千原湯谷湯治場へ行く幾つかのアクセスの中で、事前に隘路が続く要注意のルート情報を得ていた。

そこでここのHPを参照したところ、出雲・松江方面からやってくる場合(今回の旅がこのケースだった)、「掛合町から東三瓶に抜け、上山(うやま)地区から下る道もあります。ただし、狭い山道の連続です。」とあった。

そこで、前日宿泊した出雲湯村温泉から54号線を南下、赤名で旧石見銀山街道沿いの県道166号線に乗って西北に進み、看板にしたがって、美郷町・石原の集落から山あいに入って行く迂回ルートをとった。それでも最後の数キロはすれ違いが出来ない道となったが、対向車が来てバックする目には遭わなかった。
千原温泉 千原湯谷湯治場 (島根県)
階段を下りた先に浴槽がある。カーテンの背後には加温された五右衛門風呂がある。
写真ではよく見えないが湯面のいたるところで気泡がはじけている。このため、上がった直後に清涼感があり、その後、体温より低い湯だが体中がぽかぽかしてくる。
温泉名 : 千原(ちはら)温泉
玄関先。
川沿い等にも温泉湧出口がある。
所在地 : 邑智郡美郷町(おおちぐんみさとちょう)   
3年連続温泉チャンピオンとなった郡司勇さんはその著書「一湯入魂」で、他の温泉は1ページなのに、千原温泉だけ2ページを割いて興奮気味に「最高の風情と泉質を備えた満点の温泉」と絶賛されている。

カーテンで仕切った簡単な脱衣場から階段を7、8段下った半地下に浴室がある。

温泉や湯気が染みこんで斑模様になった打ちっぱなしのコンクリートの浴室、床は温泉からの抽出物で不思議な文様が出来ている。
男女の仕切りは板塀だ。
風呂は詰めて7〜8人の木の縁の風呂、これに黄土色に変化した温泉が張られている。

泉質は、泉温34.5の含二酸化炭素-ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉、口に含むと一瞬、炭酸が溶け込んだ酸味がして、これに渋味と塩味が加わる奥深い味だ。

特筆すべきは、ここが足下湧出風呂であることだ。
浴槽の底から湧き出た炭酸のバブルが浴槽に湧き上がってきて、体がくすぐったくなるほどだ。
美郷町は島根県の中央に位置し、2004年10月に邑智町と大和村が合併して出来た新しい町だ。

町域を中国地方随一の大河、総延長194kmの江の川が大きく蛇行しながら貫流している。 

江の川の流域には、侵食によって出来た急峻な地形が造形されて、その谷間や氾濫原に集落が形成されている。

北西部には標高300m前後の丘陵地帯、北西部には400から700mの山々が中国山地へと連なっている。

町域の大半が山林が占めていて、居住可能地域はほんの僅かである。

特産品としては、マタタビ、アユ、ヤマメ、イノシシ、蕎麦など豊かな自然の恵みがある。
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 島根県邑智郡美郷町千原1070
電 話 0855−76−0334
交通機関 中国自動車道三次ICから約45km
JY三江線柏淵からタクシーで約20分
宿 泊 不可
泉 質 含二酸化炭素-ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉(34・5℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
施設(日帰り) 無料休憩所、有料休憩室(5時間1200円)、駐車場(10台程度)
入浴時間 午前8時〜午後6時
定休日 毎週木曜日
入浴料金(日帰り) 大人 500円 子供(0歳〜小学生) 300円
風 呂 男女別内湯 (他に男女共用加温風呂)
浴室備品 シャンプー類無
食事・喫茶
観光スポット 出雲大社、石見銀山、立久恵峡、宍道湖、三瓶山
近くの温泉 三瓶温泉、湯抱温泉、池田ラジウム温泉、小屋原温泉、出雲湯村温泉、海潮温泉
美郷町HP
観光協会HP
千原温泉HP
http://www.town.shimane-misato.lg.jp/index.php
http://misato-kankou.com/
http://www.chihara-onsen.jp/index.html
抽出物でコーティングされた文様。
加温された男女共用の五右衛門風呂。ここと女風呂とはカーテンで仕切られているだけで、入浴した際には「入浴中です」と女性客に知らせるのがマナー。
簡単な脱衣棚。廊下との仕切りはカーテン。
美郷町には2つの温泉がある。
一つは湯抱(ゆがかえ)温泉、もう一つが千原温泉である。

湯抱温泉は、三瓶山の西南麓を流れる江の川の支流の渓谷にあって、旅館が数軒の小さな温泉地だ。


もう一つが一軒宿だった千原温泉。少し前までは湯治旅館として営業していたが、現在は日帰り専用施設になっている。

湯治旅館の時代は、安易な気持ちの日帰り入浴は簡単には受け入れられず、「面接結果」によっては入浴を断られていたようだ。
これまで積極的な宣伝もしていなかったので、かなり詳しいガイドブックにも紹介されてこなかった。

私がここを知ったのは、温泉チャンピオンの郡司勇さんの著書「一湯入魂」を読んだときだ。
郡司氏はここを絶賛、感極まった文章で満点の評価を与えていたので、いつか機会があれば入浴したいと思っていた。
黄土色の温泉は人肌以下の温度で、2時間でも3時間でも入浴出来るが、混んできたら交代するのがマナーだろう。お二人の内一人は地元の方、休日は順番待ちになるので来ないと聞いた。

施設名 : 千原湯谷湯治場(ちはらゆんだにとうじば) 

千原川に沿った細長い敷地に木造の建物が並ぶ千原温泉の一軒宿は、かっては湯治場だったが現在は日帰り専門になっている。
ここは年中無休ではなくて木曜が定休日になっているので要注意。

入浴時間は午前8時〜午後6時、入浴料金は大人500円、部屋休憩は5時間で1200円になっている。

休日は混みあい順番待ちもある。

温泉は持ち帰りが出来るが、1リットル300円と高額だ。ポリ容器はここでも買える。
千原温泉への分かれ道付近の丘陵地帯
中国地方を代表する秘湯の日帰り温泉施設で、炭酸を含んだぬるい温泉が足下から湯玉と共に湧き上がる。
温泉チャンピオンの郡司勇さんが、秘湯を巡る著書「一湯入魂」で温泉、湯の使い方、建物の風情のどの点も理想的、満点と興奮気味に絶賛している。尚、アクセスに関して、隘路の怖い裏道を通らないように要注意。
千原温泉間近の道路。