で、女性用は視界の無い囲いの中の風呂にあるので、風呂に関しては男性有利な状況にある。

源泉は、上記の上湯川沿いの露天風呂付近から湧き、泉質は「ナトリウムー炭酸水素塩泉で、80℃を超える高温泉のため20%加水しているにもかかわらず、重曹泉特有の素晴らしいぬるすべ感がある。

因みに源泉場所にあり、現在閉鎖中の河原の露天風呂は、HPでは「源泉風呂」と名付けている通り加水していないのか(断定できないが)、他の風呂と比べて「ぬるすべ感」が一段と強い。

温 泉

夕食は部屋で、朝食は食事処で取る。夕食は一気出しだが、こういう山中の宿なので納得。
それに一気出しは、いっぱい料理が並んでいて豪華に見えるし、どれから食べるか迷ったり、逆に食べる順番を決められたり、少しずつ食べて味・食感を変えられたりして、一品出しより楽しめる、といったメリットもあるので、まんざら嫌いではない。

夕食の品は、山中の宿らしく山と川の食材を使用し、素朴で滋味豊かな料理に仕上げている。

温泉名 : 十津川温泉郷 上湯温泉 

男性用露天風呂「水の神」。両側がちょっとした崖、男でも夜に1人で入るのが怖い気持ちになる

神湯荘本館。館内には男女別の内湯があり、露天風呂はこの本館周辺に点在している。
別館は左手の小高い所にあり、別に家族風呂が1ヶ所あるが、本館の風呂の全てを利用できる。

国道168号は、大阪府の枚方市から和歌山県の新宮市に至り、総延長距離は約190km、紀伊半島を南北に縦断する。
枚方市から吉野に入る部分と新宮市直前を除いて、ほとんどが険しい山間部を縫うようにして走る。現在、2車線化やトンネル・橋梁建設などが進められており、以前と比べて1.5車線道路やヘアピンカーブなどが少しずつ減少してきている。

途中、西吉野温泉、大塔温泉、それから十津川温泉郷に入り、湯泉地温泉・十津川温泉・上湯温泉を通過、和歌山県に入って本宮町に入ると「湯の峰温泉」「川湯温泉」「渡瀬温泉」等が次々と現われ、関西を代表する温泉街道と言える。


尚、龍神スカイラインから十津川村を抜け下北山村方面に抜ける国道425号は、岐阜県の国道418号、四国の国道439号と並ぶ日本三大酷道とまで呼ばれる悪路で、十津川村観光協会でも龍神温泉方面からは、もう少し南下して国道311号線の利用を勧めている(私も一度425号線を走っているので全く同感)。

所在地 : 吉野郡十津川(とつかわ)村

施設名 : 神湯荘 (宿泊日:2011.11.28)

本館を出て左側の階段を下った先(徒歩1分)に、木の塀で囲った2ヶ所の風呂があり、一方は女性専用、もう一方は貸切風呂になっている。

日本百名湯(松田忠徳教授著作)の一つ十津川温泉郷は、奈良市と南紀を結ぶ国道168号に沿って点在する3つの温泉の総称である。
十津川村は最寄の高速道路から最短でも100km以上離れ、アクセスの悪さでは日本でも有数の秘湯と言える。

旅館は温泉郷全部で12軒の他に若干の民宿、それに5ヶ所の共同浴場がある。
十津川温泉郷は温泉教授で知られる松田忠則氏の指導・アドバイスを受けて、2004年6月、日本で一番最初に全施設の源泉かけ流し宣言を行った。

一番北側、十津川渓谷の左岸の断崖上にある湯泉地(とうせんじ)温泉、ダム湖半のわずかな平地に旅館が寄り添う十津川温泉、そして一番南側、国道168号をそれて5kmほど先に上湯温泉がある。

上湯温泉には、退避路以外すれ違い不能な上湯川沿いの隘路を数キロ進んで、ようやく到着する。
この間、ひたすら対向車が来ないように祈って先を急ぐのみだ。


大きな地図で見る

夜になるとランプが灯り風情を増す。

柿の葉、かぼちゃ等の天麩羅。

椎茸中華風スープをソーメンにかけてニューメンにする。

関西で数少ない「日本秘湯を守る会」の宿。
近年改修されて小奇麗になったが、アクセスの悪さ・周囲の山深い手つかずの自然、自噴するぬるすべの重曹泉、それを満たす野趣豊かな露天風呂群の充実等からして、この会名に最も相応しい秘湯の宿と言える。


部屋数は近年改修された本館(BT1・T6)と少し上に建つ別館(BT無し7)の合計で14室ある。格安プランが設けられているのが別館で、本館が平日12,000円〜、休前日13,000円〜に対し、別館は平日6,000円〜、休前日7,000円〜という低料金で宿泊できる。

もっと早くに泊まりたかった宿だったが、奥方がシャワー付きトイレが条件の為、立寄り湯で我慢していた。
嬉しいことに、先の本館改修によりこの条件がクリアーしたので、ようやく宿泊出来ることとなった。

宿泊に際しては、台風12号の被害で大きな被害を受けた奈良県南部に宿泊する場合、県が2000円の補助をする「復興支援プレミアム宿泊旅行券(10000円の宿泊券を8000円で購入)を利用した。

十津川村は紀伊半島のほぼ中央に位置し、和歌山県と三重県に接する。
東西33.4km、南北32.8km、総面積は672平方キロもあり、琵琶湖とほぼ同じ大きさ、日本で一番大きな村である。
村の96%が山々と山林で覆われ、四方を1000m級の大峰山脈・伯母子山脈・果無山脈などに囲まれている。

村の中央には十津川が深いV字渓谷をなして歪流し、これに沿って村を南北に、まだ隘路が残る国道168号和歌山県の新宮市まで通じている。

この国道168号は、2004年8月の地滑りにより3年7ヶ月の間閉鎖されていた(迂回路が最初に整備されたが)。
また、2011年9月には紀伊半島を襲った台風12号の豪雨により各所で土砂崩れが起こり、国道・県道が寸断され、多数の住民が亡くなった。

最寄の鉄道駅は80km北の奈良県五條駅、60km南の新宮(和歌山県)駅、文字通りの陸の孤島であり、祖谷渓谷(徳島)・泉村五家荘(熊本県)とともに日本三大秘境の一つに数えられている。

人口は著しい過疎化が進んでおり、1970年の8,500人が2010年には4,100人と半減した。

● 水の神(男性用露天風呂)

最後の200m、戦闘機の急上昇の感覚で坂を登るとやっと神湯荘へ到着。

ここも予約不要の貸切露天風呂だ。

玄関に向かう坂道の途中にある女性専用露天風呂「山の神」

他の浴槽と同じく川石で縁どり、コンクリートに平らな石を散らした浴槽。板壁に囲まれているため眺望は無い。

予約不要で無料、入浴の時「只今あいてます」の看板をひっくり返す。

古代米と自家製湯葉・豆腐

温泉コーヒーゼリー

ヤマメに似たアマゴ(サツキマス)のお造り

色鮮やかな鹿のユッケ

食 事

本館より高い所にある別館。

以下の4枚の写真はプースケさん撮影(2008.10.21)

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前に宿のHP等でご確認ください。)
住 所 吉野郡十津川村大字出谷220
電 話 0746ー64−0256
交通機関 五條から国道168号線、十津川温泉蕨尾で右折、国道425号線・県道735号線で合計約85km
新宮から国道168号線、十津川温泉蕨尾で左折、国道425号線・県道735号線で合計約60km

近鉄八木駅から特急バスで4時間20分、JR五条駅から特急バスで3時間何れも十津川温泉バス停下車、タクシー10分
日帰り施設 特になし 日帰り入浴ができる渓流沿いの源泉露天風呂前に売店があるが常駐していないようだ。駐車場(20台)
宿 泊 和室14室 
本館7室(BT1 BT6)平日12、000円〜 休前日13,000円〜
別館7室(BT無7)平日6,000円〜 休前日7,000円〜
泉 質 ナトリウムー炭酸水素塩泉(重曹泉)
(自然湧出 泉温85度 124リットル/分 飲泉可)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 9時〜17時(上記の通り現在は日帰り入浴不可)
定休日 不定休
入浴料金 大人500円 小人300円(上記の通り日帰り入浴不可)
入浴施設 内湯男女各1、露天風呂男女各2、貸切風呂4、別館の貸切などを含めて10ヶ所だが、
上湯沿いの源泉風呂(男女各1)は増水で閉鎖中
日帰り入浴は、宿から少し離れた渓流沿いの源泉露天風呂(男女別)に入浴するが、現在は不可。
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボデイソープ等なし。
観光スポット 谷瀬の吊橋:長さ297メートル・高さ54メートル、鉄線吊橋では日本一      
笹の滝:日本の滝100選
お土産・食事 上野地(谷瀬の吊橋付近)、村役場付近、道の駅十津川郷等で可能
近くの温泉 十津川湯泉湯泉地温泉、下湯温泉、湯の峰温泉川湯温泉渡瀬温泉
十津川村HP
観光協会HP

神湯荘HP
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/
http://www.totsukawa.org/kanko/
http://www.kamiyusou.jp/
雑記帳 十津川村には泉質の異なる温泉が三つ(北から湯泉地、十津川、上湯)、何れも泉質、温度が異なる。
湯泉地温泉・・・60度・単純硫黄泉
十津川温泉・・・70度・ナトリウー炭酸水素塩・塩化物泉
上湯温泉・・・・・85度・ナトリウムー炭酸水素塩泉
十津川温泉郷は奈良県にある50余りの温泉の中でまさに別格、県下で唯一、環境省から国民保養温泉地にも指定されている。

本館から徒歩で7〜8分(駐車場有り)、上湯川沿いにある大きな男性用の露天風呂とその背後にあって遮蔽された内湯感覚の風呂。源泉近くにあるので湯の新鮮度が高い。
立寄り湯で入浴出来る唯一の風呂だったが、昨年の増水によって破壊されたため現在は入浴出来ない。
修復時期は未定(2012年6月9日電話で確認)

● 源泉露天風呂

風情ある脱衣所(夜間撮影)

● 別館 家族風呂

● 展望浴場

折からの紅葉を見ながら朝風呂独占に大満足。季節・時間によって異なろうが適温、ぬるすべの湯だった。

国道168号からそれて上湯川沿いの県道龍神十津川線(県道735号)を走る。

最後の4〜5kmは退避場所しかすれ違えない。路肩が崩れていた。

秘境十津川村、秘湯十津川温泉郷の最奥にひっそり湯煙を上げる上湯温泉。宿からは、1000m級の奥吉野の山々が幾重にも連なるのが見える。

国道168号は閉鎖され、交互通行の迂回路に誘導された。

国道168号上の奈良県五條市〜和歌山県新宮市を結ぶ日本一長い路線バスは、約6時間の長旅になる。

2011年9月に大滑落した現場。

両側の急な階段に注意が必要(特に雨の日・夜間)

上の橋から見た脱衣所と風呂。横を細い渓流が流れ下っている。

山の神と同じ造り。こちらでもさざんかが咲いていた。

夜だとこうなる。

階段から見た風呂。前方に道があるが、車・人が通ることは先ず無い。

こんなに朝食の写真を大きくアップするのは初めて。心が温もる朝食でした。

本館ロビー、改修されて綺麗になっていた。

栂(とが)の間、シンプルだが清掃が行き届いていた。

男性用露天風呂。過去に2回入浴したが、かなり熱く、ぬるぬる感が非常に強かった。源泉風呂と呼称されるが、これは、加水していないのか、それとも源泉に近いために名付けられたのか不明。

女性用の風呂。天井・壁・床・浴槽もコンクリート製のガランとした浴室。ここの温泉が最も鮮度が高いと言われ、男性温泉マニアの入浴願望が強い(自分も)。

イノシシの牡丹鍋→煮るとこうなる。

初めて食べたふっくらした子持ち鮎。

2011年9月の台風12号により、紀伊半島では死者・行方不明者が90人を超えた。
まだその爪跡が残る国道168号を走った。

3mx4m位、貸切露天風呂としては贅沢な広さだ。

本館玄関を出て右手後方に向かい、「水の神」に向かう途中の左側にあり、貸切風呂としては大きな湯船だ。夜間にはランプが灯っていた。

十津川村には、大部分が今も使われている吊り橋が60基以上ある。この中で最も有名なのが「谷瀬(たにぜ)の吊り橋」で、村内一の観光スポット。生活用吊り橋としては日本一長い297mで、高さが54mある。

本館内にある男女別の内湯と脱衣所。浴槽は川石で囲い、コンクリートに小石を敷いた素朴なもの。

別館に2ヶ所ある。入浴していないので、写真は宿のHPから拝借。

平日2人1室14.000円(他に入湯税150円)。8畳+広縁+シャワートイレ。