掛け流しの共同浴場「かじか荘」

斐伊川の支流である赤川の上流、のどかな山里に湧く海潮温泉は、天平5年(733年)に著された出雲国風土記でも登場する古湯で、松江七代藩主・松平不昧公もここで入浴していたそうだ。

蛍の名を冠した旅館があるが、これは不昧公が京都から持ち帰った蛍が繁殖したもので、現在も6月上旬から約1カ月間、赤川の上を舞っている。

昔の源泉はすでに枯渇し、現在は2005年12月に300mボーリングして湧出に成功した温泉を使用している。

小さな温泉地で、近年廃業もあって現在営業している旅館は「海潮荘」と「蛍の宿山水館」の2軒のみ。
しかし、ここには「かじか荘」と「農村環境改善センター桂荘」の2軒の共同浴場がある。

尚、市営の日帰り温泉施設「健康ランドゆとりの里」は平成21年3月に閉館されている。

データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 島根県雲南市大東町中湯451 
電 話 0854−43−5000
交通機関 山陰自動車道宍道ICから約15km
JR木次線出雲大東駅からタクシーで10分
宿 泊 17室 (すべてT付き) 詳細は下記HP参照ください。
泉 質 ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
施設(日帰り) ロビー利用 駐車場(20台)
入浴時間 11時〜16時
定休日 無休
入浴料金(日帰り) 大人1000円 
風 呂 男女別内湯各1
浴室備品 シャンプー、ボディソープ、ロッカー、ドライヤー
食事・喫茶 食事付き入浴(要予約)
観光スポット 松江城、宍道湖、島根ワイナリー、出雲大社、古代出雲歴史博物館、石見銀山等
近くの温泉 玉造温泉、八雲温泉、きまち温泉、出雲湯村温泉
雲南市HP
観光協会HP
海潮荘HP
http://www.city.unnan.shimane.jp/
http://unnan-kankou-navi.com/
http://www.ushiosou.com/
山陰自動車道松江玉造ICから約20km、ここが温泉地かと疑うほど、日本中のどこでも見かけるのどかな山里にひっそり湯煙を上げる海潮温泉。

共同浴場のかじか荘が目の前にある海潮荘は薄茶色の壁に黒瓦、2階建ての落ち着いた外観を持つ和風の宿。

中国地方で数少ない日本秘湯を守る会の宿であり、お馴染みの提灯が館内に吊るされていた。

ロビーからは茅葺屋根の茶室がある緑豊かな庭園が見渡せて、閑静な雰囲気が漂う。

部屋数は6畳又は8畳の17室(すべてT付き)、料金は2人1室で15,000円前後からと思われる。
しかし、時期・人数・部屋・プランなどによって異なるので、最新・詳細情報は下記HPで参照されたく。

出雲風土記にも登場する歴史ある海潮温泉。海潮荘は西日本では珍しい日本秘湯を守る会の宿。

時代を経て落ち着いた雰囲気の館内。左:ロビー 中:フロント 右:浴室への廊下

海潮温泉 海潮荘 (島根県)
温泉名 :海潮(うしお)温泉

宝樹の湯という名称の露天風呂が売り物だ。

木立ちの中、幹の太さが尋常でない樹齢800年の椎の大木が眼前に聳え立ち、入り組んだ形状の風呂の周囲に地元で産出した10数個の巨岩を配した堂々たる露天風呂で、深い渓谷で入浴している気分にさせられる。

内湯は湯を掻き分けながらそのまま露天風呂に入る珍しい設計だ。
これを見て、すぐに思いついたのが和歌山県渡瀬温泉の大露天風呂に繋がる内湯だった。

立ち寄り湯は、受付時間が11時〜16時(宿で口頭確認)、料金は大人1000円になっている。

温泉は透明なナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉(45.9℃)を加温・循環して使用している。

幹周が7〜8mあるだろうか、椎の巨木を仰ぎ見ながらの入浴。

施設名 : 海潮荘 (うしおそう 入浴日:2010.4.18)

荘 
(入浴日:2010.4.8)


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凹凸があるので人目を気にせずに入浴出来る。

内湯と露天風呂が直接繋がってる。

純和風の外観を持つ海潮荘。

海潮温泉の入口

たった2軒の旅館

揖斐川の支流・赤川。海潮温泉近くののどかな山里風景。

所在地 : 雲南市大東町 

雲南(うんなん)市は島根県の東部に位置し、松江市・出雲市に隣接し、南部は広島県に接している。
市の南部は毛無山(1062m)を頂点に中国山地に繋がり、北部は出雲平野に続いていることから標高差が大きくなっているが、総面積の大部分が林野である。

市内にはヤマタノオロチで知られる「斐伊川」が流れ、各地に神話や伝説が残り、数多くの遺跡や古墳が発掘されている。
こうした遺跡や神社、地名の由来は「出雲国風土記」で辿ることが出来る。

その中でも有名な「加茂岩倉遺跡」は平成8年10月、農道の工事中に発見されたもので、大小39個の銅鐸が出土、平成20年には国宝に指定されている。
また。市域は異なるが、ここから直線で3kmほどの荒神谷で、銅剣358本(国宝)が一挙に発掘されて古代史学者を震撼させた。
これらの出土により、神話の国・出雲の古代に強力な勢力が存在したいたことを確実に裏付けられた。

因みに「雲南」という名称は中国の雲南省と同一だが、、旧国名「出雲」の南に位置する地方の意味として、明治以降に使用されたものである。